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少しずつ、でも着実に [旅の抽斗]



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くまもん、しっかりパックてました。やってきてちょ~だぃ!


週末利用の一泊旅行なら機内持ち込み可能サイズのキャリヤーで十分です
妻と各々一つずつ持ち歩きますがさすがに観光中はコインロッカーのお世話になります
空きスペースのMサイズを見つけるのと、その中へ2つ入れてしまうのが得意な私は
今回もここ熊本交通センター・バスターミナルで最後の一個を発見しラッキー収納完了です

交通整理をしていたおじさんから熊本城までの近道を教わり徒歩で向かいます
じきに花見見物がてらの見物客に合流でき城彩苑わくわく座から城内へ
復旧工事のため広範囲で立ち入り規制が行われており外堀の外側からの見物となります
ところどこに城内の解説ボードが設けられ時折ボランティアのガイドさんの姿も


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花見には少しだけ早かったようですが好天の日曜とあって大勢の訪問客です
この景色を眺めている限りここ熊本城が受けたダメージは想像できません


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限られた見物ルートに従い歩を進めて行くといよいよ現実が眼前に現れ
思わずため息が漏れ暫し立ちすくんでしまいます


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こちらも間一髪崩壊を免れまさに首の皮一枚で持ち堪えています
崩れ落ちた石垣はこの時まだ手付かずの状態でしたが
やがて一つずつ手前の空き地にナンバーリングされ整列となるのでしょう


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そして復興が最優先で進められている天守閣エリアに到着
時間の関係上通りからのシーンは見ることができませんでしたが
震災当時のあの悲惨な姿はもうどこにもなく、近代建築技術にしっかりガードされ
やがて訪れる完了の瞬間を今か今かと待ち受けるだけです

秀吉にかなり振り回された感がある清正公所縁の神社前で折り返し
空港バスの時間を気にしながら来た道を少し速足で戻ります


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入城口手前まで戻ってくるとそこには何事もなっかたかのような早春の一コマがあり
早咲き満開の桜の前で大勢の訪問客がシャッターをきっていました


負けんばい、熊本

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負けんばい [旅の抽斗]



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このところやたら揺れてくれる横浜、週明けも朝からデカいのが襲ってきて
揺れがなかなか収まらないビルの一室でした
確率がかなり高くなってきている分警戒しなければならない関東地方です

休筆中の今春、マイ・ディスカバージャパンの一環で熊本を訪ねてきました
あの大地震から3年、市内中心部のとある地下道出入り口に張られたスローガン

負けんばい、熊本

最大震度7を観測した益城町をはじめ玉名市などなおも震災の爪痕は残されたままですが
中心部を移動している分には甚大な被害を知る術はありません
しかし、その中心部茶臼山の頂に築かれた熊本城内へ一歩足を踏み入れれば
当時の惨状がどのようなものだったのか直ぐに想像がつきます


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咲き始めたソメイヨシノに気を取られ気付くのが遅くなった私が目にしたもの
今にも崩れ落ちそうな天守閣とそれを一生懸命支えているおびただしい数の鉄骨群と
崩れ落ちてしまった清正公ご自慢の膨大な数の石垣群でした
奇跡的に持ち堪えた天守閣再建が最優先されている様子で
石垣の石はひとつずつナンバーリングされ空きスペースに並んで出番を待ちます

完全に元通りとなる日は一体いつになるのやらと
帰り便の時間を気にしながらもギリギリまで粘ってしまいました

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初日は熊本空港から観光タクシーで一路阿蘇方面へ向かい
いきなりカルデラのバカでかさに度肝を抜かれます
一旦中へ入ってしまえば誰もがそこがその昔火口だったことなんて気付かず
単純に背丈の整った山々に囲まれた盆地なのだろうと信じてしまいそうです


