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生存競争に勝利するためには [留学生日記]

すったもんだの引っ越しの末、精根尽き果てそうになりましたが、ここで負けては残された2年は
やっていけません。ここは気持ちをスッキリと切り替えて、やっと一人になれた部屋で次なる作戦を
企てるのでした。

ある日の放課後、いつものように新聞の不動産欄で物件を物色していると、一軒非常に気になる
出物が目に入りました。

Makiki Area, Studio, Utilities incl. OX△☐ Garden

以前ホノルルに居た頃から目を付けていた物件で、大学が近い閑静な住環境の古いアパートです。
でも、オートロックが付いているのですよ!
古い割にはその人気の高さから、家賃は少々高め。でも部屋は広くて快適だと、以前住人であった
友人から聞いたことがありましたので、それが頭の隅に残っていたんでしょう。

早速キャンパスの公衆電話から問い合わせをしてみましたが、応対したオーナーらしき女性から
現在30名ばかり問い合わせと内覧希望を受けているが、それでも構わないならとつれない返事が
帰ってきましたが、一か八かのチャンスに賭けてみようと思い内覧を申し出ました。
流石、大人気物件。競争率が高すぎる。[ふらふら]

後日指定された日時に現地へ内覧に出掛けると、日系人らしき女性が応対してくれました。
どうやら過日の電話の主らしい。
早速部屋を見せてもらったところ、友人が言っていた通りで、古いけど広くて良さそうなワンルーム
プラス大きめのシャワーとトイレ、そしてもちろんキッチン付でした。
自分の素性と、どうしてもこの部屋を借りたい旨のプレゼンテーションを行ない、後日の連絡を
待つことになりました。

連絡と言っても携帯電話があるわけではないので、指定された日時にこちらから電話する手筈です。
現在の短期契約の終了が一週間後に迫り、更新するかどうかの瀬戸際だったその日、満を持して
オーナーへ電話を入れ結果を伺ったところ

あなたに決めたわ。ミスター〇X△☐。詳細と契約は後日現地でどう? 
やった [わーい(嬉しい顔)] でも、どうして私に決めたのですか?
あなたがUHの日本人留学生だからよ。
えっ、そうなんですか? とにかく有難うございました。 [わーい(嬉しい顔)][わーい(嬉しい顔)]

電話を切った後も興奮醒めやらず、しばらく傍のカフェテリアで一人感慨にふけるのでした。
これでやっとこの地に根を下ろせる。そう思うと昨年末、カリフォルニアの大学を出てからしばらくの間
同じ場所でゆっくりと過ごしたことがなかったことに気付き、大きな安堵感も一緒に
やって来るのでした。

その昔、邦画で日本人サラリーマン達が紛争地域へ海外出張に行き、戦闘の真っ只中を日本国の
パスポートを見せながら、一列になって逃げて行く場面があった様に記憶していますが、ハワイでは
やはりジャパンブランドが信用の証になるのでした。しかもハワイ大へ留学していると聴いてすっかり
家賃滞納の心配もないと思ったのでしょうか(金持ちのボンにでも見えたのか!?)。

電話を契約し、台所用品や掃除道具を最低限買い揃え、友人B宅から預けていた荷物を引き取り
何とか生活を始めるには準備できたようです。
生活費を切り詰めるためには自炊が一番と、大学の帰りによくスーパーに立ち寄り買い出しをした
ものです。ただ、一週間分となると紙袋を両脇に抱えることになるのがかなりきつかったです。
以後、ほぼ自炊で頑張った反動か、結婚してからこのかた私が料理で台所に立つなんてことは
ありませんが...。

私のアパートは現アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏が卒業した名門プナホウハイスクールの
近くにあったので、ひょっとしたら彼とニアミスしていたかもしれませんね。
これをネタに依然友人に冗談をメールしたら、本当に信用されて困ったことがありました。
ある日プナホウの傍のバス停で待っていたら、オバマ少年が私に近づいて来ていきなり$1札を
私に差出したので、「Yes, I can change !!」と私が答えたと言うくだりなんですが...。 [ふらふら]

住むところが落ち着くと、こうも気持ちまで落ち着くものかと、ひしひしと実感させられるそんな一連の
出来事でした。
勉強にやっと集中できるようになり、数少ない旧知の友人とも親交を深めていくうちに何時しか
私の周りには予想はしていたものの、ハワイ大マノア校の朋友をはじめ、たくさんの日本人留学生が
居ることに気が付いたのでした。当時でもこんなにたくさん留学していたのかと、ちょっと驚きでした。
また、少数ですがクラスメイトのロコや香港からの留学生とも親しくなりはじめ、カリフォルニアとは全く
異なった環境が出来上がりつつあるのでした。

トランスファー(転校)で失ったほぼ一学期分の単位を挽回しつつ、専攻単位を履修すべく南国での
涙ぐましい戦いの火蓋が再び切って落とされました。


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