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鉄道の旅‐ベニス&トリエステ [旅の抽斗]

正月休みと成人の日の三連休を利用して、溜まりに溜まった写真とポジフィルムの整理をしようかと
意気込んでいたのですが、ポジのスキャンが上手くいかなかったところからモーチベーションがガタリ
と下がり、結局写真の整理もおぼつかないままとなってしまいました。

特にポジフィルムにはブログネタになりそうなシロモノが結構あって、今回のこの題材にもなっている
ベニスのイイ写真があってご紹介したかったので、なおさら残念であります。

ということで、ファイルアップ無しの文章のみでご勘弁ください。

 

[るんるん][るんるん] サン・タァ・ルゥ・チィア、サンタ~~・ルチアッ [るんるん][るんるん]

あのカンツォーネがすぐ傍で聞こえて来そうな、そんな雰囲気に包まれているベニスへの玄関口の
テルミニ、その名もサンタ・ルチア駅です。1987年当時、ミラノ中央駅から3時間とちょっと、急行列車
に乗って東へと進んで行き、到着15分前くらいだったでしょうか、目の前に突然海が広がって、その
上を列車が滑るように走ってゆきます。お子ちゃまだったら間違いなく絶対に『どうして海の上を列車
が走れるの?』と、質問攻めにしそうなそんな素晴らしく美しい光景なのです。

サンタ・ルチア駅からホテルまでの移動は水上タクシーにお願いします。船室付モーターボートに
タクシーのメーターが付いていて、ひと通り機能はしていたので
しょうけど、そこに表示された数字の
信憑性には大いに疑問を抱かざるを得ませんでした。しかし、あのベニスならではの風景を水面近く
の目線で見られたので、良しとすることにしました。

当時のサンマルコ広場はたとえ満潮を迎えたとしても、海水がひざ丈まで侵入してくるようなことは
全くなく、安心して町中を歩き回ることさえ出来たものでした。橋と迷路のような小径で結ばれた
ベニスは何処へ潜り込んだとしても、とにかく絵になるそんな場所でした。

中でもお気に入りだったのは、その迷路の中に点在している小さな食堂で、看板こそ「トラットリア」と
書かれてはいるのですが、どう見ても純大衆食堂の域は越えていませんでした。当時の価格で千円
も出すと、前菜からデザートまでのフルコースが楽しめたのですよ。それにワインは飲んだ分だけ
チャージされるというシステムなので、これもある意味明瞭会計ではないでしょうか!?

リアルト橋の上には宝飾品をはじめとする小さな出店が軒を並べ、常に観光客でごった返していると
いう状態ですが、根気よく品定めをしていると掘り出し物に出会えたりもしました。ユーロになって
久しいですが、リラだった頃が大変懐かしく思え、ユーロのせいでイタリアの物価が相当上がってしま
ったように思うのは私だけでしょうか?
その名残ではありませんが、大好きだった100リラコインをネックレスのチャームに仕立てたものを
この時買い求め、現在も手元に保管しています。

夜は夜で定番のゴンドラセレナーデをしっかりと押さえて、なんちゃって「オーソレミーヨ」の気分に
浸ったり、ツアー小型客船でムラーノ島まで足を延ばし、本場のムラーノガラス工芸の工房を見学
したりと、結構ベニスは楽しませてくれるところでした。せっかくなので荷物になること覚悟でワインの
デキャンターを買い求め、25年たった今も未使用のままで保管中です。空のデキャンタを熟成しても
全く意味はないのですがね。

日本からの観光ですと恐らくこのベニスが北イタリア最東端の目的地となるのですが、ここから
さらに電車で二時間くらい東へと足を延ばすと、スロベニアとの国境(当時はユーゴ・スラビア)の町
トリエステがあります。線路はスロベニアへと続くのですが、イタリア国内列車のターミナル駅です。

ベニスや他のイタリアの町からここを訪れると、間違いなく東欧の国へやって来たような錯覚を覚える
くらい、建物から空気までまるでイタリアらしくない、そんなところなのです。国際列車なら間違いなく
旧東ドイツの何処かの町へでも足を踏み入れたような気分になるのでしょうね。
かなり古い映画の話ですが、何故かこの時「カサンドラクロス」を思い浮かべてしまいました。

そんな重厚ですらある空気とは正反対に、この町で食べたイイダコのペペロンチーノは絶品でした。
どこかのCMで使ったコピーではありませんが、「何も足さない。何も引かない。」と、そんな素材の
味だけを生かしたパスタが食べれるのは、トリエステもまだイタリアだった証ですね。
宿泊こそしない日帰りの旅でしたが、機会があれば今度はゆっくりと観光してみたいイタリアの町の
一つでもあります。

日本もかつてはそうでしたが、ドイツにしろイタリアにしろ、国鉄で張り巡らされたアクセスラインを
辿ることによって、国際観光地とは全く違ったローカルな風景や空気に触れることが出来るのも旅の
醍醐味なのかもしれません。
仕事に一区切り着けることが出来た時は、またカメラに凝ってみるのもいいかも知れないと思って
いるところです。その時、当時世話になった愛機CanonF-1 ロス・アンジェルス五輪限定バージョン
(思いっきりアナログです)を携行するか、いま流行のデジタルに換えるか、なんて考え始めるとまた
一つ楽しみが増えたような気がします。


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コメント 1

就職活動

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 就職活動 (2012-11-09 02:04) 

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