中古住宅と言うと大方の人はマンションを頭に思い浮かべるはずで、実際その中古市場で主に取引され
ている物件がこうした集合住宅なのです。

週末ともなるとやたら「Open House 」の立て看板が立ち並ぶアメリカの住宅街、日本に比べるとかなり
頻繁にかつ活発に中古一戸建物件が取引されているようです。「オーペン・ホウス」と読む方はいらっしゃ
らないとしても、日本ではあまり馴染のない光景です。

家主を失った空き家ばかりがクローズアップされてしまう日本において、では、なぜ中古戸建の市場が
こんなにも静かでアメリカの様に活発でなのか?その答え、実は戸建の不動産価値の大きな違いだった
のです。

我が国の基準により、一般的な木造一戸建の減価償却対応年数は22年と決めらているため、新築後土地
の価値は上下動してもその上に建つ家の価値は日に日に下がり続け、22年後にはついにその価値がゼロ
となってしまう訳です。

大がかりなリフォームを除けば、アメリカ人に比べると築後あまり家にお金をかけない日本人的感覚も
手伝って、その価値の下落に一層拍車をかけるのです。ですから、売却を考えていざ見積りをとってみた
ものの、その評価額のあまりの低さに愕然とされた方もいらっしゃることでしょう。

老後の資金計画に現在所有する家の売却を考察されている場合は、その地面の価値のみ計算されること
として、家屋の価値はほぼないに等しいとお考えになったほうが賢明です。

一戸建てに比べるとその点、マンションは立地や物件自体の諸状況によりますが、戸建より需給関係が
グッとアップして箱全体での価値をある程度維持することができますね。長いデフレと不景気の間も、戸建
に比べれば下落幅はまだマシなはずです。

中古を購入するケースはもとより、元々子育て時代からマンション暮らしの世帯は、子が独立していった
のち終の棲家としてのリフォームをするケースが間々ありますが、こうしたリフォームを戸建にも積極的に
取り入れてもらい、市場全体の流動性を活発化させようという試みが進行しつつあるそうです。

そう言えばうちのご近所さんが現在大規模リフォーム中なんですが、先週末にその様子を内覧させる催し
をやっていました。工事を請け負うとある大手業者主催で、生まれて初めて見る光景でした。果たして何名
の来場者があったのか?

我が家のリフォームの最中、工事業者に中を見せろと迫ったあのオバちゃんは確実にカウントできますな。