The City of New Orleans [旅の抽斗]
1947年イリノイ・セントラル鉄道により、シカゴ・ニューオリンズ間で
運行開始した1,500㎞の長距離寝台列車の愛称であり
現在もアムトラックにより運行は継続されている
と同時に、私がアメリカで3番目に習ったアーロ・ガスリーの楽曲名でもある
Jazz-Truck を走る列車のことを唄っているのだが
途中テネシー州を経由するためかメロディーはいたってカントリー調だ
ニューオリンズ発祥のジャズはブラスバンドが奏でるディキシー
聖者の行進に代表されるアップテンポのマーチングソングだ
おそらくこの「ジャズの素」がシティオブニューオリンズ号の如く
北上してシカゴやニューヨークへと伝播していき
燦々と照りつける太陽からビルの谷間の薄暗さと都会の焦燥に主役交代して
その形態を変化させていったのではないかと勝手な想像をしてみる
フレンチクォーターの中心バーボンストリートを歩いていると
このジャズの素ブラスバンドの演奏に出会えることがあるのだが
ニューオリンズへ来たならおそらくここを外すことはないだろう
フレンチクォーターで二番目に古い建物こそジャズの伝道
プリザベーション・ホールだ
ホールと言っても50人も入れば一杯になってしまう部屋なのだ
入場料は$14~$21と幅があって原則 First come, first in の早い者勝ち
毎夜行列必至の超人気スポットであるが、しかしここはアメリカ
出すもの出せばちゃんと抜け道は用意されている
名付けて Big Shot Seat、〆てお一人様$45也
プリザベーション・ホールのHPで直接購入でき
ホールに用意されている唯一の木製長椅子に座ることが出来る
しかも行列に並ぶことなく時間ギリギリに優先入場できるから無駄がない
ちなみに並んだ人は長椅子とステージの間に敷かれた古びたクッションか
後方での立ち見かを選択でき、どうやらこれが入場料の違いとなっているようだ
最後の2席をゲットした私たちは幸運にもど真ん中で45分間の演奏を楽しむことが出来た
Good night, America, how are you ?
ジャズを聴きはじめた頃、黒人のおばあちゃんのジャズシンガーAlberta Hunterさんが、Amtrak Bluesというアルバムで復活したと音楽雑誌に載っていて、ジャケット写真の素敵な笑顔に惹かれてレコードを買いました。
なかなかタフな声と唄い方で、アムトラックの存在を知ったきっかけにもなったレコードでした。
アメリカにはこんなおばあちゃんやおじいちゃんのジャズ・マンが現役で沢山活躍しているんだろうなと、アメリカのショービジネスの懐の深さを垣間見た思いでした。
by あるいる (2015-09-09 03:58)
今日は押し逃げです!
by ma2ma2 (2015-09-09 07:15)
あるいる さん
飛行機がメジャーとなる以前の長距離移動手段は鉄道でしたから
時代がかぶるJazzの世界では度々この鉄道が登場しますね。
長距離だけに様々なドラマが生まれましたし、その発着ポイントである
駅自体も題材として取り上げられています。基本即興部分の多い
Jazzの懐は深く広いです。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2015-09-09 21:21)
ma2ma2 さん
お忙しいところ恐れ入ります。
今日も元気だ旅プラニングが楽しい、ですね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2015-09-09 21:23)
First come, first in
素敵な原則だと思います。
律儀に並ぶ日本民族ですが、時折、許し合いの論理が働き、椅子にタオルやらハンカチ、怖いことにバッグを置いて「みんな」の席まで確保する、ぶんどりが横行する、たとえば水泳の大会。有料にしてくれよと思うこともある、各種大会会場。それは団扇だろ、たかが。そんなことを思いながら、会談に座ったり、立ち見席に立ったりしています。来るか来ないか分からない席に、タオルや団扇を置いて、席を確保する神経も、日本民族は持っています。そのくせ、C国の方々の、白昼堂々、正々堂々、中央突破の割り込みに、何も言えないのです日本民族。割り込みもイヤですが、物を置いておくだけの横柄な態度も好きにはなれません。
45分間の演奏、ちょうど良い加減かも知れません。双方、疲れることもない時間ですから。4000円で2時間半より、1500円で45分のお手頃感がいいと思いました。
by tommy88 (2015-09-10 04:34)
tommy88 さん
花見、運動会、スキー場のランチなど、場所取り合戦の主戦場を
あげればどんどん出てくる日本です。以前アメリカのスキー場の
レストランで、日本人らしきグループが日本風に荷物だけ残して
テーブルを空けていたところ、後から来たアメリカ人グループに
見事テイクオーバーされました。物を置いたまま席を空ける行為
自体この国では信じ難いことなのに、その物を使った領地確保など
通用するわけありません。First come, first take の為にひたすら
列に並ぶアメリカ人、開拓時代からの精神はしっかりと受け継がれて
いますね。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2015-09-10 22:08)