3790 [多事の抽斗]
JAL株の上場価格が仮条件の上限￥3,790で決定しました。
これによりJALの時価総額は6,900億円となり、航空業界ではANAの6,329億円を
抜き、シンガポールエアライン、中国国際航空に次いで第三位へといきなりの登場と
なります。また、発行予定株数のなんと３倍もの需要があるというのですから、何だ
かんだと言われながらもその人気度はかなり高いものとなった訳です。
また、今年に入ってあのFacebookに次ぐ超大型上場とあって、証券業界ではこれが
株式市場活性化の起爆剤にならないかと、大きな期待を寄せているようです。
しかし、その反面LCC（格安航空会社）との競合で今後の収益が頭打ちとなる可能性も
示唆されており、１５日の上場以降、投資家の判断を仰ぐことになります。
他方、今回の上場でJALの再生に一役買った企業再生支援機構は、その保有する
株式の売買で３，０００億円もの売却益を手にします。よって当初懸念されていた
我々国民の負担は楽々回避されることとなりました。ちなみに過去ダイエーとカネボー
が同じように再上場を果たして売却益を生みましたが、一桁少ない額でしたので
今回の上場がいかに支援機構にとってオイシイものとなったかは一目瞭然ですね。
『JAL株は儲かるのか』 という検索ワードでこの私のブログへ飛んで来てくださる
方がここのところ増えております。アナリストではないので偉そうなことは言えないし
言ったことの責任は持てないのですが、これだけは言えると思うのが、やはり稲盛さん
が植え込んだアメーバ経営とJALフィロソフィーを徹底すれば、景気変動に強い体質を
維持して行けるのではないでしょうか。
そして、しっかりとしたマーケティング戦略に則ってLCCとの差別化を明確に行うことに
より、国内および近距離国際線での競争に立ち向かい、国際線市場では利益率の
高いビジネス客を世界中から引き込むことに注力して行けば、収益構造も安定した
もとのとなるのではないかと思います。また、日本市場に於いてはやはり熟年の財布は
引き続き頼もしい味方と成りうります。
私にとって飛行機はただの移動手段ではありません。旅はその飛行機に乗る空港へ
行く時から始まり、機内で長時間滞在しても何の苦にもなりません。特に長い足と（笑）
屈強な体（大笑）は到底LCCには耐え切れませんので、私はこの時点でLCCのアウト・
オブ・ターゲットです。絶対に乗ることは無いでしょう。
各紙新聞を購読されている方ならご存じでしょうが、毎日のように、『ワンランク上の旅を』
なんてキャッチコピーでビジネスクラスの旅の広告を目にします。当然料金もワンランク
高くなるのですが、移動での疲れが最小限に抑えられることや、各種サービスの違い
も顕著に実感できますので、これに価値観を見出すターゲットには打って付けですね。
こういう市場が活況を呈して来ると、航空各社の利益率も徐々に上がっていくこと間違い
ないでしょう。
業類は異なりますが、今外食産業が大きな曲がり角へと差し掛かっています。
牛丼の値引き競争もどうやら勝者無きただの疲弊戦に終わったようです。安くてももう
振り向いてもらえない。だったら少々高くても食べてみたい商品を開発すればいいわけで
これからが各社生き残りを賭けて腕の見せ所です。
本当は使いたい、だけど欲しいものが見当たらないから使わない。お金もトドが詰まった
状態で大量に眠っているような感じがします。卵と鶏の話になって一向に上向かない
日本景気。ここはひとつどうでしょう、『 Spend Japan 』キャンペーンなるものをどうせ
だったら官民一体でやってみては．．．。
何に価値を見出すのかによって、
航空会社選びも違ってくるのでしょうね～。
短距離か、長距離なのか、それによっても選択が変わってきそう(^^)
by だいず (2012-09-11 20:58)
勉強になりました。^^v
by よしあき・ギャラリー (2012-09-12 06:24)
官民一体でいろんなアイデアを出して欲しいです。
by pandan (2012-09-12 06:40)
だいずさん
選択肢がそれだけ広がって消費する側にとっては
プラスです。あとはやっぱり個々の価値観という
事になりますね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2012-09-13 08:14)
よしあき・ギャラリーさん
滅相も無い、中途半端な記事で恐縮です。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2012-09-13 08:15)
pandanさん
せっかく消費者庁というのがあるんですからね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2012-09-13 08:19)