火山博物館のデモ展示物を鑑賞すれば阿蘇の秘密は直ぐに暴かれます
生憎この日は火山性ガスの影響で火口見物はNGとなって
草千里前から中岳の活火山振りをおかずに馬肉定食をいただきました
火の国熊本、閑散とした土産物売り場で独り気を吐いていたおばあさん
その勢いに引き込まれ名物いきなり団子を購入しデザートとします

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白河水源の清らかな湧き水を備え付けの柄杓で一杯と思いきや
底に散らばるコインの数々が目に留まり急停止
投げ入れ禁止の看板も奏功せずここもやっぱりトレビとなってしまうのかと溜息です
それでも途切れることなく湧き出でくる地下水の逞しさと美しさに九州を感じます

お決まりのコースはそれでも初心者の好奇心を満足させてくれ
重い目をしてでも広角一本忍ばせてきた甲斐があったのかと自己満足
8時間のタクシー観光は名湯黒川温泉ではなく高原ホテル前で終了です
折角だからと狭い黒川温泉内もおまけで流していただき外国人観光客の多さにビックリ
ここまでやって来る逞しさと情報収集力には参ったと言うしかありませんね


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この時期の阿蘇では山焼きが盛んに行なわれており
あちこちから火の手が上がる迫力あるシーンが堪能できます
ホテルのレストランからも興行的山焼きを鑑賞でき米焼酎の味付をしてくれます
期待以上の夕食と食後の星見物ツアーでホテルも株を上げました

翌日はホテルから空港のコースが最短でがありましたが
ここは敢えて逆方向の熊本市内での散策を取り入れ得意のバス移動です
途中何度も流れる川に遭遇し改めてその水の透明度に驚かされました
後日この話を宮崎娘をめとった甥に話すと、九州はどこを掘っても奇麗な水が湧くんだとか


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車中からも次々鑑賞できた阿蘇の山焼き風景を後にしてカルデラとはお別れし
外輪山の外側へと出て途中停車の阿蘇駅を経由し一路熊本市内へと向かいます
地方で長距離バスに乗る場面が多くなって気が付いたのですが
意外にも多くの地元民が生活の足として利用しているのですよね
この日も終点まで乗った観光客は熊本城を目指す我々二人だけでした


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アングラの秘密 [旅の抽斗]



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チップは心付けだから決して予め計算され知らさせるものではない
というのはそんな習慣を持ち合わせない我々日本人の勝手な感覚であって
チップがれっきとした従業員の給与の一部を構成している国では
客に堂々とそれを請求しその傍らで人件費節約に成功する雇い主は左団扇の高笑い

ますますリッチになっていくオーナーの姿を想像しながらメニューに記された
20%のサービスチャージを申し受けていますという注釈に眼をやります
ゆったりまったり食事をしたければこの条件を呑めば良いシアトル
そう言えば同じ様な話を妻とワイキキでしていた覚えがあります


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サービス料の元は取れたかどうかわかりませんがゆっくり食事の後は
ツアーの車中で耳にしたシアトル名物塩キャラメル・チョコレートが気になったので
一番街へ出てブラブラしてみることにしました
後ほど発見することになったシアトルの秘密、タモリさんもブラブラしたいかも

恐らく世界でも高価な部類に入るであろう試食をさせてくれたFran'sは
ここにあったか高級ホテルフォーシーズンズの1Fにあります
かのオバマ元大統領が大のお気に入りだという逸品の数々が並んでいます
プナホウ・スクール出身の彼はてっきりハワイアンホストのファンだと思ってました


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話のタネに少量のみ購入して先を目指す道すがらブロックが変わるごとに
海を眼下に見下ろすという風景が現れちょっと函館っぽい雰囲気になります
それにしてもしつこいくらいに登場するシアトル・コーヒーの店
これもシアトル港が交易の要として存在していた時代の産物なのですね

シアトル美術館をやり過ごしていくとそのうちレトロな建物に囲まれた一角が現れ
その建物に掛かっていた謎めいた広告看板がやたらアピールしてきます

"Underground Tour"

