SSブログ

こんなスキー場ありました [多事の抽斗]

それにしても日本海側にはとてつもなく豪雪が降り続けています。雪掻き・雪降しに疲弊困ぱいした
雪国の人達の様子が、毎日TVのニュースで取り上げられています。

スキー場積雪情報を見ていても、新潟や長野北部のスキー場は軒並み300cmを軽く超え、一部の
スキー場では500cmオーバーと言うところもあるくらいです。
勿論スキーヤーやボーダーにとってはこの上ないことなのでしょうが、やはり積雪は充分でも晴れた
お天気のもとで滑らないと、雪が降り注ぐ状況では視界も悪くなって、おまけに気温も低くなるので
体温も下がり気味になって、通常よりも大変疲れやすい状態になりある意味危険です。

また、新聞の三面記事中に申し訳程度の扱いで、時々伝えられるのがスキー場での遭難・死亡事故
のニュースです。ほとんどの原因はスキーヤーやボーダーのコース外滑走禁止区域への立入りで、
雪崩に遭遇して死亡するケースもありますが、滑走中林や森の木に激突して亡くなることが多いよう
な気がします。フカフカの新雪や非圧雪箇所を見ると条件反射的にそっちへ行きたくなる気持は分り
ますが、そこが滑走禁止区域であるならたとえゲレンデ傍であっても、勿論足を踏み入れるべきでは
ありません。なぜならそれがルールだからです。

でも、本当にこれで終わらせてしまって果たして良いのかどうかと、自問すれば私の答えは『ノー』
なのです。というのも私自身『スキー市場は衰退してしまうのでしょうか』篇でもつぶやきましたとおり
今のままではほんのごく一部を除き、日本のスキー場はどんどん姿を消して行ってしまうからです。
遅かれ早かれもうそのカウントダウンは始まっているのではないでしょうか。

その既に姿を消してしまったあるスキー場のお話をしましょう。

一時期この日本でも北米大陸ロッキー山脈周辺の有名なスキー場、例えばアメリカ・コロラド州や
カナダ・アルバータ州のスキー場を模倣したような感じの、滞在型スキー場が誕生しました。
ご記憶にある方もいらっしゃるでしょうが、新潟県妙高市に1993年に誕生し、2004年に破綻した
ARAI MOUNTAIN & SPA リゾートがそれです。家族連れやカップルをターゲットに開業したものの
僅か十年足らずの短命に終わってしまった、バブル崩壊後に開業した
バブリーなスキー場です。
芸能人もお忍びで数多く訪れたそうですが・・・・・。

低層ですがゆったりとした造りのホテルは、客室やレストランの内装にもお金がかけられ、当時では
未だ走りだったエステサロンを要したスパ施設が売りの、いわゆる一つのモダンなコミュニティーが
妙高の山中に登場したのでした。

スキー場自体はどちらかというと小さ目でしたが、障害物をなくしてコース間の隔たりを造らないオー
プンスペースな感じです。そしてできるだけ圧雪・グルーミングをやらないコース設計に仕上がって
いました。しかし、子供たちを含めた初級者と非圧雪コースが滑れる中・上級者との棲み分けがハッ
キリしすぎて、いったいターゲットの家族連れやカップルはどうしたら楽しく滑れるのか分らなくなって
いたのです。

その結果、思惑とは反対にゆったり滞在して欲しいターゲットの足は遠のいて、コース外滑走大好き
な日帰り客がメインとなってしまい、その生涯を短命に終わらせてしまうのでした。
パウダーが滑れるまでにようやくなったあかつきに、『じゃあ久し振りにARAIへでも行くか』と予約
しようとしたら、こんな事になっていたのです。
Tシャツを買うのが好きなので、ARAIのを買っておいたのがせめてもの救いですかね!?

確かに日本のスキー場とゴルフ場はその国土面積からにして多過ぎるので、自然淘汰はやむを得な
い訳ですが、統廃合を経て素晴らしい運営盤石なスキー場が出来上がったなんて話はありません。
せいぜい福島県のように、若者の来場者にはリフト券タダにしますよという地域ぐるみの活動で需要
喚起を行わざるを得ないのが現実ですね。毎日電車のモニターにそのCMが流れているのを見る度、
『いったいどれ
くらいの効果があるの?』と、心配で聞いてみたくなってしまいます。

余計な心配はいらないから、ゴチャゴチャ言ってないで早く滑りに来いという、天の声が聞こえたりも
する今日この頃です。


nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:blog

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。