8月のお盆休みの時期というのは欧州でもバカンス真っ盛りとなり
飲食店や商店が長期休業だったりして日本人観光客が割を食うこともあります
でも、サン・セバスチャンは期待を裏切ることなく、しかも夏祭りウィークというスペシャル付きで
世界各地からやって来る訪問客を大いに歓待してくれるのでした


乗継便の都合上ビルバオ空港では日付変更間際の最終便での到着となり
しかもここからさらに100㎞近く離れた目的地ホテルまでの道程を考えると
疲労もピークを迎えつつあった私たちでしたが、快適な出迎え送迎サービスに加え
深夜のチェックインの最中でも子連れで帰ってくる家族グループの姿を見て
エキサイティングかつ安全な所なのだなと、わくわく感さえ湧いてくるのでした





この地への期待はそのまま部屋へと持越し、さらなるサプライズに膨れ上がります
ようこそカードが添えられた赤ワインとともにハモン・イベリコがサイドテーブル上に
夜中やん、自制モードが限界に達してついひとつまみいただいてしまいました
おかげで?翌朝いつもの時間までぐっすりと眠れ小雨降る二日目朝を迎えます


身支度を整え朝食を摂りに宮殿の大広間のようなレストランへと降りて行きます
コンチネンタルはおろかアメリカンを遙かに飛び越えたスパニッシュは実に恐るべし
部屋の真ん中で大胆に並べられた豊富な食べ物と飲み物よりも驚いた光景がありました
なんと、日本人旅行者が、それも老若男女がウジャウジャと出現するではありませんか
ツアーなのか個人旅行なのかは別としてもこれほど人気があるとはまこと想定外です





名所・旧跡よりも旧市街を中心に点在する数百ものバルとピンチョスが有名な土地
バスク語でPintxo、スペイン語でPinchoと綴るフィンガーサイズのおつまみを
チャコリtxakoliと言う微発砲の白ワインをはじめ地ビールや赤ワインで店をハシゴしながらいただく
どことなく大阪は天神橋筋を思いださせる上方風スタイルな食べ歩きです


美食の町と言われるだけあってミシュラン星付きが多いことでも有名なサン・セバスチャン
バスクの風をふんだんに取り込んだご当地料理はグルメを魅了します
ピレネー山脈の国境は挟んでもバスク料理は現代フレンチの源流なのかもしれません
そんな町は17時を過ぎればアッと言う間に待ちきれない大食漢?たちで溢れかえります





チャコリやビールなどレギュラーなアルコール類は一杯€2前後
カウンターに所狭しと並べられたピンチョスは1個€2~€4と結構良心的です
黒板メニューは各店ご自慢の料理が並びこちらは€5~€15と幅があり種類も豊富
キッチンがオープンするのは大体19時からなのでこの近辺を照準にすればよろしいかと


時間が書かれた予約の札が立てられたテーブル席のあるお店では
予約の時間が来るまで利用させてくれるので試しに一言声掛けしてみましょう
あとはカウンター付近で立ち食い立ち飲みしながらバスク人に成りきる
オラッ、と元気よく挨拶しながら入店し早速飲み物を注文してからピンチョスの物色開始です





黒板メニュ以外は皿を貰って好きなだけ摘まんで乗っけて行けば大丈夫
会計方法は店によって違いますがカードでもPIN入力で簡単決済できるので安心です
自己申告だから理性大事なんて書かれたガイドブックもあるようですが
お兄さんたちは鷹のような眼でちゃんと見て記憶してますから抜かりありません


日本から申し込めるものを含めバル巡りツアーは日・英語で催行されています
5~6件ハシゴして、一軒当たり飲み物一杯とピンチョが2品で1人1.0~1.5万円
有名処や隠しダネを巡りますので大まかハズレる可能性は低くなるのでしょう
勿論、ガイドブック片手に自力で巡るのが一番安上がりですから是非とも挑戦あれ





2日目の夜私たちはホテルのテナントが主催するツアーに参加しました
ヨコハマを知らなかったお姉さんはフィラデルフィアから来た弁護士さん
テラスハウスのファンだというお兄さんはシカゴから来たこちらも弁護士さん
日本で何してるのと聞いてきた女性はソノマから来た謎の御婦人
最後は酔っぱらって上機嫌だったノルウェーから来たお姉さんと現地女性ガイドさんの7名


祭りの打ち上げ花火見物の隠れスポットまで案内してもらいここでツアーは解散です
雨がパラつき始めたし独身弁護士さん同士二人っきりにしてあげようと
最後に残った私たちも退散を決め込み続きはホテルの部屋からの見物となりました
女性陣とは相当久し振りのチークキッスと相成りちょっと焦ってしまった私でした