アングラ・ツアーとはまたなんと怪しげなと思うまま身体は自然にチケットカウンターへ
20分後に始まるというツアーの切符を買い求めそのまま謎に包まれていきます


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時間が来て一同建物のホールに集められそこでスタッフからツアーの詳細が説明されます
100人ほどいたでしょうか、多くは全米各地からの観光客のようで
皆さん予めこのツアーのことは調べ上げてたみたいでした
いざ出発となり外の広場でグループ分けとなりガイドさんの後について歩行開始


といきなりある古いビルの地下へと誘導され眼にした光景はホンテッド・ハウス?
明らかにその昔この場所で日常生活が営まれていた証拠がゴロゴロと転がっていて
所々にライティングと解説パネルが設置してある辺りでガイドさんの解説が始まります


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およそ150年ほど前失火から大火となって殆どが焼失してしまったシアトルの町
かねてから塩の満ち引きによって下水が逆流してしまう難儀も抱えていたため
ここはいっそ町全体を作り直してしまおうと、3m嵩上げしたのが始まりです
よって従来の1Fは地下となって眠りにつき謎の地下都市と化したのでした
日本がまだまだボットンだった時代すでに水洗化されてたとは驚きです

己の解説に悦を感じている節があるガイドさんの話が若干長かったせいで
3か所の地下都市見物におよそ1時間半ほど費やすというミステリーツアー
シアトルに来たらスペースニードルを見物する前に必ずここへ来るようにという
古くからの言い伝えがあるのかどうかは知りませんがユニークなのは間違いなしです


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もう少し先へ足を伸ばせばマリナーズの本拠地 T-Mobile Park Stadiumでしたが
ゲームのない日は閑散としてると聞いてたものですからここはあっさりギブアップ
代わりに少し早めの夕食はパイクプレイスの外にある小綺麗なイタリアン・レストランにて
入り口に張り出してあったメニューの『本日の魚はロックフィッシュ』に誘われての入店でした


マイル狙いのきらいが強かった旅でしたがシアトルの立ち位置に見て取れたポテンシャル
全米各地への乗り継ぎ拠点として充分その機能を発揮するという確信を得て
アメリカン航空との併用で米国内の移動は格段便利になることでしょう
ただし、ワシントン州ではタダ酒がご法度という事実が判明してしまい
何のためのクラブ・ラウンジだったのかと大きな反省材料もあった旅はこれで終了です


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夢を育んできた町 [旅の抽斗]



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常夏ハワイを舞台にANAとJALが壮絶な戦いを始めたのは記憶に新しいですね
フライング・ホヌと命名されたAB380というリーサルウェッポンが話題ですが
近頃対抗馬のJALにも新型機AB350が福岡線へ導入されるそうです
そのエアバスと市場で唯一ガチバトルを繰り広げているのがこのボーイング社

シアトルに来たらここは外せないでしょうとばかりの半日ツアー参加してきました
ここエバレット工場では主に767、777、780の最終組み立てを行ってます
ダウンタウンからおよそ40分ほどで広大な敷地に巨大な工場が現れ
隣接して2500m他2本の滑走路を有するペインフィールド空港があります


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工場敷地へ一歩入ると厳しい撮影規制が敷かれており携帯電話やカメラは勿論
バッグ類の持ち込みもすべて禁止されているのでロッカーへ一時保管となります
敷地内で唯一撮影が許可されているのがカスタマーセンター内と屋上展望スペースのみ
間違ってスマホなどが持ち込まれるとどうなるのか、確認はできませんでした


専用バスに乗せられ工場へと向かい、下車後は徒歩で構内見学となります
間の柱がない巨大工場のトラス張り構造に驚きを隠せず
その天井を動体部品などの重量物を吊下げるクレーンが行き交います
B787が日本製部品35%で成り立っているように
全米のみならず世界各地の協力工場で製作されたアッセンブリーが
ここエバレット工場に集められ最終の組み立て作業が行われるのです


