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マナー本が人気のようですが!? [書の抽斗]

  久し振りで本の買い出しに出かけた先週末、一時間以上吟味して10冊ほど仕入れて
来ました。どうやら本の売れ行きも村上人気と相まって静かに上昇中のようです。

私が訪れた某大手書店での話ですが、人だかり(=立ち読み)が出来ていたのはアベノミクス
関連の経済書コーナー、株・FX・各種投信などの投資指南書コーナー、そして相も変わらず
自己啓発本コーナーです。雑誌やコミックのコーナーは言うまでもなくいつも賑わっていますが、
はなから訪問を回避する場所なのでここでは省略です。

その中でもたまたま先週に限ってか、やたらと目に付いたのは『マナー』や『習慣』についての
書籍です。元某エアラインCAさん達が書いたこの手の本が意外や10万部を突破するんです。
ファーストとビジネスクラスに乗る人の習慣や行動の違いを説いたり、一流と二・三流の人の
違いを説いたりと、まあまあ興味をコチョコチョとくすぐってくれます。

たまたま私が購読している隔週刊誌『社っ長ょぉ~』でも同じようなトピックが特集されていて、
さしずめマナー週間みたいなことになっています。


さて、今回はそんな数あるマナーと言うものの中から連日連朝、私を不愉快な思いに陥れて
くれる日本人の『悪しき習慣』をご紹介しましょう。

雨の日も風の日も、毎朝私は会社の近くのコーヒーショップで日替わりブレンドのブラックを
テイクアウトしています。オフィス街ともあってか早朝より大勢の勤め人達が集うこのお店の
出入り口は自動ドアではなく大きなガラス扉です。外側には『押』と店内側にはそして『引』という
サインプレートが扉の取っ手付近に貼られています。

私が店内へ入ろうとする時必ずと言っていいほど先客が前に居ます。おそらく先を行く吾人達も
自分の後方に人の気配は感じているはずです。にも拘らず私が扉に差し掛かろうとする時、無情
にも眼前にその大きな扉が勢いよく迫って来るのです。

「持っててくれんのかいっ!!」

いつものツッコミと共にこみあげて来る何とも言えない焦燥感。
エスカレーターであれだけ整然と片方に立って居られるのにどうしてなんでしょうか?

引き戸の文化がそうさせているのか、はたまた自動ドアが普及し過ぎているのか!?
あれだけ心地の良かった欧米流マナーが未だに欠落しているこの国の未来とグローバリ
ゼーションの未成熟さに憂いを感じずにはいられません。

って、ちょっとオーバーでしたがこの際、この国の手動扉を後続の人の為に支え持つ習慣を
きっちり身に着けたいものですね。

それでも10回に1回の確率で登場する救世主には正直心休まります。


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読書習慣 [書の抽斗]

  月に何十冊も読むほどの読書家でもなく、また、読まずにいられないほど活字中毒でないに
せよ、かため買いしてかため読む癖がある私です。

家でゆっくり椅子に座って派ではなく、もっぱら通勤、それも行きだけの限られた時間で読書は
行なわれます。駅までのバス中で20分と電車の中の15分だけ。押せ押せ状態になりそうな
時は早めに切り上げるので、実質は一回30分程度でしかありません。

しかし、習慣というのは恐ろしいもので、この間の休みの日散髪に行った時、家内に帰りがけ
車で拾ってもらうため床屋さんで待っている間、空いたソファがあるにもかかわらず、立った
まま雑誌のページをペラペラとやっている自分に店主が笑い出すまで気づかなかったくらい、
『立ち読み』にはかなり気合が入っています

ところでこの立ち読み、電車の中だけの事ですが吊革につかまらないでやっていると、揺れを
吸収するかの如く両足・裏が鋭く反応していることに気が付きました。暫く読むのを止めて特に
足裏の動きに神経を集中したところ、
拇指球と小指球を動かしながら時としてかかとも上手に
使いまわして、身体がバランスを保とうとしていることに気付きました。

   おおっ、これぞまさしく究極のスキー・レッスンだ!

