ソレが薄くなりまして・・・ [留学生日記]
いくらアメリカでは、標準的な家でも日本と比べるとかなり広いと言っても、さすがに我々全員を収容
すれば、間違いなく足の踏み場も無くなるのは当然です。
しかも確かトイレは2つと、普通の家族にしてみれば充分ですが、当時の我々にとってはそれこそ
◯男X女、大家族特集みたいな感じでした。
さてここ、ボルダーではトイレとシャワーの他に、絶対に足りないものがもう一つありました。
そうです、O2 酸素なんです。 酸素が薄いんです!!
少々動くだけでも、いつもと違って息が上がって来てしまうのです。
おまけに朝ともなると色んな争奪戦へも加わらなければいけないし。
ただ、以外にも拍子抜けしてしまったのは、この家の人口密度を上げているトンガン達の生活様式が
私をはじめ他の白人メンバーとも極端に違っていたことが幸いして、お互いに被る時間帯と場所が
そう多くは無かったのでした。
特に朝寝坊な彼らとは、時間差生活を思う存分に屈指することができました。
朝食に何を食べたのかなんて一切覚えていないんで、恐らく何も食べなかったのでしょう。
翌日から始まる大会の為にボルダー2日目のこの日は、午前中から試合会場を使った高地順応の
練習でした。って言うか、1日で順応なんか出来るわけがない!
ましてや、ただでさえ運動量の多いラグビーなのに。
ゾロゾロとデニス家から出て来る我々を発見したご近所さんは、恐らくトンガンを見るのが初めて
だったのでしょうか、得意の愛想笑いと共に、かなりの好奇心を含んだ眼差しを向けて来るのでした。
しかし、日本人の私はたぶん中国人と間違われていたのでしょうから、彼らにとっては何も珍しくは
無かったはずです。
ゼィゼィと息が上がりっ放しの全体練習を早めに切り上げた私たちは、完全なアウェー状態でした。
この調子じゃあ一回戦の突破も難しいと、チームの誰もが思っていたでしょう。
さすがの我れがトンガン達も、この状況には参りましたと言う感じでした。
完全に地元チームにアドバンテージ有です。
もし、奇跡的に我々が勝ち進んで行くような事になれば、きっと心臓に毛が生えて来るんですよ。
家へ戻って軽く着替えを済ませた後、一同は今大会のレセプション・セレモニー会場へと向います。
地元の劇場みたいなところに参加チームをはじめ、協会関係者、ボランティアの大会運営サポーター
そして今度は本物の地元メディアの人達と、たいそう賑やかなレセプションとなりました。
チーム毎にステージへ上げられて紹介されるわけですが、我々は遠路遥々ハワイからやって来たと
言う事で、ひときわ歓迎されていたようです。
人種が混在しているチームはハワイ大チームだけだったので、珍しいもの見たさなのか、私たちの
ところへ大勢の人が話し掛けてきました。
傍ではゲイリーが得意げにメディアからのインタビューを受けてたようです。
例のポロシャツをチャッカリ着て。
その訪問客の中に大会期間中、我々のサポートをしてくれると言うコロラド大と地元高校の女子学生
も含まれていました。
二人の名前は失念してしまいましたが、この後も登場してもらうので大学生のお姉さんの方をマリー
女子高生をスージーとしておきましょうか(でも、たぶんこれで合ってると思います)。
どういう基準でうら若き乙女達が、しかも我々の様なビーストの担当になったのか、はたまた
チャッカリとキャプテンのジョンかニューヨーク・マイクあたりが、旨いこと言って強引に連れてきたのか
(ナンパやん!)は分りませんが、後日談でどうやら後者の方だったらしいです。
トンガン達も、生コロラド娘を目の当たりにしてさぞや、鼻の下が伸びきっているのではと視線を送った
ところ、以外にも我ら関せずという表情で例の如く、美味しそうにビールを飲みながら何やらケラケラと
楽しそうに笑いながら喋っていました。
逆に私が彼らにからかわれる羽目になってしまいました。
気圧が多少低いせいもあってか、アルコールのまわりも下界よりは早く、ここボルダーでは実に
経済的に酔うことが出来るのでした。
不思議な事に、飲むという行為ではさすが、息は上がって来ませんね。
上がったのはみんなのテンションだったようです。
明日からはいよいよ16チームが、トーナメント形式で熱い戦いを繰り広げます。
勝ち進めば毎日試合が行われると言う、ハードスケジュールが待っていました。
酸欠ボルダー高地の夜は更けて
さらに続きます
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