船上のニューイヤーズ・イブ [旅の抽斗]
船乗りの守り神が本船上に降臨し、北極圏での船旅の安全を祈願してくれる
そんなセレモニーが大晦日の朝のデッキで催され大勢のギャラリーで賑わいました
北極線通過時刻当てクイズの申し込みが前日夜にあり、見事一番近い回答をした乗客が
船長による栄えある通過儀式の「餌食」となるのでした
北緯66度33分、トロルフィヨルド号は無事北極線(Arctic Circle)を突破します
守り神のパフォーマンスのあとクイズ優勝者が船長のもとへと呼ばれ
ここで船長から柄杓で氷水を背中へたっぷりと注がれ手荒い祝福を受けます
ショットグラスも手渡され、シャンパンではなく確かアザラシの肝油だったかと
お昼前だというのに乗客の手にはもうシャンパングラスがしっかり持たれ
日の出午後0時、日の入り午後1時という極夜の世界で迎える大晦日を祝います
冬至を過ぎたばかりなのではしりではありますがどんより曇り空が極夜に拍車をかけてました
デッキで撮影を続けていると北極圏最初の寄港地オルネス(Ørnes)が現れます
ものの10分程の停泊時間ではありますが地元住民への大切な物資と郵便輸送の使命です
デッキを右往左往しながらの撮影でしたが眼前に広がる風景にシャッター音が鳴り続きます
降り続いた雨も儀式の間に止み、時折雲から覗く晴れ間に希望の一筋が見えたような気がしました
北極線を通過するとまもなく船はオーロラベルトと呼ばれる一帯へと入ります
条件がすべて整うという状況でこのベルト地帯でのオーロラ出現率はグンと高くなるのです
出現予想は船の航路と共に24時間船室内TVモニタで写し出され気分を煽るのでした
そうこうしてる内に、船はさらに北へと1度弱進んで探索寄港地のBODØ(ボードー)へ
北極圏とは思えない近代的建物が並ぶ町として知られているようです
ここで私たちも再び鈍り始めた身体に鞭を入れるべく個別に町へと繰り出すことにしました
柄杓で氷水をかける船長さんが笑っているように見えるのは気のせいでしょうか。
赤い角のついたバイキングの帽子をかぶって笑っている丸顔のお方はおばさんでしょうか、おじさんでしょうか、ね。
実に楽しそうな笑顔です。
雪が張り付いているように見える岩山、深い入り江と針葉樹の木立とどんよりとした空、その下に広がる黄色く暖かさそうな家の灯りは北欧のイメージそのままですよ。
日本では見られない光景を眺めるだけでも旅の楽しさを感じられます。
次はどんな街が待っているのか、楽しみですよ。
by あるいる (2020-02-17 03:38)
まだコロナウイルスが流行る前で良かったですね!
今は外で電車にのるのも怖い感じですね。
by ma2ma2 (2020-02-17 09:14)
船長に柄杓で氷水をかけられるなら、時間を外しに行きますね。
そういう餌食とは知らず、何か貰えると当てに行ったのでしょうか。
予測を間違うとこひどいことになります。
傍観するには実に楽しいのですが、餌食になるのは嫌だな。
進み行く先で待ち受ける風景、ファンタジー映画ですね。
どれもファンタジー映画を撮影する場所に見えます。
不思議に妖しいのは、オーロラの予兆でしょうか。
by tommy88 (2020-02-17 13:09)
あるいる さん
TVで観たセレモニー・シーンではこの氷水の洗礼は紹介されてい
ませんでしたので、なかなか手荒い歓迎をするもんだと、さあ、
皆さんもどうぞという掛け声にも惑わされることはありませんでし
た。船長はもちろん終始にこやかにというよりも、多くの命を預か
りフィヨルドの中を縫うように航行するプレッシャーと、ストレス
の発散をしているようにも見えました。
緯度は北海道より遥か北に位置するものの、真冬でもさほど厳しい
寒さにはならない様子で、雪化粧の針葉樹をシンプルな窓から眺め
ながら、ご当地ミステリーに読みふけるというのも乙かもしれませ
んよ。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2020-02-18 08:02)
ma2ma2 さん
今から思い返すと、ちょっとゾクッと来てしまいますが、船内に隔
離して対処するという行為は、船内の感染拡大を覚悟して不特定多
数で未知なる感染拡大を防ぐという効果はあると考えています。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2020-02-18 08:07)
tommy88 さん
ヒートショックの危険性をはらんだ年齢域に達してくると、ダチョ
ウクラブのように率先して挙手するわけにはいきませんでした。
乗船客全員に船長から名入りArctic Circle 通過証明書なるものが
贈呈され、デッキのバーが夜中までオープンとなりました。また、
船から送れる郵便物には特別な切手とスタンプ(消印)が用意され
盛り上げムードは満載?でしたよ。
スイス・アルプスやロッキー山脈で見る冬景色とはまた一線を画
した初めて見る光景の連続でした。ここにPolar Lightが出現した
らそれもう何とも言えませんよ。
by Lonesome社っ長ょぉ〜 (2020-02-18 08:17)