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先制パンチを喰らうが... [留学生日記]

結構走ったでしょうか。

目の中に飛び込んできた物の中に「建物」らしき物は無く
始終のどかに牧草を食べる牛さんたちの姿のみ(特に後姿)。
やっと建物がかすかに見えてきたと思ったら、そこがお世話になる目的地の寮でした。
荷物を降ろしチップを含めた代金を支払い、一息つく暇も無くそのまま寮内へ。
空港から学生課へ電話を入れておいたので、担当者が玄関で快く迎えてくれました。

サイプレスドミトリー.jpg

学期間のブレイクと言うこともあって寮内は閑散としていました。
寮生たちのほとんどは各々実家へ帰省しているのだそうです。
ほどなく案内されたこれから私がお世話になる部屋は、男子セクションとなっている一階の
北ウィング非常出口から数えて二つ目左側の部屋でした。

寮は二階建てL字型構造になっていて、男子と女子のウィングが交互になるよう
部屋割がされています。
各ウィングには共同トイレ兼シャワー室が一か所ずつ、ウィングの接合点には大きな
リビングルームがあってTV鑑賞もできます。コインランドリーは確か男女共同でした。
同じ構造の寮がもう一棟向かい側にあって、上から見るとちょうど広い中庭のある
(我々はクウォードと呼んでいました)長方形をしています。

6畳大の各部屋は二人部屋でその構造はいたってシンプル。
玄関ドアの対角に裏庭を眺める窓があり、その前に机が二つ。
机と玄関ドアの間にベッドが一台ずつ壁際にくっつくようにあり、入口を入ってすぐにある両側の
でっぱりがクローゼットです。
これが部屋の基本形ですが、各部屋いろんなアイデアで模様替えされていることには
挨拶回りをしたときすぐに気付きまいた。
各部屋ともさながら秘密基地といったところでしょうか。

あいにく私のルームメートも帰省中と言うことで、ご対面は次の日となりました。
担当者の一通りの説明が終わるや否や、向かいの部屋からそこの住人と思しき二人が
私の部屋へ入ってきまいた。
白人の一人が手を差し出しながら自己紹介をしてくれ、私もそれに返答。
続いて白人の彼がルームメイトの東洋人を「同じ日本からの留学生」だと紹介したので
反射的に「そうですか。はじめま...」まで言いかけたところ
[イン・ニングリッシュ・プリーズ、ノージャパニーズ・ヒアー」 どこかで聞いたようなフレーズ。
どぎついジャパニーズアクセントで一蹴されてしまいまた。
隣の白人は我々のやり取りをただただニコニコと眺めているのでした。

まさか居ないと思っていた日本人がこうも身近に存在したとは、少々の落胆とムカつき後の
訳の解らない安堵感とが交錯した瞬間でした。
英語で聞くところ、日本人の彼は東京の某有名私立K大学からの短期留学生だとかで
これから始まる学期が終わったら帰国するとのことでした。
彼がもうすぐ居なくなるということよりも、彼がこの大学を選んでくれたことの方がなんだか
うれしく思え、ベティー先生の「結構いけてる...」コメントを思い出し
思わずニヤリとしてしまったようです。

二人が出て行ったあと荷物の片づけをして、とりあえず大学生活がスタートできる状態に
してから夕食がてら、町へ繰り出してみようと思い立ちました。
休校中は大学のメイン・カフェテリアも休業してしまっていたため、こちらのデビューはしばしの
お預けとなりました。その他にも3箇所ほど軽食が取れるカフェもあったらしいのですが
キャンパスよりも町の散策を優先したため、こちらのデビューも授業が始まってからとなりました。

寮から町の中心まで約1㎞あり、今から考えると往復で程よいウォーキングに
なっていたみたいです。
当時町の人口はおよそ12000人。中心にはスクウェアな公園があり、その周りを小さなお店が
取り囲んでいるというあの、バックトーザ・フューチャーⅡにも出てきた典型的な一昔前の
田舎町の様相です。お店の建物はすべてが二階建、でしかも年代ものばかり。
しかし、その奥に見慣れた「Safe Way」の看板がポツリと見えた。
開いててよかった、この町の萬屋だ、これからお世話になります(特に当時はたばこの調達で)。

思えば遠くてヘンピな所へ来たもんだと改めて実感。
ショックが大きくなって来たのか、記念すべき最初の夕食が思い出せません。
きっとそれほどつまらん物を食してしまったのでしょう。
それとも早、ホームシックか!?[もうやだ~(悲しい顔)]

つづく
 


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