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滅多にお目にかかれないB747を改造したDream Lifterによって
運搬されて来たばかりの胴体部分がトレーラーに載せられ工場に到着していました
工場内にある組立中の機体には納入先のエアライン名が記されており
これをチェックして観ているだけでも飽きないのですが
見物キャットウォークから1日中眺めていても組立の進捗状況は分からないでしょう


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垂直尾翼に9とペイントされているのがB777-Xの第一号機

私たちが見物した時、かなりの数のB737-MAXが所狭しと駐機しており
今回の事態の大きさと深刻さを物語っているようでした
そのMAXに交じってひときわ目立っていたと日本人ガイドさんが興奮気味に
指を差して教えてくれたのがテストフライトを待つB777Xの1号機
皆さん今日はほんとにラッキーでしたねとガイドさんの方が舞い上がってました
そう言えば政府専用機もB747からB777へと変更途上です

ダグラスやロッキードという好敵手を相手にしていたのは昔話
でも、世界の航空機市場が純然たる競争関係にあった頃
業界の技術開発は宇宙空間へも同時に向けられていました
かのアポロ計画において重要な役割を果たしたサターンⅤ型ロケットもその一つ


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そして現在も活躍中のISS国際宇宙ステーションの実験棟にも
ボーイングの技術が投入されていることを知りました
如何にもドイツ人らしい気質の持ち主ボーイングさんが興した会社は
3年前に創業100周年を迎え、記念となる書籍も発行されていました
3年経った今回 best deal $9.98と書かれたラックに最後の3冊が並んでいたので
重い荷物になること覚悟で思わず購入し持ち帰ったのは言うまでもありません


1グループ大型バス1台分の人数を元CAの名物社員ガイドさんが英語で案内するこのツアー
我々を引率してくれた日本人ガイドさんは決まりで公にはガイド行為ができませんが
私たち日本人6名の参加者は隊列の最後尾で日本語特別レクチャーを受けました
現地ガイドさんが話す一字一句を暗記しているかのような的確な解説のおかげで
大変有意義なボーイング・エバレット工場見学となったのでした


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ビルの建設ラッシュ現場やあの amazon go があるダウンタウンを抜け
降車を希望したパイクプレイス前一番街に着いたのが丁度お昼時
近くでゆっくり昼食を済ませたのち古い顔のシアトルを散策してみることにしました


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New old town, Seattle [旅の抽斗]



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翌朝ゆっくり目の便で第二目的地シアトルへとシエラネバダ上空を飛びます
ウーバー勢力の猛烈な嵐のせいなのか空港までのタクシー料金が均一となってました
桑港の街中で頻繁に見かけたウーバー、若い女性が夜に独りで利用してましたが
トラブルはないものかとこちらが心配になってしまいましたよ
アプリは入れたもののいろんな情報が吸い上げられそうで私は未だ利用経験はなしです

万年雪をたたえたレーニア山が見えればまもなくシアトル・タコマ空港です
タコマと言えばワシントン州立大学、同じド田舎ということで留学先候補の1つでありました
シアトル市内には医学部で有名な名門ワシントン大学がありますが
こちらは頭もお金もだいぶ足りないということで端から候補外となってました


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ここをハブとするアラスカ航空との提携によりJALの全米各地へのアクセスに
もう一つ選択肢が加わり、入国管理やセキュリティチェックがスムーズに行なえて
LAやSFのような頭痛の種となる大混雑は回避でき、早速お気に入り空港に加えます
ラスベガス大好き人間にはシアトルでの乗継をお勧めします

というのも市中へ向かうタクシーから眺めるシアトルはまだまだ発展途上
巨大IT企業の進出に伴いビルの建設もあちこちで行われているものの
何処かまだ垢の抜け切れていない新旧のアンバランスさがあったりして
私自身短い滞在中どこか落ち着かない気持ちはとうとう払拭されず仕舞いでした

