町場のぶどう畑の傍にあるなんてちょっと反則気味な建物。そう、これがオー・ラパン・アジルです。
かのピカソやアポリネールが芸術談義を繰り広げた場所としても有名なオー・ラパン。現在はシャンソ
ニエとして営業しているようです。夜のとばりに浮かぶ姿を見てみたかったです。

オー・ラパン・アジルから下界へと続く石畳の小径はルノワールが描いたダンスホールと水車で有名な
ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットへと続きますが、静寂から歓楽の世界へといざなうなんとも独特の怪しげ
な雰囲気を持った道です。



と、このまま進めばお目当てのムーランルージュのご先祖様に会えたはずだったのですが、どこで間違
えたのか、見事見過ごしてしまいそのまま丘を降りて来てしまいました。



この道が合流するのはコランクール通りというパリでもお馴染みのクリシー大通りの歓楽街へと続く道です。
大通りに出る前にはスタンダールやトリュフォーら蒼々たるメンバーが眠るモンマルトル墓地の上を越えて
行く形となります。墓標は凄く個性的なものが多く時間があったらぜひ見学してみたかった、明る過ぎる空気
漂う墓地です。



こんなモノがすぐ傍にあったら墓地の雰囲気も明るくなるはず、ひょっとして厳粛さよりも歓楽を愛する
が故の結果なのか。なんともはや不思議な位置関係です。



シャンゼリゼ通りのリドには行ったことがありますが、こうしてモンマルトルを歩いてみるとこちらの方の
歴史を感じずにはいられないでしょう。



お向かいのカフェを見やりながらメトロ2号線ブランジュ駅へと階段を降りて行き、次に目指すはやっぱり
シャンゼリゼ大通ですね。ダニエル・ヴィダルバージョンの鼻歌交じりにシャルル・ド・ゴール・エトワール駅
へ向かいます。