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Formosa の旅 Part3 [旅の抽斗]

  ホテルから車で小一時間も走れば、もうそこに太平洋が見えてきます。
『台北が曇りだったら、こっちは必ず雨ですよ』とは、ガイドさんのむげなお言葉どおり、フロントガ
ラスに打ち付けるように雨が降って来ました。

トンネルを抜けるとそこは...台湾の場合は太平洋なんです。片道一車線の右側を海岸に沿っ
て九份への入り口をやり過ごしながら暫く走ると、奇妙な形をした堆積岩が目に入って来ます。

奇岩.jpg 東北海岸線.jpg

太平洋の荒波と風で浸食と風化を繰り返してできたのでしょう。この海岸線はまた、台湾の太公
望達が集まって腕を競うところでもあり、荒れ模様の天候にもかかわらずあちこちに釣竿の先が
顔を覗かせていました。


奇岩を後に台北市へ戻る形で少し行くと、左手にコンクリート製の廃墟となった建物が見えてきま
す。今では廃鉱となった金鉱山の施設がそのまま残っているようでした。鉱山全盛期の頃に栄え
たこの小さな寒村が『九份』です。海岸から淋しげな坂道をくねくねと登って行くと、忽然と大勢の
観光客が視界に入ってくるので、ちょっと異様な感じがします。

九份から太平洋を望む.jpg 九份の商店街.jpg
 九份から見下ろす太平洋                       メインのショッピングモール? 基山街

鉱山廃鉱後はいったん廃れてしまうのですが、2・28事件を題材とした台湾映画『非情城市』のロ
ケ地としてその名が復活し、宮崎ワールドの『千と千尋の神隠し』のモデルにもなり、今となっては
地元新北市の重要な観光収入源となっています。

バス停や駐車場があるところから基山街へ入って行くと、狭い路地の両側には小さなお店が軒を
連ね店子が大きな声で客引きをしてます。パイナップルクッキーやピーナッツにあめを絡めた菓子
なんかはなかなかの美味でお土産にはちょうど良かったみたいです。中には日本でもよくある『な
んでこの店がここにあるの?』というショップもありますが、観光地ということで見逃してあげましょう
か。
あとは買い食い大好きな中国人・台湾人やアジア各地から来てるオーバーシー・チャイニーズ
が三軒置きぐらいにある食堂で何やらモグモグとやっていました。

基山街も終点まで来ると眼前が開けて、上の写真のように海を見下ろす風景に変わります。
ここでガイドさんが九份でも有名な茶坊へと案内してくれ、貸切だからゆっくりして頂戴と気まで利
かせてくれたので、感じの良い店でもあったので一服して行くことにしました。

九份茶坊.jpg 九份茶坊内.jpg
 九份茶坊入口                              茶坊店内

台湾と言えば高山や阿里山の烏龍茶が有名ですが、期間限定の桂花入り緑茶を注文すること
に。茶坊のシステムは席料と茶器及びお湯代に選んだ茶葉代が基本料金となり、好みでお茶菓
子をサイドオーダーできます。金額は一人千円オーバーになってしまいますので、台湾の物価を
頭に浮かべてしまうと可なりお高く感じてしまいますが、ここはひとつ、まったり
時間と空間に投資
するということでいいのではないでしょうか。

 茶坊囲炉裏.jpg
   囲炉裏がテーブルとなった茶坊。炭火でくつくつと鉄瓶のお湯が沸いてきて、ふぅ~、と湯気をはいたところです。

店の女の子が流暢な日本語で正しいお茶の作法を教えてくれ、一回目をサーブしてくれます。
一回分の茶葉で小型の急須7~8杯飲め、これをさらに小さな湯呑へ移しかえて飲むので、この
一回分の茶葉で充分二人、満足の行くチャイニーズ・ティーブレイクを楽しむことが出来ました。
ちなみに残った茶葉は袋に入れて貰ってお土産として持ち帰れます。

おいしいお茶で一服した後、ガイドさんのお迎えより一足早く店外へ出て、お向かいのみやげ物
屋さんで台湾訪問記念のマグネットを物色。訪れた国や街の記念マグネットをコレクションしてい
ます。ガイドさんと合流して先ほどの茶坊から目と鼻の先にある、千と千尋の豎崎路へと移動い
ます。私自身この作品のみならず宮崎作品をまったく知らないので、本当は偉そうな事は言えな
いんですが、雑誌などでよくタイムスリップしたような郷愁漂う所と紹介されているこのスポット、人
為的ではなく、自然発生的にこうなったように思えるのですが、本当のところどうなんでしょうか?

本当はここにその情景をアップしてご覧に入れるべきなのですが、画像が入ったSDを会社に忘れ
てきました。次回場違いにならないようにアップしますので悪しからずご了承ください。

豎崎路は基山街からつながる階段で、両側には茶坊や小さなショップが軒を並べています。
この階段を降りきると出発点の(おそらく?)バス停辺りへと戻ってくるので、なかなかの観光コー
ス設定です。日が落ちてから訪れるとなお郷愁感が強くなって、千と千尋の神隠しの世界(おそら
く?)みたいになるのでしょう。

再び車を台北市へ向けた頃には雨も上がり、西の空が少しだけ夕焼けた感じがしたようでしたが
それも長続きすることなく辺りはすぐに薄暗くなって再び、霧雨にぬれる台北の街になりました。
天気は最悪でしたが三日間の滞在で充分台北及び近辺を堪能でき、台湾の人々のホスピタリティ
ーにも支えられ、『もう一度訪れてみたいところ』リストにしっかりとセーブされたみたいです。


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