そのままメインコースの『お伊勢詣り』を期待されてた読者の皆さんには申し訳
ありませんが、フルコースのメインディッシュ前のジャーベットの如き、もうちょっと
滞在したホテルについてのよもや話を、メインへと入る前にしておこうと思います。

宿泊したザ・クラシックは本当に質素な造りで、あの小説やドラマからはおよそ想像も
つかないほど派手さが全く無いホテルなのです。連泊プランにはコーナー・スウィートと
名打った下の写真の部屋が用意されています。一目していただくと説明の意味が良く
お分かりいただけるでしょう。ただ、開口が二か所有るだけで実際の部屋は広く見える
のも事実です。

ところが、このホテルにはその構えとは正反対にとてつもない名物メニューがメイン
ダイニングのザ・ラメール・クラシックで用意されているのです。

   伊勢海老カレー ¥14,000     黒鮑カレー ¥11,500

各々デザートとコ―ヒー・紅茶が付いてのお値段ですが、さすがこれぞカレーなる一族
であります。

話の種に...とは一瞬思ったりもしましたが、なかなか勇気が持てません。
ただ、私はこのカレーの味になんと大阪はミナミのド真ん中で遭遇したことが幾度か
ありましたので、ここはその味を思い浮かべて食べたつもりとなり、次回までその楽しみを
取って置くことにしました。

このカレーの味を受け継ぐ大将が西心斎橋で店を構えていて、シーフードとドライカレーを
他の洋・和食と共に提供してくれます。その店の名は『なかむら』といい、この大将は地元
TVの料理番組を持つほどの有名人でもあります。賢島まではちょっと言う方はミナミで
お試しあれ。値段もそこそこときています。


ところで、華麗なる一族と言えばキムタクが主演したドラマがとりあえず記憶に新しい
のですが、その中のワンシーンに確か父親役の北大路欣也が、志摩観光ホテルの一室
にて大胆にも正妻とお妾さんと三人で過ごすというものがありました。異常であることは
確かなんですが、極論的見方に換えれば俗に言う一室三人使用の『エキストラベッド』です。

エキストラベッド仕様にすると、とにかくその部屋の居住スペースは極端に狭くなりますね。
家族なら子供さんがそのエキストラベッドに寝るのでしょうけど、友人同士の滞在となると
どうしてもジャンケンポンの憂いき目に遭遇します。後腐れの無い関係ならば良いのですが、
家族でもともすれば険悪となる場合が多々あります。

そこで、我が家では今後エキストラベッドを使用するケースを『華麗なる一族スタイル』と
呼ぶことにしました。多感な年頃のお子さんと旅行する際にエキストラベッドがもし必要と
なった時は是非、彼(彼女)が知らない事をいいことに『よし、今回は華麗なる一族スタイル
で行くぞ』と言ってみて下さい。『華麗』と『一族』という単語のどこかセレブの香りが漂う
部分に、おそらくポジティブな反応が見て取れるかもしれませんよ。

箸休めになったどうか心配なところですが、次号は『お伊勢さん』でまいります。