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そんな中、正味1日半と限られた観光時間を有効活用すべくスポットをグッと絞り込み
メインイベントを翌朝からスタートするあのボーイング工場半日見学とし
あとはパイクプレイス散策に怪しげな謎の地下ツアー飛び込み参加でフォローです
そして港に上がるフレッシュな魚介類とワシントン州産のワインも忘れてはいけません


値段の割にはイマイチだったマリーナのホテル前にバカでかいクルーズ船が停泊し
折角のオーシャンビューを思いっ切り遮ってくれましたので
チェックインしてから発見したトランクのひび割れの保険請求対応が
なおさら暗いものとなって散々なシアトルスターとなってしまいました


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ここでメゲていてはいけないとばかり、ひと段落してから近くのパイクプレイスへ
17時を回って市場が丁度店仕舞いを始めているところではありましたが
まだまだ大勢の観光客が『あの店』を目指しやって来るのでした
この時私たちは『あの店』のことなど一切眼中になく
ただただこの夜の夕食場所の検索に右往左往するばかり


すっかり地図のトリックにハマってしまった挙句ようやくお目当ての店に辿り着き
飛び込みではあったものの1時間待ちの返事をもらい安堵
さすが地元の超人気店とあって引っ切り無しに客がやって来ます
期待の膨らみを押さえつつ時間潰しの休憩を兼ねここまでへ来たらのスタバ・ブレイクです



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石を投げればスタバ否、シアトルコーヒー屋さんに中るこの街シアトル
空き始めた店内で一息ついてると隣に居合わせた日本人観光客から質問です
「この店って、1号店ですよね?」
いきなりの直球だったので答えに間が空いてしまった私は思わず
「ええ、そのはずですが」と答えてしまいました


たまたま関西から来られた方々だったので話は多方面展開していき
スタバの話はすでに何処かへすっ飛んでいました
夕食の予約の時間が迫っていたので先に店を出ることになった私たち
一歩外へ出た途端いきなり今度は白人男性に同じ質問を投げられたものですから
今度は間髪入れずの即答で "I believe so" と返してしまったのでした



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気を取り直して再びお目当ての店へ戻って来た私たちはバーカウンターに通され
冷えた地ビールを飲みながらちょっと理解に苦しむメニュー・レクチャーを
カウンター越しでサーブするお兄さんから受けます
何を隠そうここは有名鮨店、だからこそ日本人の私には多くの?が付きまとうのでした

侃々諤々の挙句ようやく決定したメニューの数々、結果は無事のオーライ
ワシントンの白ではなくここは敢えて冷酒で地元産ロックフィッシュなんぞを楽しみます
海底の岩場にいる魚たちなのでその総称が付いたらしいのですが
お兄さんはこれが魚の固有名詞だと信じてたらしく、何の魚なのと聞いた時の
素っ頓狂な顔が妙に可笑しかったシアトル初日の夕餉でした


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どうやら地元民が贔屓にしていることが大盛況に繋がっているようで
日本酒ベースのカクテル片手に握り鮨を頬張る皆さんを眺めていると
ケッタイな気分になって来るのでしたが、翌朝のボーイング工場見学への期待を被らせ
暮れゆく一日の余韻も一緒に楽しむのでした


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桑港街のにおい [旅の抽斗]



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クラブラウンジでマッタリ朝食を摂りながら最終日の行動打ち合わせです
外へ出て初めてその事実を知るまで乗る気満々だったケーブルカー移動を中心に
40年前お互い世話になった宿舎探索をはじめとする散策ルートを作ります
ホテルの傍を通るカリフォルニア線が動いてたので疑う余地全くなかった二人


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いざ出発してパウエル通りに差し掛かってもいっこうにケーブルカーが現れません
これ見よがしに道路の真ん中まで出てカメラを構えてた私に背後から
「今日から10日までパウエル線のメンテナンス運休だって」と妻の伝達
どおりで下からテクテク登って来る観光客らしき人が多いはずです
って、まさかこのまま歩いてフィッシャーマンズワーフまで行くのか


