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嗚呼、ハワイ大ラグビー部 [留学生日記]

その存在はカピオラニ公園を通るたびに分っていました。
明らかにラグビーのゴールポストがそこにあり、楕円球を追っかける荒武者たちの姿を目にして
いたからです。

以前は無かったはずなのに、何だやってたのか!!

新学期が始まって直ぐのある日、用事で通りかかったアメフト部のサブ・グラウンドでやっている
ではありませんか。ちゃんとした練習を!
普段なら通ることのないこの場所、これはきっと、私にやりなさいと言う暗示だったのでしょうか?
吸い寄せられるようにコーチらしき人の所へと近寄づいて行きました。

自分の周りの環境を変えたかったのと、彼らのプレーの質の高さに感心させられ、カリフォルニア
でやっていたナンチャッてラグビーの時には湧いて来なかった闘志みたいなものが、今回はメラ
メラとやって来たのです。
自己紹介がてら自分のラグビー経歴を交えてその人と話をして、早速翌週から参加させて貰う
事になったのです。

ハワイ大の名を語っていますが、僅かな補助金を受けるのみの言わばクラブチームです。
プレイヤーの数は結局最後まで分りませんでしたが(選手登録されていても練習に来ない者が
多いと聞いていた)、その構成は学生と大学職員が全体の半分ぐらいで、残りはホノルル在住の
社会人のトンガン(トンガ人)達です。
学生は私と同じ海外からの留学生と、現地の白人及び日系人の大学院生で、遠くはるばる
ポルトガルからやって来て、海洋学の修士課程を専攻している者もいました。

練習は基本的に月~金毎日このグラウンドで行い、週末はリーグ戦の試合や大会、練習試合を
カピオラニ公園でやっていました。
ワイキキ側から見るとこのグラウンドの存在は分りませんが、ず~うっと公園の中を歩いて行くと
野球場も有ったりと広大な公園なんですよ。[ひらめき]

ラグビー通の方なら分ると思いますが、同士のトンガンをはじめサモア、フィジーは大変ラグビー
の盛んな国です。これにオーストラリアやニュージーランド、アメリカ本土やイギリスからと、さな
がらちょっとしたワールドカップ並みに、このハワイへ大会や遠征でやって来るのです。
当時まだパンナム(パン・アメリカン航空)が存在していた時は、オフィシャルスポンサーとなって
パン・パシフィック・
ラグビートーナメントが開催されていたんですよ。
この時は日本からもクラブチームが参加していました。
お金の都合さえ付けば、遠征先候補に二言はありませんよね!
特に、ノーサイド後のパーティーやバーベキューを楽しみに試合をやるっていう連中もいました
から。

さてここでちょっと、トンガ人の仲間の話をしましょう。 [ひらめき]
彼らの多くはハワイで生まれ育ったのではなく、母国から移民或いは仕事でやって来ました。
職種で圧倒的に多かったのはポリネシアンダンサーです。
ポリネシアン文化センターが主な就職先で、さすがファイヤーダンスは旨かったです。
他に
ワイキキのホテルと興業契約している者もいました。
正直言うと、英語は皆あまり得意ではなくて、コミュニケーションはもっぱらブロークンのピジョンと
教えて貰った片言のトンガ語とのチャンポンでした。

性格は明るいんですが、どことなくシャイで無口。ただ、仲間内では母国語でいつも冗談ばかり
言い合って笑っている典型的内弁慶さんです。
体格は言うまでもなく皆、優に100㎏は有りそうな筋肉の塊です。名前は忘れましたが何とかと
言う木の樹液を毎日飲んでいるらしく、チームに馴染み始めた頃キャプテンのラオが私に飲めと、
家からわざわざ持って来てくれたことがありました

たちまち仲間が集まって来て、口々にニヤニヤ笑いながら、
何やら私に向かって言ってるのです。
言葉と一緒に見せるポーズを見ると、その意味は簡単に理解できましたが、『お前ら、大阪の怪
しいスッポンエキスのコマーシャルみたいやなぁ!』 そう突っ込みたくなるのでした。

ん~ん、まずい!!

どこかのCMではありませんが、苦くてとても飲み干せた代物ではありません。 がしかし
残してしまった分をキャプテンのラオがいとも簡単に、それも旨そうに空にしてくれて一件落着。
今から思えばこれが何とかの杯で、やっと私も彼らの仲間として受け入れられたのではなかった
のでしょうか?
残念ながら飲んだ量が足りなかったのか、翌日その効果が現れることはありませんでした。[バッド(下向き矢印)]

私の苗字は、彼らとて簡単に発音できたはずなんですが、どうしてもあだ名を付けたかったらしく
有り難く頂戴したそのあだ名と言うのが

ト・フ・2  [ちっ(怒った顔)][ふらふら]

なんだと思います?
トフ=とーふです。日本人から連想できるのがどうも豆腐(トーフ)だけらしいです。
せめてサクラとかサムライとか無かったんですかねぇ。[もうやだ~(悲しい顔)]
2と言うのは、実はチームに先輩日系人のゲーリーと言うのがいて、彼もまた有り難いであろう
トフ1を拝命していたのでした。
トンガン達はトフがナンバーツーまで出来たのがたいそう嬉しかったようです。

もうひとつ、トーフがどうしてトフになるかという説明が必要ですね。
トンガ人の名前を見ればよくわかることなのですが、キャプテンのラオをはじめマヌ・キリ・モヌ
など彼らの名前は大体二文字で、苗字は◯◯◯ケハというような5文字が典型的なトンガンの
名前なのです。
じゃあこの際、私も自分でトンガン風苗字を高貴なトフの後に付けてやろうと思い、考えたのが

ト・フ ア・カ・サ・タ・ナ  ですよ [わーい(嬉しい顔)]

ハマヤラワでもよかったんですが、アカサタナの方がトンガンらしいでしょ? [わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)]

そんなこんなで、馴染み込み始めたこのトンガン達をはじめ、チームメイトと共に卒業までの約
1年半数々のエピソードを生みながら、楽しくラグビーを再開できることになりました。


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