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採点式競技に思うこと [独り言の抽斗]


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元来、スポーツというもの、得点やスピードを競うものと相場は決まっており、誰の目で見ても沢山
得点した側や早く規定の得点に到達した側、あるいは一番早くゴールラインを超えた者が勝者と
して認定されてきました。

しかし、ある日、ジャッジという役割を担った人達が特定の競技に介在し始め、得点やスピードと
いう非常に分り易い要素以外に、競技者の『演技ざま』にも予め定められた判定方法に則って、
点数を点け始めたのです。

他の競技者よりも美しく優雅に、そしてより難易度の高い『技』を披露すれば、正比例した得点が
得られる反面、逆も然りで、失敗は即減点へと結びついて行きます。おそらくこの採点式競技、
取っ掛かりは運転免許証と交通違反の関係の様な持ち点の減点方式だったのでしょう。

その内、それじゃあまりにも味気無さ過ぎる上、競技者が縮こまってしまい面白さに欠けるという
事で、これもあれもやってくれれば点数差し上げまっせ、という展開になったのですよ、きっと。

難易度の高い正確な演技や優雅で美しくしなやかな演技は、我々素人の誰が観ても その良さや
凄さを容易に理解することができます。

ところが、ここにその筋の専門家でないと理解できない『良さ』の違いが存在し、その甲乙で得点
が違って来てしまうから話がややこしくなってしまい、とどのつまりはその専門家のナショナリズの
度合いまでもが、採点になんらか影響してしまうという恐ろしい現象が起こってしまいます。

ましてや、その筋の専門家と言ってもたかが人間、判断ミスというエラーも多々あることでしょう。
されど、そのミスに一喜一憂させられる選手や関係スタッフ、はたまた親兄弟親戚友人一同はそ
れこそ、たまったものではありません。

近年何かと話題に上るのがフィギュア・スケートですが、今回のオリンピックでは地元ロシアの新
星やベテランが大活躍していますので、さすがのキム・ヨナ選手も疑惑の採点以前にその実力を
出し切らないと、連覇は非常に難しいですね。

日本のメディアは浅田選手のディスアドバンテージとして、あの韓国人審判員の存在を揶揄して
いますが、先進国首脳の多くが五輪開会式を欠席した中、安倍さんは1泊3の弾丸訪問で出席し
プーチンさんも大そう喜んだということですから、ここはひとつ、ロシアの審判と観客を味方に付け
るくらいの度胸で全力を尽くしてもらいたいものです。

本日の日経朝刊スポーツ面で、昨日の上村選手の滑走点数が、なぜ大きなミスをした3位のアメ
リカ人選手よりも低かったのかを解説しています。

モーグルの歴史を鑑みれば、コブをコブらしく滑るというパフォーマンス自体が称賛されてきた中、
あたかも整地斜面を抜群の技術で滑り降りて来るような上村選手には、スタート前から既に大き
なハンディが課せられていたということです。

基礎スキーの優劣を競う技術選手権という競技があるのは恐らく日本だけでしょう。もし、アメリカ
でスキーをする機会があれば、いかに上手い日本人スキーヤーの滑りが『美しい』か、一目瞭然
理解出来るはずです。


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あるいる

判定の基準がよくわからないし、疑惑の判定らしきものがあるから問題になるのでしょうね。
ボクシングの判定もそうですし、体操もそうですね。
ただ、メダルを取れたり自分に優位な判定があった場合には、
まったく問題視されないことも事実ですね。
判官贔屓は想像できますが、誰が見ても納得できる採点方法がないのなら、
いつまでたっても解決はされないでしょうね。
それも人間らしくて、面白いなあと高見の見物の僕でした。

で、今日の写真は心斎橋・周防町近辺のような気がするのですが、
いかがなものでしょうか。
似たような場所はたくさんあるのかもしれませんね。
判定、できません。

by あるいる (2014-02-11 03:20) 

tommy88

NHKの放送を見ていると上村愛子がなぜ負けたかが理解できなかった。
いつもの「カワイイのに」という主観を取り下げても疑問だった。
再生映像を見ても、おお、何でや、と思ってしまいました。
しかし、私も昨日の日経スポーツ欄を見て、理解しました。
あの記事にあるような解説をなぜ、テレビ中継する方はなさらんのだろう。
専門面している方の解説より、増田明美を呼んで喋らせた方が良い。
彼女ならちゃんと下調べを徹底するから。
日経にあった、規定変更で教材に使ったのは上村愛子の滑りだった。
だから審判にも刷り込まれてしまいました、上村さん残念ですね。
それぐらいの取材力は増田さんにはあり、ナイスコメントを出してくれる。
そう思うのでありました。

今日の写真、大阪なんですか。
ヨコハマの延長と思い、神田風だな程度にしか思いませんでしたが。
大阪がこんなにお洒落になっているとは、知りませんでした。
こんなお洒落な石畳、なんだ神田、伊勢佐木町ブルースです。
by tommy88 (2014-02-11 07:22) 

ma2ma2

採点競技は確かに色んな疑問の部分ありますね!
ジャンプも飛距離だけでは無く飛型点とかもあるので飛んだからと言って勝つかと言うとそうでも無かったりして。
なので、そこら辺を無くすために最高点と最低点をカットするので、韓国審判が悪い点だしても、切られるだけなので、大丈夫だとは思いますが(^^ゞ
by ma2ma2 (2014-02-11 11:03) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

あるいる さん

観ていてスカッとするのはやっぱり、タイムトライアル競技です。
白黒ハッキリしていて、ストレスが残りません。
それに比べると、採点式競技は身体によくありません。だから、TVに
向かって小言の一つも出て来てしまうのです。
昨晩滑降複合というのを始めて観ましたが、滑降のダイナミックさに
最後の回転部分がスパイスのようで、面白かったです。

ピンポ~ンです!!
成人してから最初で最後に大阪でスコッチを飲んだバーがここに
ありました。昼食処を探していて偶然見つけ、あまりに懐かしかったので
思わずシャッター(コンデンジの方)を切りました。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2014-02-11 11:42) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

tommy88 さん

先生もご覧になりましたか。滑る前から覚悟を決めていた悲劇の
ヒロイン、とでも形容した方がよいのか、リスクを背負ってまで自分の
滑りに固執した上村選手にヒップ・ヒップです。

先生はどうやら明美ストとお見受けしますが、私もあの『声』には最初
やられた方だったかもしれません。確かに彼女のマラソン解説はQ
ちゃんや千葉さん、谷川さんに比べ、聞いていて耳にすんなりと入って
きます。やっぱりあの『声』なんですよ。

神田の洋食屋じゃないんですから、これもれっきとした大阪・みなみ
ですよ!歩道はきれいにされたようですが、お店は古くからありました。
壁のブラック・グラナイトの高級感、いいでしょ?
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2014-02-11 11:53) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

ma2ma2 さん

ジャンプの飛型点ほど解らないもはありません。
風の抵抗を一番うまく捉えるベストな姿が飛距離を生む訳ですから
より遠く飛んだ人の飛形がよろしいのは、当たり前のような気が
するんですよ。最後の着地姿勢テレマークは80~90mを飛んでいた
時の話であって、130mを飛ぶ人に危険を冒してまでそれを要求する
方がオカシイです。東洋人が大活躍するのが悔しくてしょっちゅう
変るノルディック・ルールですね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2014-02-11 12:04) 

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