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食いだおれてはいられない [食の抽斗]

 
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天神橋筋界隈の食レポっぽいものは以前記事にしましたが、時間がある時には必ず足を伸ばすのが
ミナミの東心斎橋界隈。昔と比べ今はすっかり様変わりしてしまいましたが、所々に懐かし味をしっ
かり頑張って提供し続ける老舗も残っているのです。

大阪というとどうしてもお好み焼きやたこ焼きという具合に、粉モン屋三度笠的イメージがしっかり
根付いていますが、ドッコイ忘れちゃいけないのが洋食屋さんとうどん屋さんなのです。勿論ここには
串揚げ屋さんも入ってくるのですが、エリア的に集中気味な性質なのでここでは省きます。

幼少の頃イッチョライの外出着を着せて貰い母親に連れられて行ったのが、カウンターのみの洋食屋さん
『薔薇の木』でした。現在でも昔ながらの店構えで営業されています。ここのエビフライとバターライスが
大の好物でした。食前に出て来るちっちゃなグラスに入ったトマトジュースが、なんだか凄く大人っぽく感じ
たのでした。

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そこから少し北へ上がったところには老舗の三階建て『明治軒』があります。椅子やテーブルがその歴史
を物語っていますがウェイトレスさんは皆お若い方ばかりなので、このコントラストもなんだか面白いです
ね。階段を使って1Fの厨房から料理を運んでいる姿が逞しかったです。きっと、素晴らしいアスリートに
なれますよ。

洋食屋さんはやっぱりデミグラソースが命、たっぷりとかかったポークソテーを注文したら、「10分程
かかりますがよろしいでしょうか?」と意外な質問でした。よほどイラチなお客さんでもいるのかな!?
もちろん、私は無問題ですよ。

ガイドブック片手のアジアン観光客も多く見かけるようになったこの界隈、もう少し北へ進んだところに
ある老舗のうどん店「にし家」さん、うどんちりが旨いお店です。『うどんすき』と呼ばないところに浪花の
拘りがあるのですね。そうそう、お一人様だったら鍋焼きうどんをお勧めします。


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通りで見つけた柳屋敷風の店

人気も疎らな通りから再び心斎橋筋へと戻る途中に、一ブロック道の両側がブランド物買取・販売ショップ
のオンパレードな通りがあります。江戸でも有名なK兵やD黒屋もどっしりと店を構えています。相乗効果
狙いなのでしょうが状況や如何に? 確かこの辺りに昔大きなカメラ屋さんがあったと記憶しています。

この前帰った時は中崎町にあるローカルうどん店に入りお得意のうどんすきを食べましたが、外れること
なく旨いモノが提供される浪花の懐の深さを実感しました。これからの季節、木枯らしが吹いたらうどん
すきに燗酒が旨いですね。横浜では残念ながらM卯へ行かないと食べれませんから。

たぶんに漏れずチェーン店や訳の判らない店が増えてしまった大阪ですが、時間をかけてブラブラやると
まだまだ昔ながらのお店が掘り出し物のように発見できそうです。しかし、行動半径を拡げるためには長期
滞在を必要とするので、実行はもう少し後に取って置くことにします。


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ちょっと焼魚 [食の抽斗]

用事も少しあったので、いつもの時間に出社の土曜日、さてさてお昼は何処へ行ったもんかと、だだ
でさえレパートリーの少ないところに、余分な一回が入って来たもんだから、すっかり思案橋ブルース
になってしまいました。

ちゃっちゃと用事を片づけメルマガなどをチェックしていると急に閃きが...。

そうだ、旨い焼魚喰いに南青山へ行こう!

