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パリの日本人 [旅の抽斗]



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1時間余分に待たされた分ボケッと度も増し、どうやらマドリッド行便の行列に並んでいたらしく
搭乗券を提示したところ「これ、違いますよ」の声でようやく間違いに気付くありさま
最近こんな凡ミスがちょくちょく発生するのも仕方ない事なのかと歳のせいにしてみます
目的のパリ行便の搭乗ゲートが変更になったとは聞いてないぞと人のせいも忘れずに


おかげで中途半端になりかけた機内食がれっきとした夕食となって
ホテルの部屋で荷解きを済ませた頃にはお休みタイムが迫ってました
就寝前の用足しと部屋には不釣り合いな貧疎なトイレに入ってさあビックリ仰天
TOTOの文字が浮かび上がって見えるヨーロッパ初のウォシュレット登場


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4日間のサン・セバスチャン滞在で少々悲鳴をあげていた我がオイドに天使降臨です
どういう経緯でパリのこのホテルに導入されたのか結局聞けず仕舞いでしたが
少なくとも日本人は勿論の事ウォシュレットを愛し始めたC国の旅人狙いか
そして避暑にやって来るイスラミックな人々も含まれているのでしょうか


乾燥機能まで備えたウォシュレットで爽快なパリの朝を迎え朝食もしっかりと摂って
与えられた1.5日は観光や鑑賞ではなく老親介護疲れの妻慰労のためだけに使います
ホテルから歩けるサントノーレ通りを西側から東側へと朝の散策を開始
路面店がそろそろ開店する時刻となっても通りは意外にも閑散としています


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エリゼ宮をはじめブリストルなど5星ホテル、そして数多くの服装飾店が軒を並べる一角
パリへ来たらここは外せないだろうと気合が入る彼女をアテンドするマヌカンさんの
マダムを連呼するアグレッシブな接客に思わずあの映画の一場面が思い浮かびます
これが単なるシーン再現の序章に過ぎなかったことは後の夕食時に証明されるのでした


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昼食を挟みギャラリー・ラファイエットがあるオペラ座周辺へ移動してビックリ仰天
店内は完全にC国観光客にジャックされごった返す有り様で買い物どころじゃありません
人混みに酔いさらわれる前に撤収を図らねばと地下鉄へ退避です
様相がすっかり激変してしまったシャンゼリゼ通り同様ここはもはやパリではないのかも


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いやいや、やっぱりパリでした


予定より早くホテルへ戻ったのでここは夕食で挽回しようとコンシェルジュの助けを乞います
待ってましたとばかり徒歩圏内にイイ店があるというので予約してもらい部屋で休憩です
19時とはいえまだまだ明るいシャンゼリゼには場違いな店と溢れんばかりの観光客
にわか見物しながら閑静な一角へと進み歩いてお目当てのビストロに到着です


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スマート・カジュアルまでならOKということで選んでもらった店はお気取り無用の開放的雰囲気
メニューは割と豊富でSnailと表記されたあれが食べたいというのでスターターに決定
シャンパン半ばでたこ焼き器似の鉄製容器が例の挟みクリップの御前に登場です
ガーリックとバターがたっぷりのジェノバ・ソース風で仕立てたエスカルゴはどうやらこの店のウリ


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余計な事を言わなきゃよかったと時すでに遅しの午前の部サントノーレ回想
妻が操るクリップのぎこちなさだけがやたら目についたので、あの場面の解説で茶化す私
に次の瞬間、カチャッという乾いた音と共に襲いかかってくるソースとエスカルゴ
所詮映画は演出、実際は災難と共にソースだらけにされてしまうのがオチなんです


サン・セバスチャンでは登場の機会がなかったおニューのシャツが見事にシミだらけで
おまけに勢い余ったかボックス席の背もたれまで飛んできたソース
事の顛末を一部始終観ていたのかギャルソンおばちゃんが大笑いしながら
新しいナプキンを持って席に来てくれ何やらフランス語で私に言うのでした


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白馬の王子様登場のエンディングは勿論不必要ですからそのまま最後まで食事とワインを楽しみ
帰国したら高級特別クリーニングに出してあげるという確約を貰い
夕暮れの少しだけ冷たくなった風に当たりながら頭も一緒に冷やしつつパリを歩きます
8月の半ばはまだ夏休みのパリ、閉まる店舗が多い中シャンゼリゼだけは別世界なのでした


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