小賢しいとは:
利口ぶっていて差し出がましい。生意気である。「―・い口をきくな」
何かにつけて要領よく振る舞っている。悪賢くて抜け目がない。「―・く立ち回る」
  虚け者とは:
中のうつろなこと。から。からっぽ。
愚かなこと。ぼんやりしていること。また、そのような者。まぬけ。
                                       (以上Web辞書検索より)


小賢しいというと、NHK大河ドラマの中で竹中直人演じる木下藤吉郎こと後の豊臣秀吉を
すぐに思い浮かべます。親父殿の渡哲也演じる織田信長からよく『小賢しいサルめ』と
叱責されていました。

 
ゆうべのファイターズファンならジャイアンツの捕手加藤に対して、そう吐き捨てたかった
ことでしょう。何度も映し出されるVTR画面が真実を語り、元東京ヤクルトスワローズの
名捕手古田氏にも解説者と言う立場を忘れさせて、『これは誤審です』といわしめた一件。


一番可哀想なのはもちろん不運にもババを引かされ退場を命じられた多田野投手ですが、
冷静さを失うこととなった栗山監督も立派な被害者でした。そして虚け物は誰かというと、
言わずもがなチーフアンパイヤ―でしょうね。


事が起こる前からストライクゾーンが滅茶苦茶な審判だと、一人TVに向かって抗議して
いたら、傍らの家内に、『風邪、まだ治ってないし、のどに悪いから止めなさい』と窘めら
れながらも今日は勝ったなと、一件の前にそう確信した私でさえも、これは酷すぎるよと
言いたかったです。


そして、点差の開いたゲームに一番動揺していたのが何を隠そうファイターズナインでは
なかったでしょうか?反対に、動揺を隠せなかったはずの張本人である加藤は、あの
大ブーイングとヤジの中、見事前進守備の中田の頭上を破る2点タイムリーを放った
わけだから、これは『あっぱれ!』と言うしかないでしょう。


逆に打たれたピッチャーには申し分けないのですが、加藤を三振にバッサリ切って取って
やるぞという闘志の微塵も感じないどころか、味方に付けなければならないファンの怒りが
逆に重くプレッシャーとなってのしかかって来たのですね。お気の毒に。



真実は一つなのですが、ここでひとつ、なぜあの時加藤はあのような行動をとったのか
私なりに説を立ててみました。


彼曰く、以前顔面にデッド・ボールを受けたことがあるそうです。一度きりでも生きた
心地のしないプロの硬式ボールが当たった訳ですから、必ずトラウマとして彼の脳裏に
焼き付いて残っているはずです。

だから、顔面付近にボールが来た瞬間、彼の脳と体がトラウマによって反応してしまい、
当たってはいなかったのに自分では当たったとすっかり思い込んでしまった挙句、両手
で顔面を覆い苦しむ仕草までやってしまったと。

原監督やチームメイトの声でやっと正気に戻ったけれど、記憶がその一瞬飛んでいる
ので何も覚えていない。彼の供述と一致します。でなければあの川をもってしても
あのような迫真の演技は出来ません。だからあれは演技ではなく、紛れもない本物の
行動だったのです。

故に冷静さを一番求められる球審でさえ、すっかり状況に飲まれてしまい、あの誤審に
至ったのだと考えられます。どうです、これで辻褄が合い、全ての状況説明がつくのでは
ないでしょうか?


熱が出ると頭が冴えて来るのか、それともただの根っからのジャイアンツファンなのか、
神のみぞ知るところでしょう。


最後に、ふと思ったのですが、あの『稲葉ジャンプ』は大惨事が起こらない前に絶対
止めた方がイイですね。あの振動は間違いなく球場の筐体にジワジワとダメージを
与えてるとしか思えないので、札幌ドームは試合終了とともに必ず毎回点検した方が
いいと思いました。老婆心ながら...。


もひとつおまけに、最後の長野への死球がわざとだったら、あの試合は五分五分です。