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夢を育んできた町 [旅の抽斗]



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常夏ハワイを舞台にANAとJALが壮絶な戦いを始めたのは記憶に新しいですね
フライング・ホヌと命名されたAB380というリーサルウェッポンが話題ですが
近頃対抗馬のJALにも新型機AB350が福岡線へ導入されるそうです
そのエアバスと市場で唯一ガチバトルを繰り広げているのがこのボーイング社

シアトルに来たらここは外せないでしょうとばかりの半日ツアー参加してきました
ここエバレット工場では主に767、777、780の最終組み立てを行ってます
ダウンタウンからおよそ40分ほどで広大な敷地に巨大な工場が現れ
隣接して2500m他2本の滑走路を有するペインフィールド空港があります


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工場敷地へ一歩入ると厳しい撮影規制が敷かれており携帯電話やカメラは勿論
バッグ類の持ち込みもすべて禁止されているのでロッカーへ一時保管となります
敷地内で唯一撮影が許可されているのがカスタマーセンター内と屋上展望スペースのみ
間違ってスマホなどが持ち込まれるとどうなるのか、確認はできませんでした


専用バスに乗せられ工場へと向かい、下車後は徒歩で構内見学となります
間の柱がない巨大工場のトラス張り構造に驚きを隠せず
その天井を動体部品などの重量物を吊下げるクレーンが行き交います
B787が日本製部品35%で成り立っているように
全米のみならず世界各地の協力工場で製作されたアッセンブリーが
ここエバレット工場に集められ最終の組み立て作業が行われるのです


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滅多にお目にかかれないB747を改造したDream Lifterによって
運搬されて来たばかりの胴体部分がトレーラーに載せられ工場に到着していました
工場内にある組立中の機体には納入先のエアライン名が記されており
これをチェックして観ているだけでも飽きないのですが
見物キャットウォークから1日中眺めていても組立の進捗状況は分からないでしょう


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垂直尾翼に9とペイントされているのがB777-Xの第一号機

私たちが見物した時、かなりの数のB737-MAXが所狭しと駐機しており
今回の事態の大きさと深刻さを物語っているようでした
そのMAXに交じってひときわ目立っていたと日本人ガイドさんが興奮気味に
指を差して教えてくれたのがテストフライトを待つB777Xの1号機
皆さん今日はほんとにラッキーでしたねとガイドさんの方が舞い上がってました
そう言えば政府専用機もB747からB777へと変更途上です

ダグラスやロッキードという好敵手を相手にしていたのは昔話
でも、世界の航空機市場が純然たる競争関係にあった頃
業界の技術開発は宇宙空間へも同時に向けられていました
かのアポロ計画において重要な役割を果たしたサターンⅤ型ロケットもその一つ


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そして現在も活躍中のISS国際宇宙ステーションの実験棟にも
ボーイングの技術が投入されていることを知りました
如何にもドイツ人らしい気質の持ち主ボーイングさんが興した会社は
3年前に創業100周年を迎え、記念となる書籍も発行されていました
3年経った今回 best deal $9.98と書かれたラックに最後の3冊が並んでいたので
重い荷物になること覚悟で思わず購入し持ち帰ったのは言うまでもありません


1グループ大型バス1台分の人数を元CAの名物社員ガイドさんが英語で案内するこのツアー
我々を引率してくれた日本人ガイドさんは決まりで公にはガイド行為ができませんが
私たち日本人6名の参加者は隊列の最後尾で日本語特別レクチャーを受けました
現地ガイドさんが話す一字一句を暗記しているかのような的確な解説のおかげで
大変有意義なボーイング・エバレット工場見学となったのでした


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ビルの建設ラッシュ現場やあの amazon go があるダウンタウンを抜け
降車を希望したパイクプレイス前一番街に着いたのが丁度お昼時
近くでゆっくり昼食を済ませたのち古い顔のシアトルを散策してみることにしました


