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ブラッド・“Joey”・ハンセン [留学生日記]

相方の次に、生きている内に会いたかったバディーの名

数日前に来た相方のメールの中に、「お前には知らせ辛いのだが...」という前置きで
数年前にジョーイが不慮の死を遂げていたことが告げられていた。
仲が良かったのは相方も覚えていたのだろうし、相方もジョーイの事を弟のように
接していたから。 かわいらしいドイツ系アメリカ人。


背が低くてブロンズおかっぱ頭、顔にはそばかすがいっぱいあって、到底大学生には
見えないそんな彼に、誰かが与えたのが" Joey "というぴったりのあだ名。
そう、映画の主人公のJoeyだ。

そんなJoeyと親しくなったのは、Calculusのクラスが一緒だったから。
ただ同じ寮で同じクラスだからと言って、そんなに親しくなれるものでもないが
Joeyの場合は私が彼にCalculusを教えてたからなのだ。
クラスがあった日の夜、私と相方が夕食から帰ってくるのを見計らって彼は部屋へ
やって来るのであった。 右手に齧りかけのリンゴを持って必ず。

Joeyは典型的なアメリカの苦学生だ。 だからリンゴが彼の夕食でもあったのだ。
彼から学ぶものは我々留学生には沢山あったはずだ。
そんなJoeyには一つ大事な宝物があった。
大音量を叩き出す馬鹿でかいスピーカーを備えた、
ターンテーブルステレオセットだ。
確かスピーカーはJBLだったように思う。
普段は寮の規則(一応あったようだ)でいつもヘッドフォンで何やら聞いていたのだが
いざ土曜日の朝ともなると何を思ったのか、その馬鹿でかいスピーカーを窓から中庭
(クウォード)へ向け、そして大音量である曲をかけるのだ。 B面の一曲目。

[るんるん]Take The Long Way Home
          by Supertramp in " Breakfast in America "

Breakfast in America.JPG
  昔懐かしいアメリカン・ダイナーズで、こんなおばちゃんウエイトレスが頑張ってた

最初はただ喧しいだけの雑音だったが、その内すっかり私もハマってしまった。
レコードでこのアルバムを持っていたが、しばらくたって日本でCDを見つけたので
あまりにも懐かしく即購入してしまった。

結局Joeyは学期の最後までCalculusで苦しむことになったが、何とか落とさずに通過した。
やれやれ。
と思いきや、次の学期で今度はStatistics(統計学)を教えることになってしまった。
どうやら数学は大嫌いだったようだ。

でも、彼には得意技があったようだ。
日曜日になるとハンドカートを引いて、よく近くにあったパブリックのゴルフコースへ行ってた
らしく、腕前も相当なものだと一緒にラウンドした連中が言ってたのを覚えている。
プレーフィーは2・3ドルだと言ってたような気がするが、彼にとっては大金であったはず。
まさかプロゴルファーになって大金持ちにでもなろうかと言う野心があったんだろうか!?

そのJoeyも若くしてこの世を去ってしまった。
繰り返すが、本当に生きてる内にもう一度会ってみたかった。
近所の手前大音量とはいかないので、ヘッドフォンでこの曲を聴きながら
せめて遠く日本から彼を偲ぶことにしょう。

そうそう、右手に齧りかけのリンゴを持たなくては...


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