スクールに入る度、ゼロ点に乗れ、ニュートラルになれと、喧しくも叩き込まれて来た経験が
こんな所で役に立つとは思いも寄りませんでした。両手でハードカバーを持ちながら、そして
振り子のように揺られながらの読書もまた乙なものですよ。

今年はすべ...、いや、滑走するぞと意気込んでは見たものの、年が明けると一気に時間は
過ぎて行き、手帳を見るとどうやらあと一回くらいしかチャンスは残っていないみたいです。
チビが軽井沢へ行きたいと言ってるので、どうやらこの二回目がもう最終回となりそうです。
そんな私にお構いも無く、来る日も来る日も親切にそして懇切ご丁寧なメルマガ・スノーレポート
を送ってきてくれる、カリフォルニアはレイク・タホ南岸にありますheavenly Valley のPVでも
一緒にご覧下さい。

 


こういうのを見てしまうと、渋滞に巻き込まれながらようやく着いた週末のゲレンデは人、人、人、
ってな具合の狭くて規制の多い日本のスキー場への足は、どうしても遠のいてしまいます。山椒は
小粒でピリリと...も有りなんでしょうけど、ここは一発ハバネロの方が強烈なインパクトを生んで
くれますよね。

そのハバネロ現象を目指して引き続き、日夜電車内での読書習慣トレーニングに励むことにします。
すでに手持ちの新書がなくなりましたので、ボチボチ仕入れに参らねば。ジャンル無を自負しており
ますので、何かお勧めの書がありましたならば、御教授お願い申し上げます。


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本のタイトルも変わったので... [書の抽斗]

  毎朝お世話になる日経新聞には実に様々な書籍の広告が掲載されます。
そのタイトルはというと、どれも似たり寄ったりで、最近この手のキャッチーな
文言には少々辟易気味です。

    一分間であなたも・・・・・ができる!
    〇〇歳から読む本
    ・・・する人・・・しない人の習慣

例を挙げればキリがありません。
そのうちの何冊かはタイトルに魅かれ、中身もチェックせずつい購入してしまい
ましたが、読み進むうちにある共通点があることに気付きます。それは何か?

    凄く当たり前の事が書かれている

ということです。だから読破後の第一声はどうしても、「なぁ~んだ」となって
しまいます。しかし、裏を返せばこの『当たり前』のことを実行することこそが
実はとても難しいということがよく分ります。そして何事も繰返しと継続が
大事な事も...。

めげず、諦めずにコツコツと続けられないから物事うまくいかない。
いわゆる挫折というやつに直面。この世の中、降って湧いたような話は
奇跡でもない限り在り得ないということが、痛いほどいとも簡単に納得できて
しまう瞬間でもあります。


『〇円札は拾うな』と言う本を、拾ったのではなく、自腹の1,200円で購入し
同じ著者の他作品と共に読んだ時期がありました。
著者は当時、中小やベンチャー企業ではなかなかの有名人で、セミナーや
講演は引っ張りだこでした。みんな彼のようになれると錯覚したのです。

その著者が自身代表を勤める会社を潰してしまい、世の中をアッと驚かせた
ものでした(潰した後の後日談も現在出版されています)。
こういう事実を突きつけられると、この人が書いていた事はいったい何
だったんだと、それをまた読んだ私が馬鹿だったのか!? 私がならなくても
いい自暴自棄に陥ってしまいそうでしたが、よくよく彼の作品を顧みてみると、
彼の話していたことは大まか当たり前の事ではなかったのですよ。

それ故に当たり前のことを見失ってしまい、ドツボにはまってしまったという
のが私なりに考えたオチなのですが...。
今話題の大企業の盛衰もこれに当てはめてみると、よ~く見えてくるものが
あるはずです。

それはそうとして、最近道でお金を拾うなんてことありますか?


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三匹のおっさん・ふたたび [書の抽斗]

  捕り物風潮を抑えながら、登場人物の心情・境描写にスポットを当てた続編か!?