会社からだとみなとみらい線と地下鉄を乗り継ぎおよそ片道40分、渋谷での乗換えがもっとスムーズ
に出来たら時短は容易なのにと、迷路のように、しかも蒸し暑い渋地下をあっち行ったりこっち行った
りの恨み節。30分程の昼食と合わせ都合約2時間の寄り道無しのランチ旅、ちゃんと県境もまたぐし、
車窓と車内の風景も停車駅が過ぎる度に変化したりしてこれまた面白楽しいのです。

江戸ではなくTokyo の決して美味くはないけど『今』の空気を吸いにぷらっと出掛けると、かなり気晴ら
しにもなるんですね。外国人観光客の多さとバラエティーさに改めて驚き、雑誌やTVからそのまま抜け
出て来たようなかっこよくて綺麗なお姉さん達に、これでもかと言うくらい目の保養をしてもらいます。

表参道駅から真っ直ぐ向かった先は、以前にもご紹介したお魚専門店。土曜の開店の正午まで15分
程あったので、同じアネックス内にある洋書屋さんにて時間調整です。立ち読みするには桁が一つ違う
本ばかりなので、ザーッと一回りチェックした後礼を言って、さあ、いざ焼き魚です。

開店間もないというのに10席ばかりのカウンターはもう一杯。12時開店のはずなんだがと、細かい
ツッコミもほどほどにさり気なくカウンターを見渡すと、さっきの洋書屋さんに居て私より先に出ていった
人がひー、ふー、みー。考える事は皆同じと言う事だな。

本日のお魚から『かれいの柚香焼』を選び、一瞬、ランチビールの文字に目を奪われたけど、割と簡単
にスルーできました。小鉢にご飯、味噌汁、香の物でワンセット、ご飯と味噌汁はおかわり自由の〆て
税込み¥1,400也。

Suicaの使用料と合わせて¥2,750のスペシャル・ランチ。感覚的には梅田から阪急に乗って京都四条
河原町まで『鱧』のランチを食べに行くのと同じでしょうか!?

これって、ありですか?それとも無しでしょうか?


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睨まれ、タイ [食の抽斗]

この間久しぶりに家内のお供で、デパ地下食料品売り場を覗く機会がありました。消費税増税から
一ヶ月、ここだけ見ていればその影響皆無かと、見まがうほどの盛況ぶりに少々びっくりでした。

生粋の魚好きは鮮魚コーナーをぶらつくのが大好きです。特にこの日私の目を惹きつけたのが尾頭
付きをドッと並べてた鮮魚店でした。刺身パックや切り身を売る競合店とは明らかに差別化されており、
古き良き昭和の風情を感じさせる、「お好みに捌きます」スタイルの魚屋さんです。

アジや鯖の類は当たり前で、場所柄相模湾系の鮮魚、特に金目はそのプレゼンス自体が既に人の
目を惹きつけます。その後ろでこれも立派なチヌ(黒鯛)が鎮座しているのですが、どこか控えめな
感は否めません。これが江戸と上方の違いとでも言うのでしょうか。  

そして、忘れちゃならない魚の王様...なはずの......天然ものの真鯛は!?

いました、いました、やっぱり数形からして多種を圧倒するそのピンクががったお姿が。祝い事には
もちろん皆勤賞で、その堂々たる姿かたちと骨格は、細々とした小骨だらけの太刀魚とは比べものに
ならない、我が家の正月にも欠かせない一品でした。

時を遡れば、禄が少なかった下級武家での祝い事には、本物の代わりに絵で描かれた鯛が各膳に
置かれ、これをみなそれぞれで「睨んで」食べたつもりになったとか...。 

現在でも太公望たちの憧れの獲物であることは間違いないのでしょうが、ケースに並べられたその体に
貼り付けられた値札を見て、一瞬我が目を疑いました。 『1尾¥1,_ _ _』

昨今、わが国ではまさに様々な種類の魚が養殖されておることはご承知の通りで、かの近畿大学が
ついにクロマグロの完全養殖に成功し、今ではそのマグロが食せる直営のお店が大流行だとか。 

真鯛も多分に漏れず養殖されてきたことは確かですが、これほどまでに天然ものの価値まで下げて
しまおうとは考え及びませんでした。そして、世代交代の内に祝い事の食卓からいつの間にか尾頭
付きの姿がフェイドアウトしてしまい、果たして今の子供たちにこの魚の価値が伝わるものかと、寂しい
思いがこみ上げてきます。

昭和天皇も好んで召し上がったというあの眼肉の味が分かる世代は、もはやググッと彼方へ押し上げ
られてしまって、真鯛というと、「ああ、カルパッチョの魚でしょ?」という無味乾燥とした答えしか帰って
こない気がします。

