オペラ座の主役!?

手術の前日ともなると入院患者も何かと忙しい一日になります
手術室、ICU、麻酔医とお初の部署からの訪問者や呼び出しを受けての説明や同意書の署名など
それに口腔外科と形成外科の掛け持ち外来受診でほぼ一日が終わったような感じでした
前日の変な緊張感はなく暫くオサラバとなる通常食の夕食はいつもの通り完食です


きちんと眠れたかどうかはちょっと自信がありませんが朝食抜きの朝は時間の流れもスローです
手術室入室10分前に付き添いの看護師さんが部屋へ迎えに来ていよいよ手術室へ向かいます
待合スペースでちょっと談笑？してお呼びがかかりグータッチで行ってきます
エスコートが手術室専属看護師さんに変わり先導されながら一番奥へと進むとそこには


目の前には円形ドームのような広大なスペースが沢山の機材や機械台に囲まれ拡がっていきます
意外にもポップで軽快なBGMが流れ多くのスタッフさんがそれに合わせてかテキパキと動きまわります

 ほぼ中央に設置された手術台にステップがかかっていて促されるまま登り仰向けに横たわる私です
と瞬く間に腕にAラインの確保と点滴の準備がなされ麻酔医の声も脳天側から届いてきます


ふと気が付くと真横には励ましの言葉をかけてくれる担当医師の姿もあり緊張を和らげてくれます
その間にも身体中にいろんなモノがくっ付き始めついにまな板の鯉状態と化し幕があがりそうです
靴はこちらで預かってますからねと確かに聞こえ頭をもたげて確認したのが恐らく最後だったのでしょう
入室から退出までおよそ15時間、当の私はずっと眠りこけてたわけですから痛くも怖くもありません


アンコールやカーテンコールは願い下げですから終了後はとっととICUへと移動していったのでしょう
術後せん妄だけは気を付けてねと事前に担当の看護士長から防止のレクチャーを受けていましたが
果たして9時間以上も熟睡していた私はいったいどのような形で目を覚ます事ができたのか
定番の日付曜日や名前、居場所などの質問にきちんと答えられられたのかは定かではありません


ちなみに意識障害であるせん妄は一度かかると厄介なことになかなか完治しにくいという病気です
前日面識があるICU担当の看護師さんに私の事分かりますかと聞かれ分かると答えてましたし
妻が面会に来る時間も伝えていましたからこのあたりから意識は正常化していったはずなのですがね
長編大作の主役がそのままボケてしまっては本末転倒、しかしこの正気さが私を苦しめることになるのです

コメント 6

手術室に入るような手術は経験のないおやじです。
盲腸の手術すらとても怖く思い、スイカのタネは決して飲み込むことのなかった子ども時代です。
歯医者や耳鼻咽喉科の椅子に座るのさえ苦手なオトナになりました。
せん妄になどなったら大変なのですが、正気さが社長さんを苦しめることになるとは、これまた大変ですよ。
どんな苦しみなんだろうかとあれこれ想像は広がるのですが、今は無事に帰還されているのですから、おそらく一時のことなんだろうと勝手に決めました。
一時にしても苦しいのはイヤなのに勝手な想像でごめんなさい。
タイトルのオペラ座の主役？どう展開していくのやら、です。
くれぐれも無理な展開だけはないようにと願うだけです。

by あるいる (2022-05-23 04:21) 

あるいる　さん

ストレッチャーで入室よりはましなのでしょうけど、自分で手術台へ
上がって行くのもかなりプレッシャーですよね。しかもバカでかい
手術室ともなればなおさらですが、ここは腹を据えて主役になりきる
しかありません。
気管切開していて言葉を発することが出来ない私のような患者には
せん妄防止テストの質問は酷なはず。いったいどんな質問が
なされたのか、当の担当看護士長が調べてくれるそうです。
長時間の麻酔の影響は大でICUではとても奇妙な体験もしました。
他の皆さんは起きてるのか寝てるのか分からない状況で、ひとり
バッチリ覚醒し過ぎて不眠の辛い時間でした。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2022-05-23 07:35) 

手術は盲腸と心臓カテーテルしか無いので、全身麻酔は経験無いです。
盲腸は下半身麻酔でカテーテルは部分麻酔なので、全て意識が普通に有り、何をされているんだろうって思いながら何時終わるのかなっておもってました。
by ma2ma2 (2022-05-23 10:00) 

ma2ma2 さん

盲腸の手術が部分麻酔とは知りませんでした。これは結構リアルな
体験ですね。手術前PICCという腕の付け根から心臓近くまで
点滴用カテーテルを局所麻酔で入れました。造影剤を使った本格的な
処置でした。最後の点滴まで使用し、抜くときは変な感じがしました。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2022-05-23 16:45) 

ICUは函館で一度入っています。
脳挫傷クモ膜下血腫とか。
ラグビーの試合でやっちまっただ。
長女が泣いていたことだけは覚えておりますが、ほとんど記憶になく。
入院中、毎日のように自分の住所が言えない苦痛は不愉快でした。
事故や大怪我は今後、避けていきたいと思います。
看護婦さんは好きですが、もう入院は嫌だし手術も嫌です。
おそらく手術なんて、聞いただけで失神してしまいます。

by tommy88 (2022-06-01 21:30) 

tommy88 さん

大きな代償を払われたゲームだったのですね。ラグビーで骨折や
じん帯損傷より恐ろしいのが頭の怪我ですから。人間ドックを
受けるようになってから分かったことに、私の頭蓋の中に大きな
のう胞があります。悪さをすることはありませんという医者の
見立てに間違いないことは、これまでなんともなかったことからも
証明されています。ただ、この状態でプレーを続けていたことに
一寸鳥肌が立ちました。破れていたら大変なことになっていたとも
付け加えられていたからです。
今回はその脳ではなく顎骨、どうしてこんなことになったのやら。
術後の継続癌治療がないだけでも助かりましたが、私ももう入院は
御免被りたいですよ。ただし手術はそういうわけにはいかないそう
です。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2022-06-03 11:05)