日銀が景気動向を下方修正し、どうやら一時停滞となってしまった日本経済。
国内政治と外交がゴタゴタ、年金基金問題が老後の不安をさらに煽り、イト―ヨーカドー
が正社員を半減しパートを9割にすると、労働市場に一抹の不安を与えるようなアナウンス
をしました。ユーロの動揺も落ち着きかけてると言うのに東京株式市場は停滞したまま。
実生活へと目を転じると、電気料金が値上げ、ガソリンは高止まり、そして二年後には
消費税8%などなど。

     これじゃあ景気にいいわけないよ、分っちゃいるけど止められない...。

と、天国で植木等さんもさぞや嘆いている事でしょう。

しかしその反面、今年夏の国内外旅行市場はまずまずの出来だし、ロンドンオリンピック
の追い風影響もあって、ランニングや自転車、それに登山など、今までは草葉の陰に
隠れていたスポーツにもスポットライト当てらています。

では、過去2度の大ブームを巻き起こしたスキーのあの勢いはいったい何処へ行って
しまったのでしょうか?星野リゾートや日本駐車場開発が傾いたスキー場を再生して
どうやら元の軌道に戻していると言うニュースも耳に入ります。

ゴルフ場同様、スキー場の乱立は否めませんでしたが、ここへ来てその淘汰もすっかり
行なわれたと解釈してもよろしい状況まで来たのではないかと、勝手にそう考えて
おります。従って、遅ればせながらスキー場の再活性化を目論んで、平年より18日
早く富士山で初冠雪した本日、これまた身勝手な妄想をしてみたいと思う次第です。


201△年2月、ウィンター・スノーウィークという連休が誕生します。まとまった連休
というと雪の無い5月や8月、雪が乏しい年末年始に限られていただけに、冬季に
おいて待望の連休誕生となります。

LCC(格安航空)各社はスキーシーズン中、スノーカントリーへの臨時便を運航決定。
大きな荷物は宅配便業者とのコラボにより格安で指定場所まで運ぶサービスを行い、
また、旅行社はあの手この手で新規格『手ぶらでスキー』(コピーは復刻)ツアーの
催行を決定。

また、JRは期間中懐かしの夜行スキー列車を懐かしの車両で復活決定。これ
には思わぬ副産物が発生。この懐かしの車両目当てに撮り鉄、乗り鉄が全国各地
から殺到したため、期間延長で運行。もっと凄いのはあの懐かしのビュッフェと食堂車
も復活です。ビュッフェも食堂車も立飲み居酒屋に変身しての登場です。
飲み疲れはあっても運転疲れはありません。割増料金でゲットした寝台車でギリギリ
までひと眠りです。別のコンパートメントでは、両親と共に初めての寝台ベッドで過ごす
子供たちが携帯ゲームやスマホの事を忘れてすっかり有頂天になっています。

泊りは4泊するのでキッチン付のコテージを予約。室内清掃時以外は自由に使える
ので、滑りつかれたら戻って来て一服すればいいだけ。昼食後あまりの睡魔でテーブル
に突っ伏す必要はもう在りません。ましてや、ランチはコテージで作ったサンドイッチを
持参したので、ゲレ食堂での椅子取りゲームも必要ありません。気に入った場所を見つけ
たらそこでランチブレイクです。

また、ギアを脱いでスキーセンターのある町へ繰り出すのも一つの手です。センターは
各ゲレンデへ向かうシャトルバスターミナルにあり、リフトチケット&パス、スクール申込み、
ギア&ウェアレンタル、託児所、診療所、インフォーメーション&コンシェルジェ、etc と
多彩ですし、勿論街町中には各種飲食店がりますので、ゆっくりと散策がてらの食事が
可能です。

とここまで書くと、なんだぁ、こんなのもう有るじゃあないか!と、きっとそんな声が聞こえて
来そうですが、似たようなモドキや不完結な施設は存在しますが、私が体験したこのような
北米のスノーリゾートからは程遠いものです。

ライフスタイル自体が違うから同じ事は日本では無理なんて言ってると、いつまで経っても
おカネを使ってわざわざ疲れに行く休暇から脱却することは出来ません。高齢化と産業
空洞化が加速して行く世の中、ただただ指をくわえて国が衰退して行くのを見ているわけに
いきません。

ライフスタイルが変化すれば新しい市場が生まれる現実はもう既に目の当たりにして来ました。
その変化は現在、残念ながら多くの社会問題を引き起こす方にだけ負荷をかけている
ような気がします。この国の行く末を案じる者の一人として、ここに来てにわかに首をもたげて
きたナショナリズムやポピュリズムというものを、『強い日本』復活への良いカンフル剤として
活用することが出来る、そんなリーダーの出現を是非望みたいものです。