最近ネット上のニュースタイトルにしばしば登場する「アフターコロナ」という言葉
まだまだお先真っ暗だというのに鬼も笑わないほど先の話をするとはなんだと
厳しいお叱りを受けそうではありますが、我々の日常生活を一変させた一大事なだけに
終息後の世界が、とりわけニッポンの様子がどのように変化しているのか大変興味深いところです


93%ダウンというほぼゼロと言っても過言でない訪日外国人観光客
いわゆるインバウンド・ビジネスは以前のようなレベルには回復することはなさそうで
その理由は言わずもがな明白で国を挙げてのプロモーション再開はあり得ないからです
何事もなかったかのように新型コロナ発祥の地をはじめ世界各国からの訪問客を
何の抵抗もなく素直に受け入れられるほど国民の精神的回復は見込めません


それよりも、一極依存型だったビジネスモデル自体の再考をこの際やるべきです
妙な形で京都をはじめ各地で問題提起されていたオーバーツーリズムが突如として蒸発し
逆に静寂すぎるほどの環境が一大不況と共に戻ってきた現在においてこそ
本来その地があるべき姿と今後の正しいツーリズムについてじっくりと考察していきたいものです




五輪招致後声高に導入推進されてきたテレワークはこのコロナ禍で一挙に脚光を浴びました
手探りの部分は依然残るとしても新規導入組は確実に増え、認知度も瞬く間に全国区となりました
補助金が付いている間に弊社でも完全導入すべく今期予算に計上しているくらいです
ただ残念なことに精神的領域において思わぬ弊害を生み出してしまっているのも事実です


テレワーク離婚やDVへと繋がってしまうイライラ・ストレスという厄介者が
普段とは全く異なる家庭環境と就労時間管理から派生してしまっているようです
ドアを閉じ仕事に集中できる個室環境を持つテレワーカーがこの日本にどれくらい存在するのか
ゆっくり寝れる寝室はあっても恐らくリビングかダイニングが即席オフィスのはずです


データの裏付けは全くないのであくまでも私の勝手な私的所見で話しますと
アパート・マンションと2階建て以上の一軒家とではテレワーク環境は大きく異なるはずです
住人の動線が全く異なるモノフロアとマルチフロアの住宅でより隔離環境が創れるのは
ズバリ、一軒家の方で、リフレッシュ用の庭があればなお言うことなしとなります
この仮説、あくまでも子供がいる家庭が前提なので、おひとり様の場合はこの限りではありません


今回このコロナ禍が原因で大規模集合住宅、特にタワーマンションの未来に黄色信号灯る
なんて記事が声高に叫ばれる3密を引用して取り上げられているのをよく目にします
ソーシャルディスタンスなど取りようもないエレベーター内でのストレスは確かに大き過ぎます
上層階に住めば住むほど滞在時間が長くなり正比例のごとく曝されるストレスも増加してしまいます
会社の近くにこのほど竣工した超高層タワマンが非常に気がかりなので今後の動向を注視してみます





テレワークに話を戻しますと、コロナが終息してもどうやらこのまま定着していきそうです
そうなると現在のような環境では精神的不健康は除去されることはありませんから
身体に優しい新たなテレワーク環境の創出がどうしても必要となっていきます
そこで心機一転、都会を離れて海・山・湖など自然に囲まれた環境に身を委ねるのはいかがでしょう


出社する必要がないのだから都市居住に固執する必要はまったくないと言い切ってしまいます
急な呼び出しもこれほど離れたソーシャルディスタンスなら会社側も出来なくなりますから
本来あるべきテレワークの完成形にかなり近づくことができるというものです
ある企業では実際に長野や山梨にサテライトオフィスを設け福利厚生を兼ねた取り組みをしています


こうした取り組みは今後ますます増えていくことは確かですがやはり一時的処置なのは否めません
都会では決して望めない大きな庭に建つ一軒家にマイ・オフィスが構えられ
たとえ子供たちが居ようとも広い庭がある限り決して仕事の邪魔はされないでしょう
開放的な環境は一日中在宅勤務しても降りかかるストレスを非常に高い確率で軽減してくれるはずです


残業時間短縮と人手不足解消に端を欲した働き方改革の急先鋒となったテレワーク
従業員一個人の力ではその完成形を作り上げることは120%不可能であるのは明白
うちは駄目だと向き合うことすら避けていた経営者が重い腰を上げ一歩ずつ歩き始めない限り
テレワーク先進国の後塵を未来永劫拝さねばならない永久後進国となってしまうニッポンです