ショーケースのクラッシュアイスの上で横たわる、おそらくその大半が売れ残るであろう真鯛の一群が
往来していく買い物客に向かってなにやら語りかけているようにも見えたのは、はたして私だけだった
のでしょうか。 

ちなみに私の好物のひとつがRed Snapper Kamanize 、和名は真鯛のあら煮です。


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料理の対価というものは [食の抽斗]

外で食事をしたときに支払う勘定に、料理代金以外にサービス料というものをチャージされることが
ありますが、それ以外にも私自身、心の中で支払ったつもりになるのがその店の『雰囲気料』です。

立ち飲みは未だ経験ありませんが、それに近い処やフードコートから、超は付かないまでもそこそこ
一流処まで、自分の中では分け隔てなくその場その場の料理と雰囲気を楽しんでいるつもりです。

店のロケーションや造作は料理の対価に比例して、その豪華さもレベルアップしていきます。ただし、
常にその店の味には残念ながら正比例していなことが時々あります。こんな時にはすんなり「今日は
ただのアンラッキーデイ」だったと諦めるまでで、もう二度と行かなければそれこそ済んでしまうわけ
です。

最近、二つのまったく毛色の違うお店で面白い体験をしたばかりです。

一つ目は大きな楕円カウンターがある創作料理の居酒屋さん。ここの常連さんのスタートはけっこう
早くて、私と家内が入店したときにはもう既に席の半分が一回転していたようで、後の半分は引き続き
の長期滞在組です。

普段は私たち同様シニア夫婦の多い、居酒屋の割には比較的物静かなお店なのですが、一組だけ
やたらと賑やかな中年の男女グループが、どうやら開店から盛り上がっていたみたいです。私たちは
特段気にもせずいつもどおりにやっているつもりだったのに、店主やマネージャーがやたらと私たちに
申し訳なさそうな態度と言動をとるのでした。

『居酒屋さんなのだから』という気がはなからあるので、『そんなに気を使わないで』とかえってこちらが
恐縮してしまいました。聞けば常連さん達が帰りがけにどうやら二言三言、そのグループの事で苦言を
呈して出て行ったようでした。

方やこちらは横浜でも予約がとても取り難い西洋レストランでのお話。平日にようやっと席を確保でき
たので訪ねてみると、評判どおりのお店だったのでそれではもう一度という事で再訪してみたところ、
なんと、『失望した、very disappointed』になってしまいました。

一人前そこそこの値段を出して料理とワインを楽しみに出かけてきたところを、やたらと大きな声を出し
て頓珍漢な話をされる掟破りの常連さんと思しきお方が、せっかくの雰囲気を見事ぶち壊してくれました。

支払う勘定から料理とお酒の分を差し引いた残りは、お店のサービスを含めた前回同様の重々しくは
ないものの、その落ち着いた雰囲気に支払ってるつもりだったので、非常に残念な気持ちになったのは
果たして私たちだけだったのかと、他のお客さんにもこの疑問を投げかけてみたくなった夜でした。

どちらの例にせよ、同じ空間を分かち合う人の振る舞いがキーとなっているわけで、あとはその同じ
空間を共用出来るかできないかの僅かな差なんです。しかし、この僅差と勘定のバランスが一旦崩れる
と、後に残るのは腹立たしさだけだと最近学んだ教訓です。


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日本人だって大好きなんだ [食の抽斗]


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今回少し順不同なルート取りとなってしまった初鎌倉散策でしたが、初級編としてはまずまず
だったのではないかと、ちと自己満足気味。

本来ならば、鎌倉駅⇒浄妙寺・報国寺辺り⇒鶴岡八幡宮⇒鎌倉小町⇒鎌倉駅とした方が無駄な
歩行は省けられ、半日散策を充分満喫できたのではないかと反省です。今回はスキップしました
が、ここに銭洗弁財天を入れるとなお良しですね。


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散策の最後にはお土産をゲットと、思いっきり観光客をしてしまいましたが、天神橋筋や錦市場に
は劣るものの、旧軽銀座には圧勝の鎌倉小町と若宮大路の飲食・商店街で充分に事足りました。