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あるいる

大型旅客機を作る工場は広大でなくてはいけないのだと、はじめて気づきました。
三菱もMRJを作っている工場も広いですし、すぐ隣には名古屋空港がありますが、ボーイングの工場ほどの広さはありません。
日本の技術力で大型旅客機を作るとすれば、アメリカに工場を作るのでしょうか。
そうすればトランプ大統領は雇用が生まれて喜ぶのか、アメリカ製旅客機の競争相手として潰しにかかるのかと、想像・空想・妄想が広がりました。
産業としての航空機、まだまだアメリカ並とは行かない日本です。
部品の分野で頑張れニッポン!です。

by あるいる (2019-06-19 04:36) 

tommy88

2001年6月末から誘いに応じて小5の長女は小学校を3週間さぼり、カルガリーに行きました。札幌時代、教育大学に留学したカナダの娘さんを受け入れたのですが、彼女の母上が小学校の先生をしていて、母上のクラスを体験してみるかという誘いです。格安の英語体験ですから、行け行けGoGoでした。面白いことに子どもだからか、搭乗機のコックピットに誘われて娘は機長と一緒に写真を撮っていました。その3か月足らずあとに例のテロが起きるのですが、コックピットが開放されるというサービスは今はもうないと思います。そういう時代も今と同じかどうかは分かりませんが、ボーイング社は開放的だったようです。機種ごとに切り抜き型のマグネットや見て歩く時のプラスチックのゴーグルはお土産でした。もしかしたら一般見学ではなく、身内見学かもしれませんが。飛行機のマグネットは冷蔵庫にしばらく貼り付けていました。そして現在は、MRJが納期を守れるか、気になるところです。

by tommy88 (2019-06-19 06:00) 

ma2ma2

BoeingのDreamLifterですね!
週に数回名古屋に来て飛行機を運んでいますね(^^)
by ma2ma2 (2019-06-19 10:42) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

あるいる さん

逆にあれほど大きな物体がこうも所狭しと限られた工場内スペース
に収まるものかと、ちょっとビックリもしました。それにしてもほ
とんど人影が見当たらない状況下で次々と新たな機体が仕上がって
いくというマジックの種明かしを見てみたい衝動にかられた一日
でもありました。
MRJ改めスペースジェットの長期間に亘る足踏みにも、いよいよ出
口が見えてきたかに思われた矢先、今度はより小型機の開発・生産
をアメリカで行なうということになったようです。あくまで国産、
という三菱のこだわりはこのあたりで終了ということでしょうか。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2019-06-19 22:21) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

tommy88 さん

小さい頃からの一人旅経験は立派に現代へと受け継がれ、まさに世
界を股にかけるスーパー女史を創り上げたのですね。そう言えば
ひと昔前までは機長の気分次第であの聖域であるコックピットにも
一般乗客が自由に出入りできたのでした。現在のアメリカ国内線で
すが、搭乗開始から出発準備完了までコックピットの扉が開放され
ている場面をよく見かけます。飛ぶ前だから心配ないということな
のでしょうね。今回のアラスカ航空の機長なんか、出発前のダブル
チェックをすでに済ませたからか、自分がインターフォン片手に出
発前の機内放送をやってました。定時出発率の高さからくる余裕な
のでしょう。
ゼロファイターや隼などの名機を生み出したニッポン航空技術を
もってすれば、とっくの昔に乗客を乗せ世界の空を飛び廻っていて
もおかしくないスペースジェットですが、ここは様々な思惑が働い
たりもして、その門出を大幅に遅らせることとなっているのではな
いかと、誠勝手な想像です。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2019-06-19 22:33) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

ma2ma2 さん

B787の胴体部分は確か名古屋近郊で製作されていたような。だか
らセントレイアにたびたびドリームリフターが飛来するのですね。
船で運んでもよさそうな気もするのですが、そこはやはり時間との
勝負でしょうか。よって必然的に一機当たりのお値段が高額になる
のも無理はないのですね。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2019-06-19 22:37) 

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