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東西南北と通り名をしっかり頭に叩き込んでおくとまず迷うことがないこの街
あえてスマホの力は借りずにアナログ地図片手に昔の記憶を辿りながらの散策です
歩き回ることによってその街が持ついくつもの顔に出会うことができるのもいとおかし


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高級レジデンスがあちこち建ち並んだノブヒルからバンネス通りへ向かうにつれ
空気も様相もグレー味を帯びてきて朝だというのに何やら怪しい雰囲気へ突入です
とそこへ現れたのが妻が半年間世話になった女子専用のレジデンスクラブ
朝・夕食2食付でシャワー共用の格安宿舎です


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外観がすっかり綺麗になったと妻が言うこの宿舎は辛うじて空気のボーダーライン上
感慨深げにスマホのシャッターを切っている妻を後ろからパチリとやる私です
この街にはこうしたレジデンスクラブがあちこちにあるようで
短期留学や長期旅行者には手軽・気軽でとっつき易いのではないでしょうか


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その空気の境目からさらに奥深くアンモニア臭なんぞもかき分け進むと
おお、あの懐かしの我が家が昔のままで私を迎えてくれました
玄関先でパチリパチリとやってる私たちを怪訝そうに見て行く住人達
おそらく中もほとんど変わっていないと簡単に想像がつくほど昔のままでした
ちなみにここは男女共用のレジデンスクラブ、2食付共同シャワーです


やっぱり当時は若かったし怖いモノ知らずだったのでしょうね
観光客というよりかは地元民で占められてた宿舎は今から思うと別次元
LGBTに夜の蝶、おひとり様老人に訳あり人などが一つ屋根の下での生活
休みの間友人から預かったマニュアル車のクラッチを焼いてしまった事が
この時私にとってこの街での一番苦くて悔しい体験でした
代償として急坂発進・縦列駐車のエキスパートとなったのは言うまでもありません


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思いでの噴水は止まるどころか勢いが増してきたところでユニオン・スクエアへ移動です
淀んだ空気が少しずつ爽やかになって行くのを感じていると
街の景色も比較的高層な建物に取り囲まれだしたと思えば突然視界が広がります
残念ながら工事中の箇所や車両があったりして写真通りにはいかないまでも
ここを見下ろすことができるデパートのレストランでゆっくり昼食をとることにしました


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テレマカシ兄さんから教わった地元っこに愛され続けるイタリアンのお店
3人以上じゃないと予約を受け付けないファーストカム・ファーストサーブのルール
ユニオンスクエアを眺めて優雅に食べるもその内容は少々軽めにしときます
18時前目安のアタックをするにはあまり胃袋を膨らますのもはばかれますものね


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歩き疲れたこともありここは一旦ホテルへ戻ってシエスタです
目当ての店まで往復するエネルギー充電を兼ねゆったり、マッタリ
少し吹く風が冷たく感じ始めた頃にホテルを出発し中華街を抜けイタリア人街へ
映画にも度々登場する二大勢力がぶつかり合ったのは今はもう昔
でも、一本の通りを隔てて看板の言語が全く変わってしまっているのがかなり興味深いです


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通りの向こう側に見つけた看板の方へ近づいていくとその一角だけが人だかり
これでも遅かったかと覚悟を決め店内へ入り受付に人数と名前を告げると
20分くらいで案内できるかもと、ちょっと意外な回答をいただきます
2名までならカウンター席があてがわれその分回転率もあがるのでしょうか
いやいや、それにしてもこの店だけが大繁盛とは
テレマカシ兄さんお勧めの料理が本当に待ち遠しくなってきます