ウトウトしていた時間の方が長かったのか、休暇中の読破とは行きませんでしたが、くだんの
ように通勤のお供として、今回も楽しく読ませてもらいました。

おっさんの一人であるキヨこと清田清一と二世帯同居するお嬢な嫁、貴子の精神的な成長を
是非とも一番で書きたかったと言う有川さん。いつもながら『あるある』と唸らせる情景や心情
描写の鋭さは勿論のこと、多感で反抗的な子供との『正しい接し方』みたいなものを分り易く
説いて行く辺り、世の中こうあるべきだよと、お灸をすえているようにも感じ取れます。

家族団欒、地域住民のふれあい、幼なじみの友情などを通じて、古き良きアナログ昭和の時代
に忘れてきた物を、今の電脳・デジタルなギクシャクした世の中にもう一度取り戻しましょうと
いうプロパガンダでもあるのでしょう。
前回三匹のおっさんの記事で物語のキャスティングの話をしましたが、3D読書にもう一つ花を
添えていた方法に気付き、今回の続編も楽しむことが出来た次第です。

その方法と言うのは、ズバリ、登場人物個々の声優も兼ねる、です。

自己評価ではおっさん達の吹き替えよりも、通勤の賜物でしょうか、キヨの孫(貴子の一人息子)
である今時の高校生の祐希くんのが、一番イケてるような感じがしました。
そしてもう一つおまけが頭に浮かんで、これは既に前号のおっさんの記事でも載せました
ケニー・ロギンスが唄う " Whennever call you a friend " を 映画のラストに流しながらの
シーンです。

大きな夕日の夕焼けに向かって前出の祐希と彼女の早苗ちゃん(おっさんの一人ノリの愛娘)が
仲良く手をつなぎながら歩いて行く後ろから、それに逆上するノリを両脇から抱え込むキヨと
ジゲ(最後のおっさん)。それをそのまた後ろから微笑ましくも何やら話しながら見ているキヨの
嫁芳江や息子夫婦とシゲノの家族。

     東宝さん、こんなん、どうですぅ??


くだらない妄想で、しかも本を読んでいない方にはチンプンカンプンな話でした。すみません。

妄想と言えば、父亡き後の母に、『これを機にまた趣味を再開しないと、ボケるよ』と、忠告
したところ、『色んな妄想してるから、大丈夫!!』と言われました。
一体どんな妄想、してるんでしょうかね? 
そして、これってやっぱり遺伝ですかぁね!?


 
 ハワイのラジオ局KOHO時代に、天気予報のBGMに使ってたアール・クルーの曲です。
 Heart String のアルバムも出て来たLPの中に混じってました。懐かしい!


5月13日(日)は母の日です。
何かプラン、ありますか?


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三匹のおっさん [書の抽斗]

  第六話に至ってこの頃の通勤の友となっています。有川浩さん、阪急電車に続き結構オモロイ!

毎日周りのほぼ同じメンツを眺め回し、勝手にその吾人の『本日の具合』なんかを想像して時間を潰
すより、やっぱりこの類の読書は手っ取り早く、しかもアッという間に時間も使ってくれるという一挙両
得なのであります。つまり何も考えずにバッカバカ読めてしまうのがよろしい。

時より思いっきりニヤケてしまう我が顔を、傍らでカラフルでスマートな付箋を英単語帳にいっぱい
貼り付け、必死に『暗記』している賢そうなお嬢ちゃんに、怪訝そうに見られるのがこれまた変な
優越感に浸る瞬間でもあります。

     『おっちゃん』 と 『おっさん』

この定義の違いは私にはわかりませんが、少なくとも大阪ではおじいちゃんの域に届くまで、こういう
風に呼ばれるのです。呼ばれ始める年齢はあくまで呼ぶ人の主観によりますが、初めてそう呼ばれ
た時には必ずと言っていいほど、『お、おっちゃんはないやろっ、コラッ!
』と言うネガティブ反応をやっ
ているはずです。

しかし、大阪弁の『おっちゃん』には何かこう親しみが込めらていそうで、私は嫌いではありません。
反対に『おっさん』となると、ほんとにおっさん臭く、しかもどこかドン臭い強いイメージがあり、あまり
好きにはなれません。
そうそう、虫コナーズのおばちゃん達が表で自分の旦那の人称代名詞として使っていそうだから、
尚更です。ちなみに女性の場合は『おばちゃん』と『おばはん』ですから、日本全国の女性はどちらか
選べと言われたら、答えは明白ですよね。

