人生、一回コッキリだから [留学生日記]
内容のかなり濃かった春学期があっという間に終わり、ついにアメリカで過ごす最後の夏休みを
迎えることになりました。
それと同時に、我が家の恩恵に預かった友人第二号がまた一人、日本へと元気よく羽ばたいて
行きました。
当の私はと言うと、夏休みの間に2回ある夏期講習を両方目一杯受講して単位を稼げば、来る
年末には無事卒業できるところまで漕ぎ着けたわけですが、夏休み無しでぶっ通し受講するのは
正直言ってかなり大変な作業でした。
また、履修科目ではないのですが、卒業を半年延ばしてでも、どうしても取りたかった科目が
あったので、さあ困った、ここは正真正銘の思案橋ブルースとなってしまいました。
元をたどればあのネコの一件以来、いわゆる『業界』の仕事に私の興味の矛先が傾倒して来ていた
ので、マスメディア及び広告の世界の扉をどうしても垣間見ておきたいという衝動に駆られました。
また、それに加える事大きく、我がハワイ大ラグビー部は夏休み前半の3週間、コロラド州の
ボルダ―(日本のマラソン選手がよく合宿しているところ)で行われる大きな大会への参加を含め
ロスアンゼルスへの遠征も決定していた事もあり、大いに頭を悩ます事態となってしまいました。
go or not to go(stay or not to stay), this is the question
究極の選択ではありましたが、こんな機会は恐らく今後私の人生で訪れることは無いだろうと、そう
思った時には既に両親の承諾を取り付けるべく、電話のダイアルを回していました。
後期夏期講習受講の為、ロスアンゼルス遠征は残念ながら不参加としましたが、2週間にも及ぶ
コロラド遠征は実に有意義でしかも大変愉快なものとなり、全くもって正しい決断だったと自己満足に
浸るのでした。
特に初体験となる我がトンガンのチームメイト達と寝食を共にする全行程は、大変興味をそそる
ものでした。
ボルダーまでの道程はホノルルからサンフランシスコ経由でデンバーまで飛び、そこからは迎えの
バスでボルダーへ入ると言うものです。同じアメリカ国内でも半日を要する長旅となりました。
やっぱり、アメリカはデッカイ
ホノルル空港にはトンガンをメインに白人アメリカン、フィジアン、そしてジャパニーズの総勢17・8名
位だったと思いますが、なんとか試合が出来る人数のメンバーが集合です。
ここでハタといつもとは違うあることに気付きました。
トンガン御一行がジーンズ履いてるョ! それに裸足じゃあないし!!
と言うのも、彼らの殆どが練習や試合に出て来るときの出で立ちというのが、Tシャツとトゥペヌという
腰に巻く布、そして巨大な裸足だったからです。
中にはビーチサンダルをたまに履いて来る者もいましたが、腰布と巨大な裸足は私にとって彼らの
トレードマークでもあったわけです。それともう一つ、豪快なアフロヘアもありました。
さすがの不死身達も、これから向おうとしている標高2000メートル超の高地へは、いつもの格好と
言う訳には行かなかったのでしょう(さすが、裸足で飛行機乗るのはちょっと...)。
冷やかしてやると、ほんと照れ臭そうにはにかむ姿はなかなか可愛らしかったです。
プレイングマネジャー兼コンダクターのゲイリー(白人)の号令なんかちっとも聞いていない、不慣れな
恰好をした(させられた?)トンガン達はまったくもって幼稚園児のようにはしゃぎ回り、ゲイリーを
いつものように手こずらせます。
彼らの殆どがこの時初めてメインランドへ行ったので、無理もない話なのですが......。
やれやれ、これからこの先、いったいどうなることやら
そしてもう一つ、彼らの手に収まっている日程の割にはコンパクト過ぎるその荷物にも、私の視線は
釘付けとなってしまったのです。
ビッ、ビニール袋一個だけかいな
そっ、それに、その荷物、チェックインするん??
戦慄のホノルル国際空港ウェスタン航空チェックインカウンター前にて
つづく
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