実家が無いって？ [住の抽斗]
昨晩、母親からの時間差おめでとうコールでどうやらイベント月は終息を迎えたようです。
『うっかり忘れてた』と申し訳なさそうに電話して来てくれたので、１６日の母の誕生日に話した
ばかりだから全然問題ないよ、ボケてなんかいないからと、逆に激励しておきました。
御年８６歳、週二で通うデイケアサービスでも頭角を現し、今ではちょっとしたボス的存在らしく、
毎回その訪問を楽しみにしているようです。
そんな母へは週に一度電話をするようにしています。うっかり忘れていると家内から『電話して
あげろ指令』を受けてしまいますので、日本に居る限りはほぼこのルールは守られているはず
です。
ある日、母が会話の中で長年住み慣れた家がもう無いことを時々淋しく思うという事をポツリと
呟きます。今のマンションも住み始めて既に６年ほど経過しているのですが、自分の物ではない
ということを含め、何かこう淋しいものが突如として込み上げて来たりするのでしょうね。
母の呟きを聞きながらふと、そう言えば私自身まともに長年一箇所で生活したことがないという
事実に気付きます。たった３年しか住まなかった母が懐かしむ家は盆暮れに訪れるだけだった
ので、その愛着度は母に比べてかなり低いものとなってしまいますし、現在の母の所は住んでも
いないのでまったく異星人感覚で落ち着くことが出来ません。ある意味で『実家なき子』なんです。
横浜市民となって３０年になりますが、２４年目まではお恥ずかしいことに中華街や山下公園を
訪ねたのがほんの一・二回程度、「横浜を知らなさ過ぎる」と一念発起して、６年前に現在の場所
へ会社を移転してから行動半径が劇的に変化し、ようやく市民になれたという実感が出て来ま
した。
それでもまだ、自分の中でスッキリしないスポットみたいな部分があることにも気付きます。
そうなんです、大阪に生まれ育ちながら大阪の事を全然知らないんです。一人で行動できる年
になった時は始終部活に明け暮れてましたので、繁華街で人並みに遊ぶという事すら知らずに
遠い異国へ旅立ってしまったからです。
その間にこの大阪が大きく変わったことは勿論訪れる度に実感できることなのですが、ほんの
上辺だけになってしまうというのは時間的にも否めません。だから、どうしたらこの街をじっくり
観察し同時に親孝行もしながら楽しめるのかと、近頃無意識に考えを巡らせていたのでしょう。
そんなモヤモヤ私にある日突然、閃きの神が舞い降りたようです。しかもあんなところ．．．
．．．でねぇ。
引っ張ります。
独居老人の母（83）に
実家が狭いので要らないものは捨てろというと
「老後の楽しみだから」と言って嫌がります。
ガラクタに埋もれることが「老後の楽しみ」というのは
よくわかりませんが、物に対する思い入れや
生活環境を変えることへの抵抗感があるのでしょうね
by いっぷく (2013-05-22 22:21)
いっぷく さん
うちの母も全く同じですよ。
断捨離なんて絶対無理だと、この一年でよ～く
分かりました。ただ、年寄りの生活環境をあまり
急激に変えないほうがいいと言いますので、本人が
邪魔だと言うまで放っておこうと決めました。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-22 22:44)
はじめまして
環境の変化についていくのは私も難しいと思います。
私も断捨離ができません、わからないです。
いつか使うのではないかと（思い出のアルバムとか）。
by コンセルジュ (2013-05-22 23:30)
『実家なき子』には同感します。
帰省しても居住空間ではなく、荷物を置くだけで、そのままミナミの友人と楽しく過ごすだけ。わたし自身は住んだこともない仮の住まい。ご近所様は私の知らない異空間。知り合いなんて一人も居ない。帰省して、じっと家の中だけで過ごすことができる年齢になった今、少し居住空間として認識できています。と言うことは、学校以外、軸足は一度も置いたことのない大阪、ということになります。ゆえに、「ふるさと」を懐かしく思うことは殆どなくなりました。まだ、彼女と過ごした横浜の方が懐かしく、鶴見あたりが陽の当たる坂道でした。・・・つづく。
by tommy88 (2013-05-23 04:33)
私もです〜広島出身だけど
しらないことたくさんです。
by pandan (2013-05-23 05:06)
大阪→東京→仙台→大阪と転勤し、その間、引っ越しは8回。
何処も住めば都で、水が合ったようですし、どこでも暮らせそうな気がします。
デラシネでもボヘミアンでもありませんが、実家の感覚、希薄なようです。
父親が早く他界し、母も他界したせいかもしれませんね。
そんなせいか、大阪も東京も仙台も、僕にはふるさとのような気がします。
「行く」ではなくて、「帰る」という気持ちになりますから。
それにしても、「あんなところ」、どこでしょうか。
早く知りたくて興味シンシンです。
ウズウズ。
by あるいる (2013-05-23 16:24)