前置きがかなり長くなりましたが、有川ワールドのいいところは世相を上手く反映させて、どの年代
にも『こんなん(こんな人)、おるおる(いるいる)』と同調させてしまうところと、最盛期の元野球解説者
掛布雅之のように、登場人物の心理状態を上手く表現しているところです。それでいて年寄りの
説教をして世直ししましょっ、てな感じが年代的にも心に響いてきます。

もう一つ、この手の本を読む時の私流楽しみ方があります。
好き勝手に登場人物をキャスティングしながら読むと、なおさら臨場感が出て来て、言わば3D読書
が出来てしまいます。

がしかし、佳境に入ろうとしているにも拘らず、未だ主人公の3匹のキャスティングさえも出来ていな
い状況です。3匹のおっさん達はみな還暦の60歳。この年頃の男優さんてなかなか居ないもんだと
初めて気が付きました。タレント年鑑でもあれば別なんでしょうが...。

前作『阪急電車』が映画化された時、告知されたキャスティングはどれも私のとは違っていました。
主役に中谷美紀を思いつくところなんぞ、さすがプロだとうなりました。イメージ的にはちょっと違った
かなと言う感もあるんですけど、ハマってたことはハマってました。

短編6話の組み立てなので、来年辺り映画化のアナウンスがあるのではないでしょうか。
主人公3匹のおっさんを含めて主要登場人物6人全員のキャスティングを見事当てたら2億円、
なんて新手の宝くじやってくれないかなぁ。

     
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気まぐれコンセプト・クロニクル [書の抽斗]

  このタイトルを見て直ぐにホイチョイプロダクションズを思い浮かべた人、現役でかなりのビッグ
コミックスピリッツ(以下BCS)愛読者か、バブルでブイブイ言わせた、いわゆる『業界人』でしょう。

この漫画(なんです)、1981年から現在に至るまでBCSに休まず連載されているちょっとしたギネス
ものの4コマ3本と1コマ1本の広告業界を舞台にした漫画なんです。
しかし、こんな長期連載物なのに1984年に初めて『気まぐれコンセプト』として一冊だけ単行本化
されただけで、その後は引き続き連載のみだったそうです。昔から
コミック漫画とはとんと縁のなかっ
た私でしたが、この貴重な一冊に私も結構お腹を抱えさせて貰い、今でも大切に本棚の一部となって
います。

その後2007年、ついに1984年から23年間分を再編集した一冊『気まぐれコンセプト・クロニクル』
が発刊されていたのですが、2010年に予約して購入するまでその事実に気づくことはありません
でした。その一冊が先週末、何故かまだほとんど手付かずの状態で部屋ンの付け中偶然発見され、
手を休めて暫しページをペラペラと、片付けも忘れて一人ニヤニヤと。

厚さは『マオ‐誰も知らなかった毛沢東』に勝るとも劣らないほどの貫録ですが、中身は初期の下ネタ
偏重を含め比べるのが失礼なくらい『薄い』。がしかし、笑いのツボは決して外しはしていない、さす
が世に傑作を送り出してきたホイチョイならではの世界が展開して行きます。

ホイチョイ・プロと言えば映画の歴史にもその名を刻んでいますね。
代表作は何と言ってもバブル絶頂期に封切られた原田知世主演の『私をスキーに連れてって』、同じ
く『彼女が水着に着替えたら』、そして中山美穂主演の『波の数だけ抱きしめて』の三部作です。
CATVで時々放送され、懐かしさのあまり観てしまうことも。ファッション、ヘア&メイク、言葉遣いなど
時代の変遷が実に面白いです。


唐突ですが、今この国に必要なものを3つ上げなさいと言われたら、

  1. 一日も早い震災被災地の完全復興
  2. 命賭けて本気で政治をしてくれる気骨な代議士
  3. もう一度バブル景気

でしょう。

それほどバブルはインパクトが強かった訳です。
余談ですがこのホイチョイプロがそのバブル崩壊後、しばらくたった2007年に『バブルへGO!!
タイムマシンはドラム式』なる映画を送り出したのを覚えてらっしゃるでしょうか?恐らくバブル未体験
者には一つも笑えない、そして信じられない事象に映ったんではと思いますので、興業収入の方も
イマイチだったんでしょうね。

スマホ、SNS、AKB ・・・・・。 ちょっとお腹いっぱいになって来たからホイチョイ・プロダクションさん、
ここいらでまた一発何か、やらかしてくれませんか?