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海風が冷たく感じ始めた頃時間どおり名前を呼ばれカウンター中央へ
向こう側で慌ただしく動き回る調理人の手を眺めながら
早速サンフランシスコ名物チョッペリーノをメインに生牡蠣と蟹サラダを注文
この夜の主役は海鮮ですから白のハウスワインで一気通貫です
チマチマ注がれる日本のワインと違ってこちらは豪快たっぷりサービスの呑べい天国


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トマトベースの漁師料理チョッペリーノはなぜかペンネも入って二人前
蟹サラダは飾り気なしのまんまで登場もお肉たっぷりプリプリ
生牡蠣はというと、やっぱりニッポンのミルキー大粒に軍配が上がりますが
チョット・マッターレ、
シャルドネでもシャブリでも相性抜群の料理の数々でした


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長居したつもりでも店外へ出てみればサマータイムのなごり夕暮れ
ほろ酔い気分の頬にさらに冷たくなったベイ・ウィンドを感じながら
再び来た道チャイナタウンを抜けてノブヒルの宿へと戻るのでした
そのまま部屋へ戻るのも惜しかった最終日の夜ですから
道草ラウンジで食後酒などをいただきながら心残りの無きよう旅の余韻に浸るのでした


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240+17マイルの終日ドライブ [旅の抽斗]



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ユニオンスクエアからおよそ2時間の190㎞でまずはモントレーです
頭の中では必死に40年前に見た構図と重ね合わそうと葛藤しましたが
ミニチュア版ピア39と化してすっかり変わってしまった漁港風景
そんな状況下では港内に浮かぶラッコちゃんを探すのはもはや無謀な行為でした


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訪れる観光客の姿も疎らでかえってのんびり見物を楽しめ
全米で一番旨いと豪語するクラムチャウダーの試食にもあやかって
様相はすっかり変わり果てたとはいえ昔と変わらぬ長閑な空気は味わうことができ
次なる17マイル・ドライブへ向け移動開始です


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17マイル・ドライブはモントレー半島の海岸線に沿って走る風光明媚な道路
ゴルフファン垂涎のあのペブルビーチ・ゴルフコースまで続き
何と全て私有地内を巡る自動車有料道路なのです
間もなく始まる2019 US Openの準備が着々と進められていました
タイガーウッズ大復活と相まって今年の大会は大いに盛り上がることでしょう


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ペブルビーチGCのロゴにもなっています

還暦過ぎたら再起動予定だったゴルフには未だ興味が湧かない私ですが
ここをラウンドすると一体いくつ叩くのだろうかと
怖いモノ知らず的感覚がムラムラ湧き出してくるのでした
宿泊すればだれでもプレーできる川奈スタイル、腕試しにはピッタリではないでしょうか


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名物18ホール、今大会最終日にどんなドラマが待ち受けているのか

昼時も深い時間となって車は隣接するオシャレタウンへと入って行きます
Carmel By The Sea は芸術家や作家が集まる町として知られ
低層建築物や道路標識がすべて木製といったような景観条例にしっかりと守られていて
町中には一切信号機が設置されていません


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40年前には存在しなかったショッピングモールでようやくランチにありつけ
「いかにも」というオーガニックフード店でなぜかお勧めのラーメンを試し
カリフォルニアの青い空と空気も味わいながらのひと時でした


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帰り道ではトイレ休憩を兼ねたアウトレット・モール立寄りがありましたが
特段買い物もなく貸切状態を有効利用すべくとっとと帰りましょうということで
再び一路101号線を今度は北上する形で戻ります
ホテル玄関まで送ってくれたので登坂の追い打ちは受けずに済み助かりました


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ホテルによってその質に違いはありますが積極的にクラブラウンジは活用します
営業時間内ならいつ何時訪ねてもアルコールを含む飲み物にありつけ
夕方にはしっかりとおつまみ料理が振舞われアルコールもバラエティーに富みます
よってこの夜は重くなった腰をどっしりとソファに沈め夕食替わりとさせてもらいました


