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負けんばい [旅の抽斗]



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このところやたら揺れてくれる横浜、週明けも朝からデカいのが襲ってきて
揺れがなかなか収まらないビルの一室でした
確率がかなり高くなってきている分警戒しなければならない関東地方です

休筆中の今春、マイ・ディスカバージャパンの一環で熊本を訪ねてきました
あの大地震から3年、市内中心部のとある地下道出入り口に張られたスローガン

負けんばい、熊本

最大震度7を観測した益城町をはじめ玉名市などなおも震災の爪痕は残されたままですが
中心部を移動している分には甚大な被害を知る術はありません
しかし、その中心部茶臼山の頂に築かれた熊本城内へ一歩足を踏み入れれば
当時の惨状がどのようなものだったのか直ぐに想像がつきます


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咲き始めたソメイヨシノに気を取られ気付くのが遅くなった私が目にしたもの
今にも崩れ落ちそうな天守閣とそれを一生懸命支えているおびただしい数の鉄骨群と
崩れ落ちてしまった清正公ご自慢の膨大な数の石垣群でした
奇跡的に持ち堪えた天守閣再建が最優先されている様子で
石垣の石はひとつずつナンバーリングされ空きスペースに並んで出番を待ちます

完全に元通りとなる日は一体いつになるのやらと
帰り便の時間を気にしながらもギリギリまで粘ってしまいました

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初日は熊本空港から観光タクシーで一路阿蘇方面へ向かい
いきなりカルデラのバカでかさに度肝を抜かれます
一旦中へ入ってしまえば誰もがそこがその昔火口だったことなんて気付かず
単純に背丈の整った山々に囲まれた盆地なのだろうと信じてしまいそうです


火山博物館のデモ展示物を鑑賞すれば阿蘇の秘密は直ぐに暴かれます
生憎この日は火山性ガスの影響で火口見物はNGとなって
草千里前から中岳の活火山振りをおかずに馬肉定食をいただきました
火の国熊本、閑散とした土産物売り場で独り気を吐いていたおばあさん
その勢いに引き込まれ名物いきなり団子を購入しデザートとします

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白河水源の清らかな湧き水を備え付けの柄杓で一杯と思いきや
底に散らばるコインの数々が目に留まり急停止
投げ入れ禁止の看板も奏功せずここもやっぱりトレビとなってしまうのかと溜息です
それでも途切れることなく湧き出でくる地下水の逞しさと美しさに九州を感じます

お決まりのコースはそれでも初心者の好奇心を満足させてくれ
重い目をしてでも広角一本忍ばせてきた甲斐があったのかと自己満足
8時間のタクシー観光は名湯黒川温泉ではなく高原ホテル前で終了です
折角だからと狭い黒川温泉内もおまけで流していただき外国人観光客の多さにビックリ
ここまでやって来る逞しさと情報収集力には参ったと言うしかありませんね


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この時期の阿蘇では山焼きが盛んに行なわれており
あちこちから火の手が上がる迫力あるシーンが堪能できます
ホテルのレストランからも興行的山焼きを鑑賞でき米焼酎の味付をしてくれます
期待以上の夕食と食後の星見物ツアーでホテルも株を上げました

翌日はホテルから空港のコースが最短でがありましたが
ここは敢えて逆方向の熊本市内での散策を取り入れ得意のバス移動です
途中何度も流れる川に遭遇し改めてその水の透明度に驚かされました
後日この話を宮崎娘をめとった甥に話すと、九州はどこを掘っても奇麗な水が湧くんだとか


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車中からも次々鑑賞できた阿蘇の山焼き風景を後にしてカルデラとはお別れし
外輪山の外側へと出て途中停車の阿蘇駅を経由し一路熊本市内へと向かいます
地方で長距離バスに乗る場面が多くなって気が付いたのですが
意外にも多くの地元民が生活の足として利用しているのですよね
この日も終点まで乗った観光客は熊本城を目指す我々二人だけでした


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あるいる

阿蘇には一度だけ行ったことがあります。
阿蘇温泉に友人の親戚が温泉旅館を営んでいて、格安でお世話になりました。
朝、阿蘇の雄大さを感じながら、教科書に載っていた草野心平さんの「草千里」を思い出していたものです。
雨が瀟々と降っている。
永遠を感じたものでした。
今は昔、です。
まったく関係ありませんが、鹿児島弁や博多弁はなんとなく知っていますが、熊本弁はさっぱり記憶にありません。
テレビの影響かもしれません。
くまもん、熊本弁を喋ればいいのに、ですよ。


by あるいる (2019-06-27 04:05) 

tommy88

負けんばい、いい表現で好きです。
逞しさを当然とする雰囲気があります。
確かに熊本の地震連続以降、雨の被害もありました。
「負けんばい」がなければ、やっとれんばい、です。
阿蘇山はガイドさんに言われなければ分からない大きさがありました。
負けんばい。
馬肉定食は食べそびれましたが、後日、東北で食べています。
折角の湧水に5円玉は気色悪くて、入れないでほしいです。
入れんといて、負けんばい、入れたらあかん。
私の中の美意識では、お金をそういう風に水に入れるのはダメです。
話は変わって地震、ちょっとイヤな雰囲気ですね。
鹿児島の会社、財宝の「災害 非常用 5年 備蓄水」を追加注文かな。
それ以外に地震対策が考え付かないのでした。
さば缶はたっぷりあるけど、毎日サバは飽きるだろうし。

by tommy88 (2019-06-27 06:24) 

ma2ma2

阿蘇は広いので場所によっては入山規制になっている所もありますね!
僕が行ったときは噴火口が入山規制でした(^^)
by ma2ma2 (2019-06-27 08:54) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

あるいる さん

阿蘇のこの規模でも世界一のカルデラにはなれなかったのだと、こ
ちらも火山博物館の受け売りです。中岳はしっかりと活動中でその不気味さは言いようのないものです。牧草が青々と茂る季節が教科
書に出てくる阿蘇のイメージの一つで、この時盛んに行われていた
山焼きのおかげということですね。
ばってん荒川という芸人さんが確か熊本弁を披露していたような記
憶があります。亡き父の従兄が天草にいて、小さい頃訪ねた時に生
熊本弁を聞いたはずです。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2019-06-27 21:13) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

tommy88 さん

今朝また熊本が少し揺れたと小っちゃいニュースになってました。
あちこちにこのスローガン的ポスターが貼られているのだと勝手に
思い込んでしまい、結局実物は撮れてませんでした。ちょっと残念
ばい。
日本海側に沈み込むプレートに相当な歪が蓄積されているそうで、
太平洋側と併せ列島は何やら怪しい状況になりつつあります。あと
明日からのG20、80日余りでいよいよ始まるRWC、そして2020
東京五輪と海外からの訪問客が激増してくる最中に、決して揺れる
事のなきよう祈りたいものです。
災害対策パックは昨年のふるさと納税返礼品として確保済みで、水
は普段用の備蓄があるものの、食料関係が少々心もとないので、追
加購入が必要です。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2019-06-27 21:24) 

Lonesome社っ長ょぉ〜

ma2ma2 さん

ここのところ火山性ガスの噴出量が多いせいか、火口見物禁止が継
続しているたいです。硫化ガスは本当に恐ろしいですからね。

by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2019-06-27 21:27) 

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