その言葉に誘われるがまま久し振りでスキー雑誌を購入しました。なんだかDVDまで付いて
付録満載だし、なにより小枠でもベイルとアスペンの特集につい目が行ってしまいました。

『今年の冬は寒い!』とは、大方の長期予報で、おそらくそれなりの雪が寂れかけたゲレンデに
一筋の光明をもたらしてくれる、そんなシーズンになるのかも知れません。しかし、その裏側では
いくつかのスキー場がこのオフに姿を消してしまいました。

2シーズンをまともに滑ることなくやり過ごしてしまった私ですが、どうやら今年は鳴りを潜めて
いた『滑り虫』が身体の中で疼き始めたようです。ただ、今年の春に過少登場だった4WDを
手放した関係で、軽井沢ベースのスキー小旅行は残念ながら小休止となります。

その代り公共交通機関を利用して久し振りに遠距離スキーへ出かけようと、早速年明け早々の
ニセコに照準を合わせています。過去に一度、年末年始を過ごしましたが見事に全行程吹雪き
に見舞われ、板を履いた記憶すらほとんどないという惨めな記憶があるだけに、今回はその
リベンジに闘志満々なのです。



そのニセコですが、リーマンショック以前にはオージー達が大挙やって来て、それを目当てに
コンドミニアムが林立するという一種のスキーバブルの様相を呈していました。地球の反対側の
彼らにとって真夏に上質のパウダーが拝めるとあっては、それこそ『行かいでか』状態だった
のでしょう。

残念ながらリーマンショックとその後の過度な円高により、オージーの足は遠のいてしまったよう
です。その代りに台頭してきたのが中国と東南アジアからの富裕客たちで、冬の大人気デスティ
ネーションのひとつに数えらているほどです。

とは言うものの、近年の豪ドル高はオージーのカムバック現象を生み、ニセコへ戻りつつあると
いうことですが、新しいトレンドとして今彼らが目指すのはあの八方尾根なのだそうですよ。この
八方尾根は以前から外国人スキーヤーにも大変人気があり、特に樫の木プラザというホテルは
全くもってインターナショナルな空気が今でもムンムンしているみたいです。そう言えば、だらしなく
浴衣を着てロビーをうろつく白人女性客に対する目のやり場に困った経験があります。

ニセコや八方尾根が外国人スキーヤーの人気を博する理由として、スキー場自体の設計が挙げ
られます。規模こそ比べものにはなりませんが、ゲレンデのレイアウトが欧米のスキー場と類似
しており、ニセコに至っては新(深)雪・パウダーを存分に楽しめるからでしょうね。

こうして今年も雪はやってきますが、市場から出て行ってしまうゲレンデの数は今後も減りそうに
ありません。そもそも小分けた杓子定規なゲレンデが点在し過ぎた日本のスキー場の中で、志賀
高原なんかは欧米に一番近い存在だったのかもしれません。

いろんな思いに浸りつつ、今シーズンは『オヤジの大人のスキー』を本格再開します。