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ワイルドスワンとマオ [書の抽斗]

  全人代の閉会に伴い温家宝首相が行なったスピーチの中に、『文化大革命が再び起こる恐れが
ある』という気になるくだりがありました。

二十年前、鄧小平が唱えた『南方講話』から始まった中国改革開放路線。ドッグイヤーの如く恐ろし
い程のスピードで発展を遂げてきた中国。その中国でこの秋トップの交代があります。胡氏から習氏
へとバトンタッチです。この大きなイベントを前に何やら連日、共産党指導
部内の権力闘争のニュース
が報じられていますが、クーデターでもなく円満な引き継ぎであるはずなのにいったいどういう事なの
でしょうか?

簡単に言うと指導部が交代する時、権力闘争はオマケのように付いて来るんです。共産党最高幹部
入りを目論むお偉いさん同士でのにらめっこです。今回のは太子党 vs 共青団。
今度国家主席になる習近平さんは太子党と言って、元共産党最高幹部の子息達らのグループ出身。
方や共青団(共産主義青年団)はエリート人材を輩出するための党の青年組織だそうです。この両者
別にイデオロギーや政策で集まったグループではないだけに、イマイチ両グループの対立の構図が
良く見えません。要するに限られた椅子を巡って権力争いする、どこの国にもあるやつですかね。

今回の重慶直轄市での一連の騒動は、太子党の現職市長の更迭で幕引きの様相ですが、水面下
できっとくすぶり続けるんでしょう。権力闘争がない中国などありえませんが、今回の闘争はあの
毛沢東時代を彷彿させているようで、権力闘争は民衆を巻き込んで勝利すると言う、とんでもない
方程式が再び登場すまいかと危惧した温家宝首相が、ビンボール並みの牽制球を投げたという事
ですね。

賄賂や汚職、貧富の格差など民衆の中国共産党に対する怒りは危険レベルをとっくに超えている
はずですが、あの1966年からの10年間と違ってどうやら穏便に事が収まりそうです。


さて、毛沢東さんの名が再びチラホラと登場し出した中国なんですが、中学・高校の歴史で習った
くらいの意識でしか彼の事は知る由もありませんでした。
しかし、ユン・チワンという中国人女性作家の著書と出会って、毛沢東と言う人物の詳細なまでの
事柄を知ることになります。

彼女は四川省生まれで、共産党幹部を両親に持った現在は英国国籍の作家で、1980年代に出版
された『ワイルドスワン』が全世界で1,000万部を超える一大ベストセラーとなり、一躍脚光を浴びる
ことになります。祖母の時代からの生まれ故郷での話から、迫害を避けてイギリスに渡るまでの波乱
万丈な人生のノンフィクションです。

その中でも文化大革命に関する部分の描写は克明で、大切な両親をこの革命によって亡くすと言う
悲劇も含まれています。ですから彼女が抱く毛沢東への憎悪は計り知れないものとなり、長年に
亘るリサーチの結果、上下巻合わせて千ページを超える大作『マオ 誰も知らなかった毛沢東』を
2007年、再び世に送り出すことになりベストセラーとなります。

毛沢東の生い立ちの部分だけ見ていると、農家に生まれた勉強嫌いのタダの怠け者が、大国の
元首にまで上り詰める姿が私の中ではいかにも『中国らしく』、また、民衆を匠に迎合させた彼の
政治手法はどこか、あのヒトラーと類似しています。もう一つ是非付け加えるならば、二人が頂点へ
と上り詰める過程であまりにも多くの尊い命が奪われたと言う事実です。

二冊とも非常に読み応えのある著書で、特に『マオ・・・・」は一ページずつギッシリと活字が詰まった
長編大作なので、興味ある方はきっと引きずり込まれてしまうでしょう。


最後に、この秋の中国国家首席と党指導部の交代が穏便に遂行されるよう祈りたいものです。


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