いずこも同じように、ご当地とは遥か無縁の商品を扱うお店がチラホラ目に入り、不思議な事にこ
れがまたよく売れているんですね。特に食べ物となると、地場・非地場に関係なく皆さん美味しそ
うに、そして楽しそうに買い食い食べ歩きをしてました。

台湾や香港をはじめ多くの東南アジア諸国で必ず見かけるホーカーズ・ストリート。地元民に観光
客が混じってこのような食べ歩きを楽しむことができますが、どっこい、日本人だってある種共通の
DNAを持っているようで、皆さんあれもこれもとお口の忙しいことと言ったら...。勿論、欧米人だ
って負けてはいないのでしょうから、これはもう全人類的にその進化と共に共有されて来た遺伝子
なんでしょう。


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そんな買い食いよりもしっかり昼食を食べたいぞと、小町を流しながら見つけた一軒は、よくある
蕎麦屋さんではなく手打ちうどん屋さんでした。そう言えば会社の周りでうどんが食べれる処って
無いんですよね。

旬のしらすの釜揚げミニ丼が付いたうどんの出待ちに、ランチビールならぬランチ・ポン酒が
ありました。本当に久し振りでもあり、その特別メニューを眺める自分の口の中が何故かパブロフ
の犬状態となっていましたので、多少の躊躇はこの際蹴飛ばして、昼間っから美味しく『田酒』を
いただきました。


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鎌倉と言えば抹茶を点ててくれる和風処が多いようですが、負けじと鎌倉スウィーツを提供
するパティスリーもあちらこちらにあったりします。散策で疲れた足を休め、口は引き続き忙し
く動かす旅人達で賑わっておりました。女性のカップルの多いこと、ちょっと驚きました。

 

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驚きついでに立ち寄ったのが、鎌倉スウィーツで忘れてはいけないアレです。横浜のデパート
なんかでは非常に地味な存在なんですが、こんなに立派な本店が鎌倉にあったとは...。それに
店内はイモ洗い状態でした。ここだけ限定の商品やグッズなんかも販売してました。

明るい内にスイカで横須賀線に乗って、鎌倉物語は劇終です。


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Acai Bowls [食の抽斗]


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Acaiと書いて、「アサイ」と読むらしい。ハワイ語に『C』の文字は出てこないからもちろん外国語。
ポルトガル語でブルーベリーに似たヤシ科の果実のことだそうだ。原産はブラジルで、ポリフェノ
ーたっぷり抗酸化作用のあるピューレ状に加工されたものを、写真のようにフルーツやグラノラを
トッピングして提供される。

色は紫で、味は酸っぱいようなそうでないような、ミックスされる相方の影響大であるのは間違い
なし。ハワイではこのように『アサイ・ボール』として親しまれているという。少なくとも私が居た頃
はこのような物体は存在しなかったが、いったいいつから流行り出したのだろうか?

日本でも既に人気があり、今回の旅行ですっかりアサイ・ファンとなった家内は早速粉末をゲット
した。ただ、写真のメニューにもあるのだが、アサイ自体が割りと高価なモノなので、必然的にこの
ような価格になってしまうんだろうなぁ、とひとり納得。

ちなみに現地では、自然食品などを取り扱う店舗で販売しているのだが、人気商品ともあってか、
訪ねたお店では『入荷待ち』の札が掲げられていた。この状態にした張本人はいったい誰か?
なんて野暮な事は今さら言うまい。だって、私たちだってアンチョコを見てこの店へのこのこやって
来たのだから。

来る時の機内朝食にこのAcai Bowl が提供されたらしい。らしいと言うのは、朝食スキップした
私の口へはもちろん届かなかったからである。判っていたらこれだけでも食べなのにな。

しかし、今回の旅では『食』との対峙は頑なだったと、我ながら感心するところである。誘惑多き
旅の食事にあってもひたすら going my way で通す。

と言うよりか、自分たちの舌が肥えたのか、ハワイの食にはもはや魅了されることは全く無くなっ
てしまったと言った方が良いのかもしれない。この件に関しては後ほど呟いてみたいと思う。

お蔭で昨日の一日人間ドック、体重が前年より2㎏減で担当医から褒められた。半自動的に血液
の状態も Beautiful とはいかないまでも、歳からすると充分 acceptable じゃあないのかな。

