お見舞い親子漫才、再び [多事の抽斗]
病弱の年寄りの容体がこうも真逆に日替わるのかと実感させられた週末でした。
初日の土曜日、緩和ケア病棟の父を尋ねた時はもう明日にでも逝ってしまいそうな程の弱音を母に
吐いていたようだったのですが、明けた翌日曜日にはすっかり元気を取り戻して、清くん顔負けの
『舌好調』。
父の部屋へ行く前に立ち寄ったナーステーションで、『今日はお父さん、かなり調子いいみたいです
よ」と声を掛けられた辺りから、私のスウィッチがオンになった様です。
部屋へ入ると先客の叔母と何やら楽しそうに会話していて、私の顔を確認するなり笑顔をこちらへと
振り向けました。耳がかなり遠くなったので会話はしずらいのですが、調子のいい時は耳も同じらしく
いつもより小さめのボリュームでもOKだったのには助かりました。
元々寒がりな父ですが、前日に寒いと言って持って来てもらっていたエキストラの被り布団も、すっか
り足元へと追いやられていたので、
「今日は寒ないのん?」 と、私が聴くと、
「ううん、身体は寒なかったんやけどなぁ・・・・・・・。」
おぉ~、そろそろ来そうだなと構えながら、
「ほな、どこが寒かったんや?」 と、オチへと振ってやると見せかけてからすかさず、
「ココロやなんて言うなよっ!」 と、タブーの先回り。
「ちっ! 言うかぁ、先に」 とふてる父。しかし今日の父ははイジリ応えがあると実感。
横に居る叔母は大爆笑だったので、ついでに前回のすき焼きの一件も披露するとこれも大喜び。
「にいちゃん、長生きするわ」 の、ひと言に父はご満悦の様子でした。
父の心が寒かったのには理由がありまして、遠路遥々やって来た息子にロクなもてなしも出来ない
自分がふがないと何度も繰り返し、葛藤をしていたのでしょう。しかし、そうかと思うとこの後にもちゃ
んと自分なりにオチを付けたかったらしく、
「元気になったら、ビフテキ奢ってくれょ!」 と、来ました。 また、肉かいな。
とにかく頭の回転はどうも健在らしく、看護師さんにはしょっちゅう冗談を言ってイジッテるようで、
時々その言い回しが高尚(?)過ぎて彼女たちに通じず、しかも入歯を外してるので聴き取りにくい
ときてるので、不快な思いをさせてはいないかとハラハラです。
飛行機の時間ばかり気にして、早めに出て行きなさいと再三私を促す父が差し出した右手を叔母と
交互に握ってバイバイです。
廊下に出たところで担当の看護師さんから、次回はもう少し間を詰めて来れますかと聞かれたので、
少し間をおいてから、分りましたと答えて叔母と病院を後にしました。
お元気になられたようで何よりです
わたしの母は体は元気なのですか
忘れ方がひどく…
by ハマコウ (2012-04-17 19:12)
ハマコウさん
お気遣いいただき有難うございます。
心中お察しいたします。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2012-04-18 11:49)