キャンパスの中心で・・・ [留学生日記]
さあ、いよいよ期末試験も最終日となり、最後の教科を終えて部屋へと戻ろうとしていた時でした。
進行方向遥か前方へ目をやると、明らかにうちのキャンパスには不釣り合いな、と言うよりも
不似合いなファッションで身を包んだ長身の女性らしき人物が視界へと入ってきました。
上下真っ白のパンツスーツと赤のシャツまたはブラウスに、これまた真っ白なボルサリーノ風ハット。
これで口にバラでもくわえていようものなら、まさしくカサブランカダンディーのジュリーです
私の歩が進むにつれてだんだんとその人物の全容が明らかになって行きました。
果たしてこの男装の麗人は誰なんだ!! 明らかにこっちを見て微笑んでる!?
この人物の正体は果たしてアレンの二つ年上のリズ(エリザベス)でした。
そう、「徴兵法...」の記事に登場したあの長身のアレン君のお姉さんです。
弟の入学に連れ添ってベイエリアの学校から転校して来たらしく、長身のスレンダー美人で
綺麗な部類のディッシュウォッシャー・ウォーターカラーのロンゲの持ち主で、そのままファッション
モデルにでもなれそうな、我が校では希有な部類に属する女性でした。
実際に、そのまた2つ上のお姉さんは現役のファッションモデルだと言ってました。
こんな美人さんを相方のトムが見過ごす訳がありません。少なくともそう信じていました。
案の定、我々が前に住んでいた寮へトムが遊びに行った時に、チャッカリ彼女と友達になって
帰って来ているのでした。
以後リズが我々の寮へ遊びに来るようになったので、ある日トムにそれとなく真意を確かめた
のでした。容姿端麗でしかも性格良しと来てるので、これは私の置き土産としての奉公と考え、すわ
最後のキューピット役を買って出ようとしたのですが、意外や意外、 彼の返事はなんと
Thank you but No thank you だったのです。
ストライクゾーンは決して外れてないどころか、直球ど真ん中なのに...。
ミステリーというかアンビリーバボーゥでした。
リズの傍までやって来た私は、その姿に突っ込みを入れたくて、さあ口から言葉を発しようとした
まさにその瞬間でした。
リズの真白い、しかし、先端だけ真っ赤な両腕がすぅ~と、こちらに伸びてきたのは...。
ジャ~ん、ハグされちゃいました
キャンパスのほぼ真ん中でしかも、この出で立ちのリズにです。
しかしここはアメリカ、意外と目立ってなかったかもしれませんね。心配するほどには...。
初ハグはトムとの別れ際にと思っていたんですが、いやいや、こういう結果になろうとは...ね。
でも、ちょっと複雑な心境になってしまった私でした。
二日後にはこのキャンパスともついにお別れです。
次回は、カリフォルニア・キャンパス最終章です。
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