昨日ニューヨーク株式市場でダウ平均株価がついに$16,000を突破し、史上最高値をつけ
たというニュースがありました。日本と同様、景気が低迷していたため金融緩和を継続して現在
に至るわけですが、どう見ても活況とは言い難いのになぜか株価は元気なアメリカ。

かたや日本はと言うと、円安と安倍政権で一年前に比べ日経平均も倍近くまで戻ったとは言え
ようやく¥15,000台に乗っかった(半年ぶりに戻った)というところです。連日日経新聞の見出し
には景気のいいような事が書かれていますが、はて、両国のこの温度差は一体全体何なのか?

景気というものは個人消費が活発になった時、初めて好くなったもんだと言え、また実感もでき
るのです。企業業績自体の回復は著しいのですが個人レベルではまだまだその恩恵を受け切れ
ていないとは、街角インタビューでも度々聞かれる国民の生の声です。

実はここに我々日本人の律儀でしかも石橋が割れるくらいの慎重な『急いては事を仕損じる』的
性格と、アメリカ人の悦びや愉しみを実現前に先取りしてしまえという『明日は明日の風が吹く』的
性格の大きな違いが、両国の株価に反映されているようです。

株式等投資を行なっている日本人の比率は10%にも満たないのに対し、アメリカ人はなんと
30%以上なんだそうで、株式市場の温度差と貯蓄額の違いもこれでよく分ります。そして、数字
的なものは良くわかりませんが、アメリカ人の借金率はそのクレジットカードの普及具合から見て
も相当なものだと容易に想像がついてしまいます。「借金してでも楽しめ!」、これがアメリカ人的
発想だと思います。

そこで、我が国にも巨額タンス預金を市場へ引っ張り出してお金を有効に回し、景気浮揚へ結び
付けようと来春からいよいよNISA(小額投資非課税制度)が始まります。もう既に口座を開設さ
れた方も大勢いらっしゃることでしょう。かなりの人気らしく、重複して開設している人が大変多く、
関係各所は現在その名寄せ作業に追われているという事です。一人一口座ですからね。

節税しながら資産形成を、なんてことなんでしょうけど、タダ同然の利息の預貯金よりもリスクが
ある代り、リターンもそれなりに期待できるのですから、元々ギャンブルが嫌いでない日本人の
射幸心をくすぐって投資比率もこれで二桁にはなるでしょから、あとはNISAが日本経済にどれ
くらい寄与してくれるかが見ものです。

そう言えば小さい頃から友達と何かで張り合ったとき、必ずと言っていいほど登場するお決まりの
フレーズがありましたね。『賭けるかぁ? 賭けてもええでぇ!』って、やっぱり生まれつきのギャン
ブラーだった!?私達日本人。

Don't count your chickens before they're hatched

私たちのさらに上を行くアメリカにはこういう諺があるのを想い出しました。胸の奥にしっかりと
仕舞っておきたいものです。