パスポートホルダーなら、空白のページがいろんな国を訪問した際に、出入国管理官がポンッと押して
くれるあのスタンプが増えて行くのをペラペラと眺め、ある種の快感に浸ることがおありでしょう!?

ひと昔前ならスタンプだらけとなったパスポートへ新たに頁を付け加えて貰い、人より分厚くなった代物
をさり気なく自慢げに(本人はそのつもり)人目に付くようにしていた輩もいましたね。

ところが、何時ぞやからかは忘れましたが、ヨーロッパの主要都市を旅してもいっこうにこのスタンプが
増えていかない事に気付きました。おそらくEUやユーロ圏などというモノが誕生してからだと想像が付き
ますし、今回の旅行のようにシェンゲン協定を結んでいる国々を陸地移動する場合は、パスポートすら
必要がないのでスタンプは絶対に貰えません。

加えて今回、羽田空港出入国管理事務所にてパスポートと指紋の登録を行ない、当日より無人E-Gate
が利用できるようになりました。一般ブースが混雑している時には便利かと思われます。ただし、日本の
出入国スタンプは貰えませんので悪しからず。

日本の出入国カードが省略されるようになって、パスポートのページに残されたホッチキスとカードの切れ
端を取り除く手間が省けて以来、自分のパスポートをマジマジと眺める機会が無くなってしまいました。

今回は何故か帰りの機内で、「そうだ、ブダペストとプラハのスタンプは?」と急に気になって、ペラペラと
暇つぶしでやってみることになり、そして、ハタと気付いたのです。

EU諸国で、しかもシェンゲン協定を結んでいる国々のスタンプは、四隅にRが付いた長方形で、右上に
飛行機のイラストをあしらい、真ん中が出入国した日付、その下に都市名と何やらコードらしき数字が記
された、残念ながらそれはそれはまったくチャッチイ「判子」と呼ぶべき代物です。

ビサなし渡航が主流となり出した海外旅行、日本パスポートの信頼性の高さの証明みたいなものですが、
その分パスポートの中身は段々と殺風景になって行き、ちょっと淋しい感じがする今日この頃であります。