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ここで係りの日本人を祖父に持つというインドネシア人のお兄さんスタッフが
私たちのところへ御用聞きにやってきてすっかり話し込んでいきました
その中かから最終日の夕食にピッタリな店情報を引っ張り出させてもらい
どんどん勧められるワインにちょっと疲れた身体がいつも以上に反応しだしたので
ボチボチ部屋へ戻るよテレマカシー、長い話と一日の終わりです


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40年目のおさらい旅行-平成・令和の旅篇 [旅の抽斗]



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10連休の一週間を利用してアメリカ西海岸を訪ねてきました
シアトル直行便開設記念と称したフライトマイル2倍キャンペーンを逃すものかと
これまた最近始まったアラスカ航空との提携も手伝って
懐かしい想い出の地サンフランシスコまで足を延ばしてみることにしました


時の怪物GAFA探訪の旅と噓吹いた方が分かりやすいルートの旅
もちろんシアトルはかのマイクロソフトやボーイングで名を馳せる街でもあります
そんな『熱い街』をいつもの現地バスツアーに参加して巡りました
サンフランシスコ3泊とシアトル2泊の時短・凝縮の旅です


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生まれて初めてサンフランシスコを訪れたのが今からおよそ40年前
留学先の大学へ向かうための乗継中継地として2日程滞在し
米本土初上陸地としては申し分のない一大観光都市であるのは言うまでもなく
勉学に勤しむ前のほんの短い間を、時を同じくしてこの地へ留学してきた現在の妻と二人
御上りさん気分で闊歩し、暫しの別れを惜しんだのは今はもう昔ばなし

最初の学期が無事終了して夏休みとなり寮を追い出されるや否や
サンフランシスコで降ろしてやるよという里帰りの仲間のおんぼろ車に便乗し
ナパやソノマのワイナリーで道草を食いながらチンタラ101号線を南下
再びあの金門橋が眼前に広がった時の感動は今でも忘れることはありません


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$7.5にまで値上がった名物ケーブルカーは今もこの街の看板として健在
と言いたいところですが、5月2日から10日までメンテナンスで運休とは
世界中から集まった観光客はとても残念がっておりました
かくいう私たちも当日朝の外出時に停留所の張り紙で初めて知ったのでした


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二度目の平成最終日の晩餐は懐かしのチャイナタウンのあの店でということで
ノブヒルのホテルから徒歩で繰り出したまではよかったのですが
本通りがあまりにも殺風景過ぎ、お目当ての店も定休日でがっかり
仕方なく辛うじて営業していた店で間に合わせることになってしまいました
それにしてもサンフランシスコのチャイナタウンはいったいどうなってしまったのやら


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気を取り直して16時間遅れの令和元年初日は早朝より1日バスツアーに参加
集合場所のユニオンスクエア前のホテルロビーへ少し早めに出向くと
いきなり日本語で名前を呼ばれる出欠確認でした
と言っても参加者は我々夫婦だけのラッキーなプライベート・ツアーとなったのでした

日本人観光客の大半はどうやらヨセミテ国立公園へ行ったのだとかで
101号線を南下する物好きは私たちだけのようです
LAやサンディエゴまで永遠と続く101号線、途中に登場してくる懐かしの地名
時折り場違いな出口渋滞が行く手を阻んできてこれは大不思議です


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運転手兼ガイドさんはこれを「シリコンバレー渋滞」だと説明してくれ
Appleを筆頭に今を時めくジャイアント企業への出勤風景なのだそうです
毎日ご苦労さんでございますと、同じ痛勤族としての同情も入ります
それにしてもこの40年でこのベイエリアがこんな変貌を遂げるとは
予兆の欠片でも感じていれば絶対に留まっていたに違いない私です


なんてことをあれこれ思い出して昔話を妻にしながらの道中車内
目指すは大学生活最初の夏休みに二人で訪ねた小さな漁村とお洒落な町
ラッコの食事風景が当たり前のようにライブ鑑賞できたモントレー漁港と
クリント・イーストウッドが市長を務めたこともあるカーメルです


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