で、肝心の尿酸値はと言うと、勿論下がってないと話にならないわけで、正常値に戻ってました。

ハードル、かなり上げちゃったもんだから来年が大変だわ。


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Meet the Pies [食の抽斗]


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アップルパイでも出してくれるなら、ちょっと休憩して行こうかなとメニューを覗くと、どうやらここの
売りはチェリーサンドだったらしい。

小さい頃は不二家のショートケーキにユーハイムのフロッケンザーネが大のお気に入りで、そして
忘れてならないのはヒロタのシュークリーム。ショートケーキはなぜか京都は四条河原町の不二
家までわざわざ食べに行ったことがあります。いまだに何故だかわかりません。

その後、長期アメリカ生活の影響か、アップルパイへの信仰が始まり、そこへパールシティーに
あるパールリッジ内のアンナ・ミラーズの登場で、すっかりパイにのめり込んでいったのでした。

アップルパイは主役のリンゴの質と仕上がりは勿論のこと、なんといっても『土手』のサクサク感で
その出来は決まります。何を隠そう、私はこのほのかな甘さの漂うアップルパイの土手が大好物
なのです。パンプキンやチェリー、チーズパイなどのあの土手とは違うんです。

 

土手と言えば、完璧なまでのカーヴィング・ターンで難問の土手を巧みに攻略できた愛子さんでしたが、結果はご覧の通りでした。残念ながら伊藤さんへのプレゼントは渡すことができません。

最上席の植村が後続選手の滑走終了後に、一つずつ右へ席をずれて行くのを見ているのが辛く、本人は一体どんな心境だったのかは図り兼ねますが、これが本当の勝負の世界なんだとつくづく思い知らされるのでした。

スキーの主流はどうやらカーヴィングから再び「ズラシ」へ戻ろうとしている最中の競技、見事なまでの植村のコブ裁きが思ったほどの高評価を受けなかったのも、あながちこのトレンド変化の影響が全くなかったとはいえないのではないでしょうか。

影響といえば、大雪の影響がほぼ皆無だったここ大阪伊丹空港から出発する、羽田行きは軒並み3時間の遅れがでており、とっくに着いているはずの私達は、まだまだ先の搭乗をラウンジにて、今夜の予約投稿用原稿に加筆しながら待機しているところです。

iPadで操作している関係上、原稿のレイアウトが途中からヘンテコになっているみたいですが、どうかこの雪に免じてご勘弁いただきたいと思います。


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友、遠方より来る [食の抽斗]


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一年と一カ月振りにキャプテンと中華街で再会です。茨城はひたちなかへ単身赴任中の彼の
リクエストで、今回は東京で離れて住む奥さん同伴で会食することになったのです。どういう風の
吹き回しか、キャプテンの口から奥さん同伴だなんて、顔に似合わず欧米化が進んでいたとは
ちょっと意外でした。

数ある可能性の中から今回のチョイスですが、案外中華街へ来た事がない人って多く、案の定
奥さんが初めてだという事で、有給を取得していたキャプテンはチャッカリ水入らずで横浜観光ま
で洒落込んでました。

忘年会シーズンへは既に突入済みということで、花金の中華街はスーツ姿やちょっとめかし込ん
だOLさんが目立ち、食べ放題の店舗が増殖していく中で辛うじて孤軍奮闘している老舗前には
多くの人だかりが出来ていました。

食事前にお土産の買い物をと、キャプテン夫婦は点心を、私は翌日用にと中華街でも一箇所で
しか売っていないフォーチュンクッキーを購入。買い込んでいる私に「それ、なんや?」とちょっと
意外な質問が飛びます。「フォーチュンクッキーや、知らんのん?」といかにも意外ですという顔
で返すと、「おお、AKBの歌のやつか!」とキャプテン。AKBは知っててもフォーチュンクッキーを
知らないなんて驚きでした。

簡単にフォーチュンクッキーのレクチャーをしてやると、では、私もと奥さんもお二つご購入です。
恋チュンダンス動画を投稿している面々の内、ほんとに知ってて食べた事もある人っているのか
なと、懐疑心ムラムラの反面、なんだか食前にイイ事したみたいで気分は良しです。

