1時間ほど仮眠し目覚ましシャワーを浴びてチャチャっと最後の朝食を済ませてから
8時の部屋明け渡しに備え荷物の最終チェックを行います
泣いても笑ってももうすぐ終着地、少々ボーとする頭を奮い立たせてメインデッキへ降り
KIRKENESで降りる乗船客の列に並びゲートが開くのを待ちます


列からふと目を上にやるとあのノッポさんがひとつ上の階から私に手を振っています
互いの健闘を称えるかのように私もそれに応えて別れの挨拶としました
そういえば相方の小柄さんは南行きの復路も楽しむと言っていたので
愛車の故郷出身のよしみでオーロラ再挑戦成功を陰ながら祈ってあげることにしました





思ったよりスムーズに下船できて預けたトランクも直ぐに見つかり用意されたバスへ移動
相変わらずの極夜の下、小雪がチラつき始めて北極圏に居ることを再認識します
40分程で到着したキルケネス空港は今回のクルーズ客と一般の観光客でごった返しです
ここから中継地オスロまでの2時間弱はお初のスカンジナビア航空の利用となります


チェックインの際係員と少々すったもんだやりましたが、やり込めて無事セキュリティも通過し
搭乗ゲートのベンチに腰掛けるやドッと疲れが襲ってきました
極度の寝不足でもお腹はちゃんと空いてくるもの、機内でしっかり昼食を食べました
夕暮れにはまだたっぷりと時間のあるオスロ・ガーデモエン空港に定時到着です




ここでホテルは市内を選ばず空港ターミナルを出たすぐ傍にしたのが大正解でした
荷物をカートに乗せたまま道路を隔てたホテルのロビーまで行けるというのがまず第一位
続いて市内中心部まで23分で行ける空港駅までのアクセスが大変良いのが第二位
チェックインの際即席会員になればディスカウントしてくれるサービス振りが第三位です
そのホテルの名はラディソンブルー・エアポート、お勧めします




荷物を置いて身軽になったのでプチ観光と夕食のため乗り鉄の身となって市内へ
中央駅への直行特急Flytogetなるものがありましたが193クローネと恐ろしく高く
所要時間が3分しか違わない鈍行にしましたが、それでも半額しますからかなりの物価高です
ちなみにタクシーだと空港から市内ホテルまでおそらく800クローネは下らないのでしょう




ホームで電車を待っていると眼鏡をかけた小柄な東洋人の女性が話しかけてきました
すみません、中国人ですかと中国語で聞かれたので日本人ですよと答えると
つたない英語でナンチャラへ行きたいのですがどの電車に乗ればいいか教えてくださいでした
鉄道王国ニッポンのオジサンの名に懸けてどれどれ検札してみると行く方向は同じ





聞けば重慶からドイツのハンブルグへ留学中の大学生さんのここまで一人旅だとか
大ファンの人気中国人男優主演のオペラ公演を2泊3日で観にやってきたそうな
チケットがやっと手に入ったのでこれから友達と合流して一緒に観劇ということでした
写真やらHPやらを見せてくれましたが事情通の妻でも分からず仕舞いだったのは残念




すると通過する森の景色を彼女が指差し、しきりにシンリンと聞こえる言葉を繰り返すので

はて、シンリンとな? ニホンゴ?? なに?それ???

あっ!それ、ひょっとして、森林やね!!

ということは、もしかして、ハルキ・ムラカミのノルウェイの森かいな!!!




ミュージカルの原作が村上春樹だということを伝えたくて暫しのクイズタイムでした
ノルウェイの森ハードカバー上下巻を帯付きで持ってるよと自慢げにいうオジサンに
ふ~ん、と極薄のリアクションを返した一駅先まで行く彼女とは中央駅到着でお別れ
途中、落としたエコバックからこぼれ落ちた出前一丁・中国版で印象焼き付く小姐
気を付けて楽しんでくださいなと伝えるとずっと手を振ってくれていました




改札というものがろくにない欧州鉄道、ホームからそのままコンコースへ侵入です
明るく、人が多くて賑やか、さすが首都は違いを見せつけてくれます
風格がある駅舎を出ると広場の縁をトラムがひっきりなしに往来しています
ホテルで予めここはというレストラン情報を仕入れていたのでそのまま駅前通りへ




サーモン、トナカイを含む肉系、ジャガイモなどは船で食べ飽きていたので
新鮮葉物野菜やパスタはどうかと繁盛してそうなイタリアンを選び入店
揺れない座席とテーブルで食べる久し振りの夕食には結構満足させてもらい
物静かな隣席のおかげで妻との旅の総括に集中できたオスロの短い一夜でした