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Frisco & Flying Banana [留学生日記]

朝日に映し出されたゴールデンゲートブリッジが見えた時
ついにアメリカ本土へやって来たという何とも言えない興奮に包まれ
ただただ窓の外を食い入る様に眺めていた自分が居ました。

ケーブルカーと坂の街、サンフランシスコ
この街がこれから私が米国本土で生活して行く上で、ハブのような役割をする
要所となって行きます。

春といってもこの時期のフリスコの風は冷たく、肌に突き刺さるような感じです。
特にハワイから飛んで来たもんですからなおさら骨身に凍みます。
乗り換えのために立ち寄ったつもりでしたが、チケットを見るとその便は2日後になっているでは
ありませんか。
なんて白々しいですが、足りない物資の補給にかこつけて、どうしてもちょっとだけ覗いてみたい
衝動に駆られました。

アメリカ全土広しと言えど、こんなにユニークな街は稀有だと思います。
地形からして抑揚があるというかアクセントがばっちり効いているというか
さほど大きくもないエリアですが実にさまざまな顔を併せ持った街です。
フリスコの話は後ほど、もう少し詳しくさせていただくとして、とにかくアメリカ本土でいただく
最初の空気の味は複雑で、なぜか背筋をピ~ンと真直ぐにさせる力強いものだったようです。

卒業以来幾度となくこの街を訪れましたが、残念ながら訪れる度に街から力が抜けていってしまい
今では日本からの観光地としても、どうやらスルーされている感があるようです。
金脈が枯れると同時に、かのゴールドマイナーたちが立ち去って行ったようで、なんとも寂しい限りです。

ユニオンスクウェア、コイトタワー、ポークストリート、ピア39&フィッシャーマンズワーフ、チャイナタウン
アルカトラス島など等、完全にいい旅夢気分でぷらりぷらりやってしまいました。
しかし、この行動がどうやら私には過剰で余計だったとすぐに思い知らされる事になるとは...。

空飛ぶバナナ???
そいつはサンフランシスコ国際空港国内線ターミナルの端っこの方にいました。
細長い胴体にまっ黄色のペイントが施されたDC9型機。
今は無き我等がHughes Airwest です(現在はユナイテッド・エキスプレスとして運行)。
飛行機はちっちゃいくせに、あの大きな空港での存在感は抜群でした。

思わぬ歓迎?を受けた後、早速その細長い機内へと入っていくと、一つ気付かずにはいられない
ことがありました。
アメリカの一ローカル線ですから、あまりビジネスマン風の乗客がいないのは当然なのでしょうが
大勢の人が申し合わせようにデニムのパンツとターターンチェックの厚手のシャツを着て搭乗してるでは
ありませんか。
西部の開拓者を彷彿とさせる、まるで大草原の小さな家のマイケル・ランドンお父さんみたいな面々。
これから自分が向かおうとしている場所を容易くシュミレーションさせて貰ったようです。

サンフランシスコからおよそ一時間で、空飛ぶバナナはカリフォルニアの北の最果ての
ローカル空港に到着しました。
ジャバラタッラプには程遠い、ダットラに階段をくっ付けた特製タラップを降り、ターミナル小屋へと
向かう途中、今一度振り返り今飛んできた飛行機を見やったら、フリスコで確かにバナナに見えたものが
ここではなぜかとうもろこしに見えてしまったのは私だけだったのでしょうか?
空飛ぶコーン。こっちのニックネームも悪くは無いですね。

連結台車に乗せられてきた荷物を受け取りながら、果たしてこの空港にはタクシーなるものがあるのかと
いささか心配になってきました。
小屋から外に出ると、どうやらそれらしき車両が目に入ってきたので、ほっとため息が漏れました。
空路で移動する学生が多少は増えるこの時期、町から数少ないタクシーが客待ちのために
わざわざやって来たようです。

結構な荷物を荷台に詰め込み車内へ乗り込むとドライバーがすかさず
「〇×大学だろ?」
「そう、〇×寮迄おねがいします。」 と私が返すと
「オーケー! ところであんた、中国のどっから来たんだぃ?こんな田舎町へ。」

やれやれ、そっから始めなきゃあいかんのかぁ。先が思いやられるぞ。

田舎の風景.jpg


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