お昼でいつもお世話になっている老舗に入ると店主自らのお出迎えを受けたので、キャプテン
夫婦を紹介しそのままリクエスト外の個室へ案内されます。忘年会でほぼ満席の中、4人のため
に大きな部屋を用意しておいてくれた心遣いに多謝。持つべきものは気と顔が利くお店だとつく
づく思う一瞬です。当のキャプテンはVIPルームだと言ってはしゃいでいました。

さて、ここでちょっと中華料理に関するレクチャーです(能書きとも言いますね)。

4人面子が揃えば中華は立派に成立して料理を楽しむことが出来るのですよ。では、その極意を
ご紹介しますと、デザートを除き注文する品数は人数プラス1がベストな目安です。ですから今回
私たちが注文するのは5品ということですね。

まずは前菜またはスープ、次に海鮮類と来てから肉類が続きます。そして、日本人があまり注文
しないのが『野菜オンリー』の一品。八宝菜とか野菜炒めモドキをオーダーするのはまだまだビギ
ナー。この季節は特に青物野菜が美味しいので、注文の際におすすめを聞いてみましょう。

キャプテンに空芯采のにんにく炒めを食べさせたかったんですがあいにく売り切れということだっ
たので、チャイニーズ・ほうれん草を代用してもらいました。これもけっこうイケるんですよ!

これで4品ですからこのあたりで〆の炭水化物の登場です。常套手段としては皆さんここでチャ
ーハンと来るのでしょうけど、もうひと工夫されたこのお店の隠れ人気メニューの「福建海鮮あ
んかけチャーハン」にご登場いただきます。

承知はしていたキャプテンのシニア大食漢、この夜は前菜にスープとダブルでしたから都合6品。
と、もひとつおまけに点心2品で方程式は完全に崩れ去ってしまいましたが、美味しい美味しいと
喜ぶ2人の満足そうな笑顔で相殺ということになりました。

夜が更けてもイルミネーションがトーンダウンしない中華街から遠ざかって行く、遠方より来る友
とそして離れて暮らす連れ合いの満足そうなうしろ姿で、この夜の会食は二重丸でした。


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コテンポラリー・スポット [食の抽斗]


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今、大阪でホットなスポットとしてその座を確立しつつあるコテコテとコンテンポラリーが表裏一体
の2K天神橋筋界隈。その中において、地元TV局もどうやらしょっちゅう紹介番組を流している、
JR天満駅周辺のいわゆる天四・天五が飲食激戦区として、かなりレベルの高い競争を繰り広げ
ているようです。

老若男女、特に20~30代の世代に支持されているせいか、これまでの『バタ臭さ』も残しながら
新たな風が吹き込まれた「眠らない町」が今も進化を遂げているところです。


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天五(天神橋筋5丁目)にある『ぷらら市場』の路地から、さらに東へ入った池田町という所にこう
した飲食街があって、ミシュラン3星シェフの料理からイタリアン、焼肉、炭火焼などを目当てに、
陽が落ちる前からもう行列が出来始めます。大阪の夕げのスタートはなぜこんなに早いのか。
6時ではもう既に遅すぎるという事です。

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ちょっとめかし込んでやって来ても決して「浮く」ことが無い、意外とオシャレな顔を持った空間が
眼前に拡がり、「ここも立派に天神橋筋なのだ」と表裏を一瞬にして彷徨うことができる異次元の
体験ができます。

一軒だけしかお試しはなかった今回ですが、この界隈のお店に共通して言える事は、味はそこ
そこ、値段はバッチリお得ということなのでしょう。そしておまけに最長営業時間は朝の5時まで
と、夜行性にはもってこいの環境です。欲張りな人にはお店ホッピングで、それこそ本当に喰い
だおれることだってできちゃいますよね。


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お店を一軒一軒覗きながら食後の散歩で腹ごなしして、再度アタックを試みようとするも、やはり
歳には勝てず。 池田町商店街の本通を抜けて天神橋筋へ戻る辺りには、既にコテコテ空気が
流れて来ます。


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夜もすっかり更けて来たというのに、コテコテ人気店の前にはまだ行列がありました。これもひと
えに旨くて安いご馳走にあり着くための修行というものでしょうか?

