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老婆心ながら [多事の抽斗]

  40代ではさほど気にもならなかった親の晩年老後のこと、50代へ突入するやいなや突如
現実味を帯びて来るのでした。そしてそれ以降、「介護」の一文字が常に付いて回るようになり、
父亡き後母一人となった現在に至ります。

幸い一番上の姉の傍に居ますのでほぼ毎日様子を伺ってくれますし、要支援レベル2の母には
家事をサポートしてくれるヘルパーさんや、週二回のデイケアサービス施設でお世話になるなど
今のところは何ひとつ不自由は無いとのことです(本人談)。

あとはこの状態が一日でも長く続くよう綿密な(?)な作戦の下、母の自立独居状態を維持して
行くことこそが最良ではないのかと、自問自答の日々であります。

と言いますのも、かの金さん銀さんの娘さん達を取り扱った番組の中で「長生きの秘訣」を聞かれ
た時、口を揃えて出て来た答えが「なんでも自分でやること」でした。日頃から家事をするという
行為はその段取りを自分の頭で考えるので、最大の『ボケ防止』になるということで、他の専門家も
同じ類の説を唱えています。

そして体を動かすという事は言わずもがな、全てにおいて良い結果を運んで来てくれます。おまけ
に時々大勢の仲間たち(?)と交流の場を持つことによって、良きにつけ悪しきにつけ刺激を与え
てもらうことが出来ます。これに加えること、家族の誰かが常に見守ってますよというサインを出し
続けることで、独居の孤独感や焦燥感など余計な感情を軽減してやれるのでしょう。

要は面倒を見ながら実は本人が心地よい範囲で『こき使ってあげる』ことも大事だとは、私と家内
が双方の老いが目立つも健在な親に対して出した結論です。

ここに数件の例があります。

自宅で面倒を見ていた老親を施設に入居させた途端、亡くしている知り合いが二人います。
年老いて行く母親から家事を取り上げ、お嫁さんに全て面倒を見るよう仕向けた途端、亡く
なってしまったという知り合いもいます。どちらも急な環境と心境の変化が原因かと思われる
ケースです。

それこそ老親を抱えるすべての家庭に当てはまるとは全くもって言えませんが、案ずるより
するが如し、と手を打てる時からの下準備が実は大切なんではないでしょうか。面倒を見る
ことによって双方が疲弊してしまっては元も子もありません。

特に少子高齢化の時代において結婚と出産がどんどん後にずれて行く中、子育てが終わらぬ
内から老親の面倒をというサンドイッチ・ケースがますます増加して行くという事実は到底避け
ては通れません。単純に年寄りの数が劇的に増えたなんて単純なことでは済まされない状況
となってしまいました。

スープは冷めても一向に構いませんから、それより心地よく老親がこき使われてくれる距離感
を充分保てればこれ幸いです。でも、私の場合あまりにも離れ過ぎてしまってます。スープを
冷凍になどということも非常に難しいことです。

だから、閃きの神さんが降臨してくれたので思わず『光臨!』、じゃあなくて、『いらっしゃ~い』と
叫んでしまうのも無理もありません。


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tommy88

仕方のない問題は直面するまで触れずにいます。
近くに居る姉が主導すれば逆らわず、できることをやる。
目の前に320人の子どもが居て、そのことに専念する。
そう決めているけれど、ちょっとだけ無理をして帰ります。
来週の「帰省」に向けてビデオ作りや買い出し。
それとなく自己満足を重ねます。

by tommy88 (2013-05-25 09:13) 

viviane

私も要介護1の父と同居してます
ヘルパーさんは0kですが、デイサービスには絶対に行きたがりません
脳梗塞からの右半身不随ですが、頭はしっかりしているので車も改造し左手で運転もしています
私の事が分からなくなったら施設へ入れてくれ・・等と笑いながら話していますが、それも遠い事では無いような・・
by viviane (2013-05-25 15:01) 

あるいる

洗濯機や冷蔵庫、掃除機が普及する前に育った方は、
身体を使うことを苦にしない傾向が強いようですね。
出来るからする。できるうちはする。
それがとても自然に身についているようです。
無理でない範囲で、こきつかってあげてください。
それも親孝行だと思えます。

by あるいる (2013-05-25 17:21) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

あくまでも日常生活の優先順位は保つべきです。
ちょっとだけ無理して順位を変更でよろしいのではないですか。
自分の負担は黙っていても親には痛いほど伝わるらしく、やっぱり
自然体が一番です。
また自作ビデオで親孝行できますね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 01:02) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

↑ tommy88 さんへのコメントです。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 01:03) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

viviane さん

男親の場合はこれまた対応が違ってくること多しです。
うちの父も赤の他人を家へ入れるのはいやだと言って
ヘルパーさんを拒絶したり、デイケアは嫌いと駄々をこねて
みたりと、相当母を手こずらせていました。
現在の環境はお父様にとって最適ではないでしょうかね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 01:08) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

あるいる さん

これが父一人だったとしたら、恐らくこうも行かなかったと
思いますが、そこはやはり女性ということもあって対応力には
感謝です。今は母への刺激の考案で休日は頭の中の一部を
使用することになっています。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 01:13) 

pandan

そうですよね、いろいろ
考えないといけないトシになります。
by pandan (2013-05-26 05:03) 

だいず

幾つになっても、自分のことは自分でしたいし
少しでも誰かのお役に立っていると実感していたいです。
『こき使ってあげる』…愛情ですね(●^-^●)
by だいず (2013-05-26 13:23) 

cafelamama

長生きの秘訣「なんでも自分でやること」
これ、すごく大事だと思います。
震災後、一人暮らしになり、認知の進んだ母の元で暮らしていますが、
母にできることは、母にやらせています。
近所の元気な老人たちを見ていると、畑をやっている人が多いです。
年間の作付けや準備、植え付けから収穫までのサイクルを綿密にやっているのでまず、まずボケません。
元気な老人たちは、食事も自分で作っています。
ほとんど自給品を食べているので、野菜づくりが暮らしに密着しています。
何もしなくなったら、人間は終わりですね。
by cafelamama (2013-05-26 13:41) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

pandan さん

後回しにしてしまった分、取り返すのが大変で
日々、あっ、違った、月々格闘中です。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 14:08) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

だいず さん

親にとって子はいつまでも子ですから、ばんたび
父ちゃん、母ちゃんって頼っていくのもアリかな、
なんて思う今日この頃です。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 14:12) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

cafelamama さん

まさしくベストな例が周りにおありで、地方のお年寄りが
長生きなのはこういうことなんですよね。
なんでも便利になっている都会の生活の中で頼れるものが
多いだけに、それが出来ない時とのギャップが大き過ぎると
多くの問題を抱える事にもなります。
若者のだけではなく、年寄りの自立支援も必要な政策かも
しれません。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-26 14:27) 

ハマコウ

我が母も 「二度子ども」になり デイサービスに週5日通っています
仕事に出るわたしはよいのですが 
妻が大変になり 申し訳なく思っています


by ハマコウ (2013-05-26 18:05) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

ハマコウ さん

そうでしたか。
誰もが避けては通れず、逆らう事のできない現実です。
どうしても看る側にはより大きななストレスが生まれてしまい
ますね。私も面倒をみてくれている姉を労うように努めいるのですが
なかなか大変です。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2013-05-27 23:03) 

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