洋酒ってやっぱり飾っておくもんじゃあない [飲の抽斗]
まだ海外旅行の際、免税店での購入アイテムトップ3に『洋酒』がノミネートされていた頃、珍し
そうなブランデーだのウィスキーだのを買い溜めては家でストックしていた時期がありました。
いつの間にか酒税法が変わり、海外の免税店よりも量販店の方が安くなって、過去の銘酒と人気の
有ったブランドは洋酒離れのトレンドの下、たちどころにその存在自体がフェードアウトしてしまった
ようです。
私のコレクション?の大半はコニャックとブランデーでして、このどれをとっても容器の瓶の栓は申し
合わせたように全てコルク製なんです。
二年くらい前のある日、戸棚に陣取っていたこのコレクションをサイドボードへ引っ越しさせていた時、
ふと、『誰のためにいつまでこんな事してるのかな・・・・・。』というフレーズが頭を過ぎった瞬間、
『これはもう、飲むっきゃないでしょ!』とばかり、吹っ切れたというかなんと言うか?
それで、片っ端から飲んで行くことにしてまず、手を付けやすい『XOシリーズ』から始めたのでした。
購入時期は有に20年くらい前まで遡るのでしょうか、例のワインと同じ柔らかめの金口をナイフで
外し、いざコルクの本栓をスポッと上方へと心地よい音と共に抜き上げたつもりでした。
『んっ??』
音どころかわずかな抵抗だけを残し、無残にもそのコルク栓はほぼ中央付近からグチャッという感じ
で壊れていしまい、瓶の口にはもう半分がいやらしいポジションでしっかりと残っていました。
要するに経年劣化というのでしょうか、コルク栓は既に朽ち果てていたんですね。
意気揚々と口金を切ったナイフの部分とは反対の、スクリューの方で抜こうとしたのですが敢え無く
撃沈。人差し指で便の中へと落とすことしかできませんでした。
ソムリエだと大落第点を付けられるところです。
こうして二年もの間、開けて行くコレクションは全て期待通りに、コルクがボトルの中でプカプカと気持
ち良さそうに泳いでいるのでした。
茶こしは最後のボトルが空くまで私の大切な友となったのでした。
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