ところで、写真にもありますように天神橋筋商店街というと、自転車天国の異名を持つほど幅を
利かせて歩行者の脅威となっていましたが、いよいよ先行している1~3丁目に習って来春から
商店街内走行禁止となるようです。


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天六交差点まで北上して来て結構歩いた感があったのですが、〆へ挑戦するには至らなかった
ので、もう一つおまけに反対側にある唯一アーケードの無い天七商店街へと信号を渡ります。


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カラオケ、居酒屋、ラーメン屋と立ち並ぶ中で、ひときわ異彩を放っていたのが立ち喰いのこの
お店。う~ん、何とも言えないこの響き、どんなド・デカイお揚げさんが入ってるん? って、やっ
ぱり粉もんのネタは尽きそうにない大阪。

懲りないついでの最後にもう一発、翌日のお昼にと家内が目星を付けてあったお店へ行った時
に見つけた、これぞ大阪・天満の『パン屋さん』!


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写真映してもいいですか?の問い掛けに、「いや~、いややわぁ~、どないしょう。撮られるほど私
美人さんとちゃうし...」、とはお店の女将さん。(すんませ~ん、中やなくて、外からですねん。)
とはついに言い出せず仕舞いのこのショット。 さすが大阪、タダでは返してこないです。
女将さん、豆のモチモチ・パン美味しかったよぉ~。


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そして、タダでは絶対返してくれない天神橋筋、異彩を放っていると言えばここも負けてはいない。
読んで字の如くで、大阪ならではの新旧お菓子が所狭しと並んでいて、お店のオリジナル商品も
チャッカリ店頭でディスカウント販売です。あたり前田のクラッカーやバナナ・白あんカステラなん
ぞはノスタルジック商品の代表格です。

いや~、天神橋ってほんとに懐が深くてケッタイな、コテンポラリーな町ですわ。


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続、大発見やぁ~! [食の抽斗]

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JR大阪駅御堂筋口を出て、そのまま阪神百貨店に向かう途中に地下入口があります。この階段
を降りた直ぐ右側に大阪でも老舗的な小さな立ち喰い串揚げ屋さんが登場します。匂いと暖簾の
裾から垣間見える立ち喰い客さんのうしろ下半身姿を見ていると、「ああ、大阪なんや!」と、感じ
る一瞬があります。

喰いだおれの街大阪の代名詞と言えば粉もんですが、この串揚げを外して大阪を語ることはでき
ない事明白です。おそらく粉もんと起源を同じくして発展して来たであろう串揚げもまた、ソース
抜きでは語れませんね。

かけるのではなく、「浸ける」行為を行なう大阪串揚げ文化。「なんで浸けるの?かけた方が全体
的に、しかも好きなようにつけれるじゃん。」と、突っ込みたくもなる関東人。おまけに、「先端から
のツートーンにしかならないし、ましてや失敗は許されないんだろ?」。

おいおい、そんなオーバーなもんか!? 失敗したと思たらまた次の注文したらエエやん。

以前記事にもしましたが、あの香港と南イタリアが妙に大阪とシンクロしているというお話の続き、
そう言えばどちらもやっぱり粉もんで溢れる土地柄、やはり粉もん文化を育む民族はその生態お
よび性質における共通点が非常に多いようです。


さて、その串揚げ店の多さにはただただビックリするばかりですが、それに勝るとも劣らずなのが
なんとパン屋さんです。おお~、これも立派な粉モンやで! 納得。

地下街を歩いているだけでもあちこちに点在していて、これがまたどこのお店もそこそこ客入りが
よろしいこと。有名店ともなれば並ぶのが大好き大阪人の大行列発生です。

どちらも激戦のマーケットでしのぎを削っているわけで、一瞬の隙がそれこそ命取りになるくらい
激しい競争が日夜繰り広げられている中、何が「キモ」となっているかを探すだけでもそれこそ楽
しいわけです。

こうして大阪の飲食街を歩いていると、「食道楽への道」の発端や「喰いたおれる権利」を見つけ
られたような、横浜では絶対に味わえない気分に幾度となく浸ることができます。こう言う気分には
二度以上浸っても全然構わないのですよ。

つづく


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