ひょんな事から共通の知人を介して知り合った、夜中に一緒に散歩の香港の友人。
出会ったその日にいきなり尖東のサウナで裸の付き合いから始まった腐れ縁。歳は同じで私の
方が半年お兄さん。そう言えば明後日14日は彼の誕生日。前々から今月14日が何の日だった
か思い出せずにいたのが、この間の再会でやっとモヤモヤが解消したところです。

彼には半分ラテン・ヨーロッパの血が混じっていますが、生まれも育ちも生粋の香港っ子です。
以前記事でも紹介したことがある、何度目かの結婚式にわざわざ深センまで家内と出向いたあ
の友人です。ちなみにその後授かった父親似の愛娘は現在5.5歳。元トレンディ―男優さんには
ちょっと引けを取ってしまいますが、立派な育メン・シニアパパさんなのです。

彼の職業は『主夫』。 パブリック・サーバントをリタイアしてもうかれこれ何年になる? だから
現在は立派に半端な額じゃあない年金暮らしです。給料も凄かったけど、日本じゃあ考えられ
ない香港上級公務員の収入。

でもって、彼の職業はあの香港映画さながらの『元・皇家香港ポリース』。 どうしてもポリスじゃ
なくてポリースと呼んでみたくなる元香港政庁 Royal Hong Kong Police です。

中国国務院配下となってから制服姿を見たことはないですが、女王陛下の下の制服であるなら
ば、肩の『王冠1つ』が最後の階級だったと記憶してます。どうやらもう一つ増える過程で、思う
ところがあってリタイアしたそうです。その『思うところ』は散々耳にタコができるほど聞かされまし
たがね...

彼とは何も利害が絡まない簡潔なただの同級生関係。強いて私に『利』があると言うならば、香港
に居る限り私たちには人一倍の『安心・安全』があるということでしょうか。

我が家と仕事場には『皇家香港警察グッズ』が数多く存在します。勿論非売品の数々で、こんな
モノまであるのかと、我が国の警察の感覚からは相当逸脱していたように思えます。その中でも
私の一番のお気に入りはシンボル・マークのエンブレム。暫く自慢げにブレザーの胸に輝かせて
いましたよ。

それから、普通の人はあまり入りたがらない警察署内へも、待ち合わせの為に呼ばれることしば
しばで、ある時は何処かの分署内の署員向けバーで、彼のイギリス人上司たちと一杯引っかけ
ながら彼を待ったこともありました。日本じゃあ絶対に考えられませんよね。



そんな私の友達の愉しみはと言うと、学生時代の級友達と月に一度中国でゴルフと19thホール
でバカ騒ぎする事です。どうやら来週あたりで11月生まれ誕生日会ゴルフコンペ&パーティーを
開催するらしく、過去一度だけこのバカ騒ぎにわざわざ中国まで出向いた私も数十名のメール
リストに入っていますが、出欠を知らせるメールを律儀にも『全員へ返信』するメンバーが大勢で、
毎朝削除するのに一苦労です、勿論、私は参加出来ませんのでメールで祝福してやりましょう。

そんな彼の最大の愉しみはなんと言っても愛娘の成長を眼に見て行くことですが、現役時代は常
に危険と隣り合わせであったにも拘わらず平然としてしていた男が、ラストドリンクを飲み干しなが
ら漏らした 「Stan、俺は今更ながら死ぬのが怖くなったよ。」の一言が妙に耳に残ってしまうの
でした。