前号の写真、もうお分かりかと思いますが、正解は高所電球交換棒でした。
棒自体が伸び縮みし、先端のゴム製キャップの部分で電球を交換します。これはおよそ20年
以上前の代物ですが、現在販売されているものは先端部分で電球自体を挟み込めるように
なっていて、割と簡単に交換作業を行うことが出来る仕組みとなっているようです。

建ぺい・容積率=40:60%、第1種低層住宅&風致地域
これが二十数年前に購入した土地の状況でありましたので、庭こそ広めに確保できましたが、
部屋数と広さにかなりの制限が付いて回ります。自ずと空間利用が贅沢味を浴びてきて、結局
リビングを吹き抜けにしました。この建築確認の際、間仕切って部屋を増築しない旨の念書まで
取られてしまいましたよ。ビックリです。

さて、そのリビングの電球ですが、当時は何とかボールというそれこそボール状の白熱球を使用
していました。100Wの明るい電球ですがこれがまたよく切れるんですよね。それでこの新兵器
登場となったわけです。



交換作業は家内と二人三脚で行ないます。まず、交換しやすい長さに棒を調節してから切れた
電球を天井のソケットから外し、2階廊下で待機する家内へパスします。彼女が新しいのと取り
換え、ゴム製キャップの中で正しいポジションにセットします。

さあ、ここからがまさしくプロフェッショナルな神業を披露する時であります。空いたソケットの下の
定位置に立ち、そして一気に新しい電球を回し込んでいくのです。

一瞬の迷いは命取りとなってしまい、ヘタをすると電球を床へと落下させてしまうのです。ですから
いざ決行と決めた瞬間息を止め全神経を両手両指に集中させ、電球をソケットと合体させます。
そして、ここぞとばかり一気にねじ込んで行く。このとき天井からかすかに聞こえてくる「キュッ、
キュッ」という普段なら耳障りな音でさえ、勝利への賞賛のファンファーレとなって、この見事な
職人技を称えてくれているように聞こえるのが不思議です。

4年前にリフォームした時を境に順次「スパイラル・ボール」へと交換しており、その結果つい先日
最初に登場したスパイラル・ボールが切れました。かなりの長持ちだったのではないでしょうか。

それからというもの、一気にLED照明の波が押し寄せてくるわけですが、LEDボールなるものが
登場しない限り意匠的に現行品を代用するわけには行きません。それこそここが我が家の
『コダワリ』なのです。

「芸は身を助く」、リタイアしたらホテルの営繕係にバイトで雇って貰えそうですよ。