僕の実家も借家だったので、今はマンションが建ってもう無いです。
なので、実家のあった場所から50mの所に売り出しの家があったので購入して住んでいます(^^)
by ma2ma2 (2013-05-23 18:34)
コンセルジュ さん
年寄りには受け難いもののようですね。
かと言ってそっとしておくのもよろしくないので、
適当に刺激を与えてやらないといけませんね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-23 22:13)
tommy88 さん
軸足となると私も横浜になりますね。
ただ、去年から頻繁に大阪へ帰っているので、どうやら首を
もたげて来たようです。
先生が彼女と鶴見でブイブイ言わせてたとはこれまた以外です。
デートって何処いら辺りでしたんでしょう？まさか総持寺の境内や
旧花月園競輪場じゃあないですよねぇ！？
是非、続きを聞かせてくださいな。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-23 22:20)
pandan さん
義兄が広島出身です。
私は恥ずかしながら未だ一度も訪ねた事がありません。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-23 22:22)
あるいる さん
何処にでも軸足を置くことが出来る、天性のなせる業か、
それとも取り巻く環境がそうさせたのか、何れにせよ各々を
故郷と呼べるのは素晴らしい事です。
あんなところ、どうやらツボを捕らえましたか？
期待されるともの凄くプレッシャーがかかりますよ。
ドキドキ
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-23 22:27)
ma2ma2 さん
生家のすぐ傍なんですね。
じゃあ、近所の幼なじみが実家へ戻ってくると会ったりする機会も
あるでしょうね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-23 22:34)
とうとう、大阪に家買いましたか＠＠？
by だいず (2013-05-23 23:24)
では、続編。
お寺で哲学を語る。趣味です。
石原裕次郎さんもココですからね、もちろん校内放送もないし。
この境内はよく歩き回り、信者さんからは違和感があったでしょう。
三ツ池公園という、そのままの名前の公園も重要です。
坂道はお年寄りにはキツく、若者には陽の当たる坂道です。
坂道を上った所にあるマーメードのチーズケーキはよく食べに行きました。
お金がある時には関内まで繰り出して伊勢佐木町でブルースです。
馬車道あたりで木の葉模様の散歩です。
夢と愛を語るのだけは上手でした。
告白はもちろん横須賀です。
by tommy88 (2013-05-24 05:14)
だいず さん
そう来ましたか？
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-24 23:19)
tommy88 さん
早速の続編有難うございました。
やっぱり総持寺の哲学の境内でしたか．．．
三ッ池公園とは花見でデートですね。
横浜も先生にとってはone of Furusatos なのですね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-24 23:25)
その娘の名前はズバリ花の名前でしたから、三ツ池公園に花見になんて失礼なことはしませんょぉ~。横浜市鶴見区北寺尾在住のお嬢様は無垢で、勿体ないことですが、彼女の人生の時間を奪ってしまったかも知れません。詩人であり、役者さんでした。柳美里さんのような強さはありませんでしたが。たくさんの話をしました。たくさん歩きました。時間はゆっくりと流れていました。思い出すと心が少し痛いです。そしてその痛みも好きです。
by tommy88 (2013-05-25 06:12)
でも、花弁が風にヒラヒラと舞う中、最後の哲学デートなんか
して欲しかったな、とは勝手な妄想。
鶴見っていうのは土地柄なんでしょうか、緒方拳一家やショーケン
といった俳優さん達が住む町でもありますね。
エエ話やないですかぁ。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-25 10:04)
でも、その母親がデートの相手だったら。
そういった妄想の方が小説になると思います。
そこには葛藤と背徳がありますから。
陽の当たる坂道には、野人の私には溶け込めないものがありました。
育ちが悪いですから、ハーフのお嬢様とはラベルが違う。
そして私は石原裕次郎ではなかった。
ただ、確かにそこには時間があって、良い時間だったと思っています。
横須賀へ海を見に行くというスタートから設計通りに事は進みましたから。
たくさんの貴重な経験をさせてもらいました。良い思い出です。
by tommy88 (2013-05-26 08:48)